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2018年1月5日【テクノロジー】

デンソーとFLOSFIA、電動化車両向け次世代パワー半導体の開発で協業

NEXT MOBILITY編集部

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デンソーとFLOSFIA(フロスフィア)は、次世代のパワー半導体の材料として、コランダム構造酸化ガリウム(α-Ga2O3)の車載応用に向けた共同開発を開始することを決定した。

 

また、あわせてデンソーがFLOSFIAのシリーズCの新株を引き受ける資本提携を実施した。

 

 

α-Ga2O3は京都大学・藤田静雄教授が、世界で初めて単結晶合成に成功。5.3eVの高いバンドギャップをもち、絶縁破壊電界が大きいことなどから、従来のシリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)にかわる次世代の低損失パワー半導体材料として期待されている。

 

α-Ga2O3を用いることで、電動化車両に搭載されるインバーターの低損失、低コスト、小型軽量化が期待でき、電気自動車など電動化車両の普及に貢献することが見込まれていると云う。

 

 

デンソーは、2007年からハイブリッド車や電気自動車向けに、「パワーコントロールユニット(PCU)」を提供している。

 

PCUは、電池からモータージェネレーターに流す電流を調整するインバーターなどを備えた製品で、エネルギーをより効率的に使うためには、電流を直流から交流に変換する際のエネルギー損失を抑える必要がある。

 

そのため、デンソーは従来から低損失パワー半導体の研究開発に取り組んできた。

 

 

一方のFLOSFIAは、α-Ga2O3を用いたパワー半導体の事業化に取り組んでいる2011年創業の京都大学発のベンチャー企業。

 

2015年に世界最小のオン抵抗0.1mΩcm2のSBD(Schottky Barrier Diode)試作データを発表し、2016年には、新規p型半導体α-Ir2O3、2017年9月にDC-DCコンバータでの動作実証に成功するなど、世界に先駆けてα-Ga2O3の研究開発、事業化に取り組んできた。

 

両社はα-Ga2O3の車載応用に向けた共同開発を通じ、自動車の電動化におけるキーユニットであるPCUの技術革新を目指し、自動車の軽量化や燃費改善を推進、環境性能の向上に貢献していきたいとコメントしている。

 

 

[株式会社FLOSFIAの会社概要]

 

会社名:株式会社FLOSFIA(フロスフィア) http://flosfia.com

所在地:京都市西京区御陵大原1番36号 京大桂ベンチャープラザ
代表者:人羅 俊実
資本金:22億6千万円(資本準備金等含む)(2018年1月4日現在)
事業内容:α-Ga2O3パワー半導体の研究・製造・販売、各種金属酸化膜等の材料販売・成膜加工サービス

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。