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2024年4月19日【IoT】

日産自動車+PAS、クルマと家庭を繋ぐサービスで連携

坂上 賢治

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日産自動車、パナソニック オートモーティブシステムズ(PAS)、パナソニック くらしアプライアンス社(LAS)は4月19日、日産自動車が提供する「NissanConnect(ニッサンコネクト)」とパナソニックが提供する「音声プッシュ通知」を連携させて、家庭内の家電を通じてクルマの移動情報や状態を音声で通知する新サービスを開始した。

 

 

近年の販売車両では、車両状態の管理、地図情報の更新、アプリ活用などインターネットを介して外部と繫がるコネクテッドカーの新車販売台数(乗用車)は増加傾向にあり、2022年の58.0%から2035年には85.4%まで上昇すると予測されているという(富士経済調べ)。

 

また今後益々の普及拡大と同時に、新たな価値創造が期待されてる。一方で一般家庭では、エアコンや洗濯機、電子レンジなど、白物家電でのIoT化が進み、家電の遠隔操作や音声操作、節電、防犯などが普及しつつある。

 

これを踏まえ、今回の参画3社は、クルマで出かけた家族の帰宅、EVの充電完了通知などをパナソニックの対象家電を介して音声で通知。クルマと家電の連携により、快適・安心・家族の繋がりを深める新サービスを提案する。

 

 

新サービスの特長は以下の通り

  • 1. クルマの情報を家電が音声で通知
  • 2. クルマの帰宅を自動で通知
  • 3. 出発時刻とお出かけ前の「乗る前エアコン」設定の促しを通知

 

これらは全て「NissanConnect」の新サービスとして提供される。より具体的には「音声プッシュ通知」に対応するパナソニックの家電を通じて、様々な情報を音声で知らせるもの。

 

それぞれ異なるクラウドサービスの「NissanConnect」と「音声プッシュ通知」のAPI(Application Programming Interface)を連携させることで両サービスのID認証を行い、ユーザーを紐づけることでセキュリティー面をカバー、シームレスな情報伝達を実現させていく。

 

パナソニックの家電製品とNissanConnectとのサービス連携図解

 

1. クルマの情報を家電が音声で通知
スマホアプリで通知している「NissanConnect」による各種通知を、対象のテレビやロボット掃除機、LEDシーリングライト、ドアホンから通知。くらし空間に存在する家電から音声で伝えるため、「家の中でスマートフォンの通知に気が付かなかった」など、日々のくらしの中で起きがちな、うっかりを減らし、快適・安心なくらしを実現させる。

 

2. クルマの帰宅を自動で通知
設定エリアにクルマが入ったことを検知して音声通知するゾーンアラート機能を新たに開発。同機能により、テレビなどを通じてクルマで出かけた家族の帰宅タイミングを音声で知らせるため、家族の帰宅時間がわかり、その後の予定が組みやすくなるなど、忙しい家族の時間のやりくりをサポートする。

 

3. 出発時間とお出かけ前の「乗る前エアコン」設定の促しを通知
出発時間を設定することで、その時間が近づくと、出発時間と出発前の「乗る前エアコン」設定の促しを音声通知する機能を追加した。同機能により、出発時間が近づいたことを家族で共有できると同時に、出発前にアプリからエアコンを始動できるため快適な車内環境が実現する。

 

 

各社の役割は以下の通り

 

日産自動車
日産自動車は、「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスのもと、革新的な技術を活用し、顧客へ新しい価値を提供する。同サービスで日産自動車は、車両およびNissanConnectと家電との連携部分に関する開発を担当した。

 

パナソニック オートモーティブ
パナソニック オートモーティブは、ミッション「一人ひとりのより良いくらしの実現のため、持続可能なモビリティ社会を創造する」を掲げ、人のこころに寄り添い、革新的な技術で顧客ニーズに応えていく。今回は培ってきた車載事業の知見を生かしプロジェクト全体の戦略や事業推進を担当した。

 

パナソニック くらしアプライアンス社
パナソニック くらしアプライアンス社は、100年育んできたくらしに寄りそう力で、人と地球の未来に続く、感動の商品とサービスを創造することを目指している。同サービスではNissanConnect専用音声プッシュ通知基盤(クラウド)の開発と音声プッシュ通知サービスの提供を担当した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。