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2018年1月31日【アフター市場】

オートバックス、「JACK&MARIE1号店」に先立ち渋谷でポップアップストアを出店

坂上 賢治

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オートバックスセブンは、既存のオートバックス店舗網とはまったく異なる新事業体として『JACK & MARIE(ジャック&メリー)』の運営を開始する。その記念すべき1号店の開業は、来る3月16日。横浜市・横浜駅東口のショッピングモール・横浜ベイクォーター内の「JACK & MARIE 横浜ベイクォーター」としてのオープンを間近に控えている。

 

 

同社はこれに先立ち、首都圏全域の消費者に対する先行告知とメディアに対するプロモーション施策を兼ね、この1月27日~3月4日迄の期間限定で、渋谷区神宮前(神宮通公園交差点角)に同ブランドの世界観を訴求するポップアップストアを出店した。

 

 

ちなみにJACK & MARIEブランドは、2017年6月から、著名ネットショップの「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)内」で自らが開発した商品の販売を開始。同Webショップのカテゴリー上で、売上上位を占めた他、実売を伴う地域イベント参加での販売好調を受け、遂にリアル店舗のオープンに至ったもの。

その製品群は、まず筆頭にメンズ&ウィメンズアパレルなどで約2,000種の商品を取り揃えた。

その他、アウトドアでのカフェやギャザリングを楽しむカトラリー類、自動車内での荷物の整理に適したバッグやコンテナ類、ドライブ時に車内での移動空間を愉しむためのアクセサリーやファブリックなど、休日にクルマに荷物を積み込んでアウトドアライフを満喫する愉しさを表現している。

 

 

これまでは同社は、既存のオートバックス店で全国広域に亘って、洗車グッズやアクセサリーを追加しての楽しみ、タイヤ交換や車検整備など、車両そのものの機能を高める製品やサービスを提供していくことで、多彩なカーライフの広がりを展開してきた。

しかし今回はJACK & MARIE店として、若年層だけに留まらない消費者層の「クルマに対する価値観の変化」にいち早く応えるべく、これまでの切り口とは「立ち位置自体」が異なる新たな購買体験を提案していく。

 

 

具体的には、車両そのものを愉しむどちらかと云うと男性的なライフスタイル提案から、クルマを取り巻く「コト消費」を愉しむ事業として新創業した。これは同社の事業拡張性も含めて、未来の可能性を模索するまったく新しい取り組みであると云えるだろう。

 

 

そこで今回、期間限定のポップアップショップとして開設された渋谷神宮店を、店舗入り口のエントランスから眺めると、既存カーライフ提案とは異なる「お洒落な雑貨屋」のイメージとなっており、同社の既存事業であるオートバックスブランドとは別モノの世界観が構築されている。従って、自動車に関わる製品ブランドを思わせる雰囲気は微塵もない。

 

 

店内には、ゾゾタウン内で販売好調を誇るアパレル製品を筆頭に、洋服や食器、アロマオイルなど、女性にも喜ばれる品揃えとしてセレクトショップの風情。消費者層の年齢・性別・消費志向を問わない誰もが入店できる雰囲気が漂う。

 

 

ショップスタッフは、新事業立ち上げにあたって新たに雇い入れた形ではなく、既存のオートバックス店からの移動で体制を拡充。プロパー社員による新事業の立ち上げを模索しており、アパレル製品を筆頭に販売製品のバイイングだけでなく、今後の新商品の開発並び調達、値付けなどのあらゆる切り口に於いても、自社内リソースによる言わば「社内起業」に近いスタイルであるようだ。

 

 

なお、JACK & MARIEの標榜する世界観のひとつとして据えた「クルマに荷物を積み込んでアウトドアライフを満喫する」ための自動車そのものに直結するタイプのグッズ類展示は、今ポップアップショップでは、店舗内の最も奥に特設スペースを設けて展開する形となっている。

このため、店舗入り口で訴求するイメージと店舗奥のスペースとでは若干のギャップを生んでいる様子が見受けられた。今後はそうした違和感の払拭、店舗入り口が奥から至る空間デザインに一貫したストーリー性を持たせることが課題であるのだろう。

 

 

ちなみに3月16日のオープンとなる「JACK & MARIE 横浜ベイクォーター」店では、店舗内に実車両が入れられ、クルマと愉しめる生活を、よりダイレクトに表現するライフスタイル提案を行っていくとのこと。

今回のポップアップショップとは異なり、より自動車生活を楽しめる環境にある横浜エリアの市場特性に沿った顧客訴求に挑戦していく構えとなりそうだ。

基より同社によると、JACK & MARIEの顧客向けコンセプトは「自然に囲まれたオーストラリアを舞台に、『Cafe×Nature×Car life』をキーワードにアウトドアライフを楽しむ層に向けた訴求であり、『パッキング』『クルマに積み込む』『移動中も妥協しない』『心地よい車中泊』『サイトでカフェスタイル』の“5つの心躍るシーン”を提案するブランドだとする。

 

 

これを踏まえ今後、新店舗網として2号店・3号店と展開していく際、この自動車を含めたライフスタイル提案については、個々地域性に応じたさじ加減が重要だろうと思われ、今後、店舗網の拡大につれて、その店舗スタイルや訴求コンセプトは、一定のカラーに収斂されていくものと見られる。

新店舗の立ち上げに伴い「クルマを通じたライフスタイルの新提案」を行っていくとする同ブランド。これまで女性にとって敷居が高く、入り難かった自動車ライフスタイル店に関わる新提案という意味で、「身近で入り易い」、「買い易い」というイメージ以外に、ありきたりではない特色をどのように打ち出していくかが、今後の事業新進の課題になって行きそうだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。