
一般社団法人 日本自動車データレコード鑑定協会(JADRAA/所在地:東京都中央区、代表理事:伊藤 久雄)は、国内初(自社調べ/2025年2月末時点「中古車EDR事故履歴鑑定サービス」に於いて)となるEDR(イベント・データ・レコーダー)を利用した中古車事故履歴鑑定サービスの提供を開始した。
同サービスは、中古車購入に伴う不安を解消し、消費者がより安心して車を選べる環境を整えることを目的としている。JADRAAは、公正かつ透明性の高い事故履歴鑑定を行い、車両の過去の事故履歴を正確かつ客観的に評価することで、中古車市場の健全な発展に貢献していく。
今後は2025年春より、まずは関東圏および全国の一部エリアでサービスを開始し、順次全国へ展開する予定としている。
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協会設立の背景は、近年の自動車技術の進化により、多くの車両が電子制御システムを搭載し、EDR(イベント・データ・レコーダー)をはじめとする膨大なデジタルデータを記録するようになったことがある。
EDRは事故発生時の車両の挙動や運転操作の詳細を記録し、事故解析において重要な役割を果たす。しかし、こうしたデータを公正かつ適正に解析し、透明性のある形で活用できる仕組みは、これまで十分に整備されていなかった。
特に中古車市場では、車両の事故履歴に関する信頼性の高い情報を取得することが難しく、消費者にとって不安要素となっていた。また、事故や故障に関するデータの取り扱いに統一基準が存在しないため、関係者間での認識の相違やトラブルの原因となるケースも少なくない。
こうした課題を解決し、中古車市場の健全化と消費者の安全・安心の確保を目的として、全国のEDR解析資格を有する専門家をはじめとする関連分野の専門家が結集し、公平・公正かつ中立的な第三者機関として「一般社団法人 日本自動車データレコード鑑定協会」を設立した。
JADRAAでは、「当協会は、EDRデータを活用した事故履歴鑑定を通じて、中古車取引の透明化を推進し、自動車業界全体の信頼性向上に貢献してまいります」と話している。
なお協会代表者理事の伊藤久雄氏は、事故解析鑑定および事故研究の専門家として財団法人日本自動車研究所(JARI)に於いて30年間に亘り、交通安全分野の広範な研究に従事してきた人物。全米プロフェッショナル事故鑑定士協会会員であり、BOSCH認定 CDRアナリストでもある。
過去実績では、国内自動車メーカー、国土交通省、警察庁、科警研、および法人企業からの委託を受け、3,000件以上の交通事故再現実験や車両安全性能試験を実施。国内外のNCAP試験に携わる他、交通鑑識や交通事故救助講座の講師を務め、更には鉄道や航空機を含む多様な交通安全分野の研究プロジェクトや、国内外の衝突安全基準の策定にも関与してきた。
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協会の取り組みとサービス内容は以下の通り
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同協会は、サービスの第一弾として、国内初となるEDR(イベントデータレコーダー)を活用した事故履歴鑑定サービスを提供する。サービスの特徴は以下の通り。
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1. 専門家による解析:EDRデータ解析の資格を有する専門家が、車両の衝撃記録データを抽出・解析する。
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2. 事故履歴の証明:「事故履歴がないことの証明」や「車両の衝撃ダメージの客観的評価」を提供する。
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3. 中古車市場の透明性向上:買取・販売時の信頼性向上に貢献する。
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4. EDRデータ解析:オプショナルとして、事故の日時、事故時の車両速度、衝撃の強さなどの記録から、詳細な事故状況の把握も可能。
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なおEDR(イベントデータレコーダー)とは、自動車のエアバックコンピューター内に搭載されたデバイスで、車体に一定以上の衝撃が加わった場合そこから約5秒間遡り、車両のデジタルデータ(最大約100種の情報)を記録する自動車版のフライトレコーダー。このEDRデータを利用して車両骨格の衝撃入力ダメージを可視化することで、正確な車両評価を客観的かつ効率的に実現することができる。
過去のEDR記録データを全て解析し、記録された衝撃レベル、入力方向、エアバック作動等の情報より、車体へのダメージについて当協会の定める基準により、シンプルで誰にでも分かり易い表示方法で判定する。
大きな衝撃レベルの記録については車体ダメージがある結果となり、小さい衝撃レベルが複数記録されていても車体へのダメージがないものとして判定される。
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今後の展開について
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同協会では、より多くのユーザー様に信頼性の高いEDR事故履歴鑑定サービスを提供するため、以下の取り組みを進めていく。
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1. 協会会員の募集
全国の自動車関連の専門家や企業との連携を強化し、専門知識と技術を活かした公平・公正なデータ解析を推進する。
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2. 全国の専門家ネットワーク構築
EDRデータを活用した事故履歴鑑定の普及と認定鑑定士の育成を進め、各地域で専門的な解析を提供できる体制を整える。
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3. サービス展開スケジュール
2025年春:関東圏および全国一部エリアで中古車販売店・買取店向けにサービスの提供を開始する。その後、順次全国展開を進め、全国規模でのEDRデータ活用を促進させていく。
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4. 会員制度
– 正会員(データレコード鑑定の専門家):EDRデータの抽出および解析事業者として認定登録する。
– 一般会員(中古車販売店・買取店向け):会員価格でEDR事故履歴鑑定サービスを利用可能としていく。
– 賛助会員(企業・団体・個人向け):当協会の活動を支援して貰える企業・団体・個人へ、最新のEDRデータ解析情報の提供や、各種セミナー・研修会への優先参加特典を設けていく。
※現在、正会員、一般会員、賛助会員を募集中。詳細は協会のホームページを閲覧されたい。
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協会概要
名称:一般社団法人 日本自動車データレコード鑑定協会(JADRAA)
所在地:東京都中央区日本橋
代表理事:伊藤 久雄
設立:2025年1月17日
事業内容:EDRデータ解析による中古車事故履歴鑑定サービスの提供、自動車デジタルレコードデータの解析鑑定
WebサイトURL:https://www.jadraa.or.jp