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2019年4月15日【アフター市場】

産学連携3社で「jinjer HR Tech総研」発足

松下次男

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ネオキャリア、東京海上日動火災保険、慶應義塾大学院岩本隆研究室の三者が産学連携でクラウドを活用した人事データと保険の融合などを推進

 

 人事向けクラウドプラットフォームサービスを提供するネオキャリア(西澤亮一代表取締役、本社・東京都新宿区)、東京海上日動火災保険、慶應義塾大学大学院・経営管理研究科の岩本隆研究室の三者は4月15日、東京・丸の内の東京海上日動本社で記者会見し、産学連携による「jinjer HR Tech研究所」を設立したと発表した。

 

 

少子高齢化や人手不足時代に対応し、新発足の同研究所はそれぞれ企業の持つ人、保険や事故に関するデータおよびノウハウと大学の研究部門をつなぎ、新たなサービスやビジネスモデルの研究、開発などに取り組んでいく考えだ。

 

 研究所名にあるjinjerは企業の人事データを一元管理するためのネオキャリアのHR(ヒューマン・リソース)プラットフォームのことであり、Techはテクノロジーをさす言葉。ネオキャリアの加藤賢専務取締役、東京海上日動の堤伸浩情報産業部長、それに慶應大大学院の岩本特任教授が会見した。

 

少子高齢化、人手不足時代をにらんで、人事や保険ん・事故のデータを有効活用した新ビジネスを研究

 

 ネオキャリアと東京海上日動はすでに昨年末に業務提携を発表。両社の保有するノウハウやデータを有効活用することで、企業のニーズにマッチした保険を新開発し、あらゆる企業が必要な保険をより便利に、加入・利用できるよう共同で取り組むことに合意した。この第一弾として「団体長期障害所得補償保険(GLTD)」やストレスチェックサービスなどの提供を始めている。

 

 加藤専務、堤部長は同保険について、長期就業不能時の収入減少をカバーする保険であり、福利厚生制度の充実、休職者支援などの観点から同保険に注目が集まっているとし、とくに働き方改革や福利厚生の充実が喫緊の課題となっている「中小企業の経営課題に貢献できるものだ」と述べた。

 

 

また「企業・授業員データを活用することで、従来のような詳細な個人情報の記入が不要で、スマートフォンから簡単に加入手続きができる」のも新たな動きだ。岩本研究室はビジネス×テクノロジー領域の研究を推進しており、「民間企業と共同研究することで、どのようなビジネス、産業が生まれるか、注力していきたい」と述べた。

 

 ネオキャリアは、採用後の入社手続きに始まり、入社後の勤務管理、部署異動、役職変更、経費精算、給与支払いなど、これまで多くの企業でバラバラに管理されていた人事業務を一つのプラットフォームに集約し、業務改善を大幅に改善するサービスの提供で注目され、業績を伸ばしている。これまでに、自動車分野をはじめ、多様な企業、業種に同サービスを導入している。

 

 近年、こうしたテクノロジーに進化により業種の境で新たなビジネスが生まれることを「×(クロス)Tech」と呼ばれているが、これにさらなる研究機関が加わることで次に来るのが「×2(クロスクロス)Tech」時代と述べ今回の研究所スタートを「HR×Insur(保険)Tech×Something」と表現した。保険分野をはじめ、人手不足時代に対応した新たなビジネスの誕生が期待される。(佃モビリティ総研・松下 次男) 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。