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2023年1月19日【アフター市場】

パイオニア、カロッツェリアの全商品がオンライン化

松下次男

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車内ワイファイスポット化し、最新スポットの検索や自動地図更新も実現

 

パイオニアは1月19日、カロッツェリアの主力カーナビ商品である「楽ナビ」を全面改良し、オンラインに対応した商品として3月から発売すると発表した。発売するのは15機種で、カロッツェリアのカーナビとして初のフローティングモデルもラインアップする。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

 

東京都内で開いた新商品発表会で髙島直人取締役兼常務執行役員モビリティプロダクトカンパニーCEOは、今回の楽ナビのオンライン化で「カロッツェリアのすべての商品のオンライン化が実現する」と強調し、「私たちはクルマの中をもっと自由で、快適にエンターテイメントを楽しめる世界を作っていく」と述べた。

 

 

新型楽ナビは、NTTドコモとNTTコミュニケーションの車内向けインターネット接続サービ「docomo in Car Connect(ドコモ・イン・カー・コネクト)」に対応し、ネットワークスティック(同梱または別売)を接続すれば、NTTドコモのLET通信が定額で制限なく利用できる。

 

これにより同機が車室内のワイファイスポットとなり、通信量を気にせずにスマートフォンやタブレットなどでオンラインの動画や音楽、ゲームなどが楽しめる。

 

 

また、同機とスマートフォンやストリーミングメディアプレイヤーをHDMI接続することにより、映像コンテンツをカーナビ本体や後席モニターなどの大画面に表示し、オンライン動画を楽しむことも可能だ。

 

さらに新しい道路や変化する街の情報を反映した最新地図を通信を使って更新する「自動地図更新」にも対応する。ネットワークスティック付きモデルだと最大3年間(最大5回)、無償で最新地図に更新できる。

 

 

新型楽ナビは操作性も改良。ドライブ中によく使う機能をスムーズ、直感的に操作できるユーザーインターフェース「Do メニュー」を採用する。

 

これはスマートフォンやパソコンなどで使い慣れたインターネット検索のように、思いついたキーワードを入力するだけで最新スポットの検索が可能になるものだ。ジャンルや場所、住所、電話番号、郵便番号なども同じ検索ウィンドウに入力することで最新情報が検索できる。

 

これにより、お出かけの際の行き先や立ち寄る機会に多い駐車場、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどがワンタッチで検索できる。オンライン接続時にガソリンスタンドを検索すれば、ガソリン価格情報も確認できる。

 

 

また、HDパネル(1280×720)と高透過率の静電容量方式タッチパネルに高輝度LEDバックライトを搭載し、地図や映像ソースなどが高画質で楽しめる。

 

パイオニアはクルマのオンライン化を業界に先駆けていち早く提案。2019年のサイバーナビのオンライン化を皮切りに、ディスプレイオーディオ、車載用ワイファイルータ、会話で道案内できる新しいデバイスのNP1と対応する商品ラインナップを広げ、今回の楽ナビでカロッツェリアの主力製品のオンライン化が揃った。

 

これに対し、髙島取締役は「デジタル化で様々なサービスを楽しむことが定着した今、私たちが業界に先駆けていち早く進めてきたクルマのオンライン化という提案は正しかったと確信している」と述べたうえで、クルマをオンライン化することで、「実現できる世界はどんどん広がっている」と強調。

 

 

クルマが外の世界とつながることで「得られる安心感」、様々なサービスと連携した「新しいドライブ体験」、新機能やサービスを追加することにより「持続的な進化」をカロッツェリアは実現すると訴える。

 

3月から発売する新型楽ナビはネットワークスティック同梱モデルが5機種、スタンダードモデル(ネットワークスティック別売)が10機種。価格はオープン価格で、7万円から19万円前後の実勢価格を見込んでいる。

 

また、楽ナビ専用連動ドラレコ、楽ナビ専用バックカメラ、ディスプレイオーディオ、それにアップル・カープレイおよびアンドロイド・オートに対応したフローティングタイプの9インチ大画面ディスプレイオーディオも3月発売する。
 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。