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2018年3月16日【アフター市場】

JAF、EV・PHVなど電動4車種で災害時想定の家電使用を検証

NEXT MOBILITY編集部

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JAF(日本自動車連盟)は、災害時の電源供給として注目されている電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)・ハイブリッド車(HV)・一般的な車で、家電がどの程度使えるのかを検証し、その結果を3月16日に公開した。

JAF・ロゴ

今回の実験では、テスト車4台について、以下の2つのテストが行われた。

 

 

[テスト1:どのような家電が使えるのか(4台をテスト)]

 

EV、PHV、HVは、1,500Wまでの電気製品が使えるACコンセントを装備しているが、一般的な車は、大容量バッテリーとACコンセントを装備していないため、車のDC電源(シガーソケット)をAC電源に変換するインバーター(定格出力1,000W)をバッテリーに直接つなぎ、①スマホの充電器(5W)、②電気毛布(80W)、③ライト(100W)、④電気ストーブ(400W/800W)、⑤電気ポット(430W)、⑥電気ポット(1250W)、⑦ホットプレート(1350W)の家電製品が使用できるかを検証した。

 

 

下の表がその結果。EV、PHV、HV(エンジン始動が前提)では、最も消費電力の高いホットプレートまで使用できた。そのため、被災時やオートキャンプの際、明かりを灯して暖を取ったり、食事を作ることもできるとしている。

 

一方、一般的な車では、インバーターの容量しだいで使用できる家電は変わるが、バッテリーの容量が小さいため、エンジンをかけずに長時間使用できる家電は限定される。

 

 

[テスト2:お湯が何回沸かせるか(3台をテスト)]

 

EV、PHV、HVの3台で、1,250Wの電気ポット(1.2リットル)を使用し、5時間でに何回お湯が沸かせるのかを検証。

EVとPHVは事前にバッテリーを満充電に。HVは充電器による充電ができないため、テスト開始時のバッテリー残量(3分の2)で開始した(気温7℃、水温6℃)。

 

ちなみに、PHVとHVは、バッテリーの蓄電量が減ると自動的にエンジンが始動して電気を供給するが、今回は災害時で燃料に余裕がなかったり、アイドリングができない状況を想定したため、バッテリーの蓄電量のみの検証とした。

 

 

結果は下の表の通り。EVでは30回お湯を沸かした後でも、バッテリーの残量は3分の2程度あった。

 

PHVではエンジンを始動せず27回お湯を沸かせたが、28回目の途中でエンジンが始動した。HVはバッテリーの容量が小さく、充電量も3分の2程度だったため、1回しかお湯を沸かせなかった(2回目の途中でエンジンが始動)。

 

 

[補足:インバーター使用の際には、バッテリー上がりに注意]

 

一般的な車でもインバーターの定格出力(1,000W)内の電気ポット(430W)や電気ストーブ(400・800W)は使用することができた。

 

しかし、電気ストーブを800Wで9分間使用したところ、バッテリー(新品)の電圧が降下し、インバーターの保護回路により電気の供給が停止。

 

エンジンをかけた状態でも電圧の降下が確認できたことから、バッテリー上がりを防ぐため、エンジン始動時でも消費電力が大きい家電を使い続けることは避ける必要がありそうだ注意を呼び掛けている。

 

 

以上の結果を受けてJAFは、一般的な車は、バッテリーや発電機に余裕がないことから、エンジンの始動・不始動にかかわらず、消費電力が大きな家電は長時間の使用は控える。

また、EVやPHVは災害時の電源として活用でき、PHVとHVはエンジンが始動できれば、燃料が続く限り電気の供給が可能であるとしている。

 

しかし、いずれも災害発生前に蓄えた電気や燃料次第となるため、日頃からバッテリーの充電や燃料の補充を心がける必要があると結んでいる。

 

JAFユーザーテスト[資料編] 災害時の車からの電源供給:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/disaster/detail1.htm

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。