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2024年5月7日【自動車部品】

ジェイテクト、HICE向け高圧水素減圧弁の開発に着手

坂上 賢治

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水素エンジン向け高圧水素減圧弁

 

化石燃料の代わりに水素を燃焼させて走行する「水素エンジン車」に貢献

 

ジェイテクトは5月7日、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、化石燃料の代わりに水素をエンジンで燃焼させて走行する水素エンジン車向け「高圧水素減圧弁」の着手した。

 

より具体的に同社は、「2035年オールジェイテクトによるカーボンニュートラル達成」を実現するべく多くのカーボンニュートラル関連製品の開発に取り組んでいる。そうしたなかで既に量産を果たした燃料電池自動車向けの製品だけに留まらず、水素エンジン分野に於いても製品開発領域を拡大する。

 

ちなみにジェイテクトでは、2002年より高圧水素事業で貢献。これまで燃料電池自動車用「高圧水素供給バルブ」や「高圧水素減圧弁」を発表している。

 

ジェイテクトの高圧水素事業の沿革

  • ・2002年~ 油圧パワーステアリングで培った流体技術を応用して高圧水素事業に着手
  • ・2014年~ 初代「MIRAI」へ高圧水素供給バルブと高圧水素減圧弁を供給開始
  • ・2020年~ 新型「MIRAI」向けに第2世代品を量産開始
  • ・2023年~ 商用車向けに高流量対応となる第3世代品を開発

 

もとより上記を踏まえ、ジェイテクトにとっての高圧水素用供給バルブ及び減圧弁に係る技術は、水素燃料電池自動車の高圧水素貯蔵システムで既に搭載・実用化されており、いわば同社の基盤技術と言える。

 

水素エンジン車の概略 高圧水素供給バルブ及び高圧水素減圧弁の搭載箇所

 

そこで今回は、上記技術領域での20年以上の技術開発に係るノウハウ及び、2世代に亘る市販車への世界トップレベルの量産実績( 量産品の生産実績5.4万個以上、延べ走行距離地球2万周分相当の7.9億キロメートル )を通じて、水素エンジン車向け高圧水素製品の開発に取り組む。

 

そんな水素エンジン車向け高圧水素減圧弁は、バルブから供給された高圧水素をエンジンで必要な圧力に調整(減圧)する製品であり、燃料電池自動車向け第2世代高圧水素減圧弁のコア技術を活かせば、エンジンが必要とする圧力の水素を供給することがで可能という。

 

ジェイテクトでは、「カーボンニュートラル達成の一つの大きな手段である水素社会実現に向けて、モビリティ領域のみならず様々な産業領域で水素エンジンの普及に貢献するため、高圧水素製品の開発を推進してまいります。

 

また併せて今後もジェイテクトでは、様々なシーン・ニーズに合わせた提案によって、〝ジェイテクトの基本理念〟の最上位に掲げる地球のため、世の中のため、お客様のためを実践してまいります」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。