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2018年2月28日【アフター市場】

豊田通商+矢野経済研究所+いその、自動車の樹脂リサイクル実証事業を開始

NEXT MOBILITY編集部

 

豊田通商は、矢野経済研究所および、いそのと共同で、自動車由来樹脂リサイクル可能性実証事業を本格的に開始する。

 

実証事業期間は、2017年度から2019年度の3カ年を計画しており、初年度の今年は1月から、自動車メーカーにより樹脂種別、グレード、難燃剤などの使用状況の情報提供を受けて回収候補部品を選定、3月1日より使用済自動車から樹脂由来の部品を取り出し、破砕・粉砕した樹脂部品の劣化度合などの検証までを行う。

この実証事業は、自動車リサイクルに関わる審議会などで提言されている「自動車リサイクルの高度化及び自動車ユーザーのリサイクル料金負担低減」に資する実証事業として、自動車リサイクル高度化財団による「平成29年度自動車リサイクルの高度化等に資する調査・研究・実証等に係る助成事業」に採択されたもの。

 

自動車に使用されている樹脂は、取り外しのコスト高や、経年劣化、物量確保の難しさなどから、再生樹脂として利用されず、サーマルリサイクルされることが主流。

 

現在、自動車に採用されている樹脂の重量比は、2011年と比較して約12%程度増え、発生するASR(※1)のうち樹脂部品が占める割合は約33%。今後、自動車の軽量化が進むことで樹脂の使用増が見込まれ、最適なリサイクル方法の開発が課題とされている。

 

この実証では、その目的として、使用済自動車に含まれる樹脂部品・素材を可能な限り素材としてリサイクルし、持続可能な形で資源の有効利用を行うための課題抽出及び、その解決策の検討を目指すとしている。

 

仮にASRが10kg/台削減されれば、ASRリサイクル費用が約18%削減され、リサイクル料金のユーザー負担軽減にもつながると云う。

 

※1)ASR:Automotive Shredder Residue (自動車破砕残さ)

 

 

 

実証では、先ず、自動車メーカーで選定された候補部品について、部品取り外しおよび異物除去にかかわる工数や解体時の課題を抽出するため、中部地区の協力解体業者(※2)で使用済自動車約1,000台の解体を行い、豊田通商がデータを収集。

 

品質検証では、取り外した樹脂部品の劣化度合等をいそのが検証。得られたデータおよび解決すべき課題のまとめを矢野経済研究所が実施する。

 

また、来年度以降は、得られた課題に対して、効率的な解体方法などの取り外し工数の低減を検討するほか、新たに輸送時のコスト低減方法などを検討する。

 

豊田通商は、使用済自動車から金属や非金属などを回収するリサイクル事業を半世紀にわたり国内外で行い、金属資源の確保・適正処理・環境問題に対応。この実証事業を通じ、樹脂の有効活用にも貢献していくとしている。

 

※2)解体業者一覧(50音順):小林商店、城北自動車興業株式会社、ニュー岩田株式会社、有限会社丸大産業、有限会社森田車輌、株式会社山内商店

 

 

[株式会社矢野経済研究所 会社概要]

所在地:東京都中野区本町2-46-2
設立:1958年(昭和33年)3月
代表者:代表取締役社長 水越 孝
事業内容:マーケットレポートの発刊、受託調査・コンサルティング業務の提供など

 

[いその株式会社 会社概要]

所在地:愛知県名古屋市東区相生町55番地
設立:1957年(昭和32年)3月
代表者:代表取締役社長 磯野 正幸
事業内容:樹脂原料再生加工、卸など

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。