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2022年10月25日【部品・生産】

オンセミ、車載用150dBイメージセンサなどを公開

松下次男

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ニューヨーク州の工場を増強し、イメージセンサの供給量を大幅増へ

 

オンセミは10月25日、東京都内で記者会見を開き、新開発の車載用150dB(デシベル)超ハイダイナミックレンジイメージセンサなどを公開した。同社は車載カメラ用イメージセンサで世界トップであり、新開発のイメージセンサは2024年をめどに量産開始する計画だ。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

記者会見はプライベートインベント「JASS(ジャパン・アニュアル・センシング・サミット)開催に合わせて、同社のイメージセンサ製品事業の最新動向を発信したもの。同時に、主力製品をデモンストレーションした。

 

 

オンセミのイメージセンサ事業はオートモティブと産業向けが主体。会見したロス・ジャトゥ・シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャは、事業戦略の一環としてニューヨーク州の工場を増強しイメージセンサの供給量を大幅に増やす考えを示した。

 

自動車産業を中心に半導体不足から車両減産を余儀なくされていることなどに対応するもので、同工場の増強で能力倍増の可能性を示唆した。

 

オンセミは車載用製品のウェハ前工程から出荷テストまで自社で行う製造能力を有しているが、同時に汎用製品の外注化も進めている。このため、内製、外注をうまく活用することで車載用センサーの生産能力をアップする。

 

ジャトゥ氏は車載用半導体全体の不足問題では「クルマに使用されている半導体は複雑であり、そのうちの一つでも不足していれば部品が作れない。このため、半導体不足問題は2023年まで続くだろう」と話した。

 

車載向けでは、「見えなかったもの見えるように、それが車の安全性を高める」とした150dB超ハイダイナミックレンジイメージセンサを公開した。

 

 

車載用センシングカメラ用イメージセンサで67・5%のシェア(2021―2022年)

 

クリス・アダムス・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャはこれまでのイメージセンサは130dB程度がマックスだったが、オンセミは世界で初めて150dBを開発したと強調。

 

同センサーの特徴はダイナミックレンジが広く、信号の色彩なども忠実に再現できることだ。すでにサンプル出荷を始めている。

 

 

オンセミは車載用イメージセンサで10年以上に渡ってマーケットシェアトップを続けている。テクノ・システム・リサーチ(2021―2022レポート)によると、車載用イメージセンサ全体では46%のシェアだが、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術向けなどの車載センシングカメラ用では67・5%のシェアを持つ。

 

また、日本車メーカーとの協業も積極的で、一例としてトヨタ/レクサス車のパノラミックビューモニタシステムに「AR0147」製品を供給しているほか、スバルのアイサイト向けを共同開発した実績などを紹介した。

 

 

イメージセンサの画素数についても、高画素化を進めており、2019年には業界初の800万画素車載グレートイメージセンサを開発。現状、一般的な車載用イメージセンサの画素数は100万画素、200万画素程度だが、ADAS、自動運転技術の進化とともに、数年後には800万画素を持つイメージセンサが普及しているだろうとの見方を示す。

さらに1200万画素、1600万画素を持つイメージセンサも視野に入れているとしている。

 

このほか、オートモティブセンシングではRide Visionと共同開発している二輪車向けのADAS用センシングについても公開した。

 

 

産業用では、スマートiToFによる3D(三次元)センシングを新たに製品化したと紹介した。スティーヴン・ハリス・マーケティング担当シニアディレクタによると、同センシングを採用することで生産ラインのスピードを落とさずに3Dソリューションが出力できるとした。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。