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2018年4月10日【自動車部品】

パナソニックとAZAPA、資本業務提携しモデルベース開発の協業を強化

NEXT MOBILITY編集部

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パナソニックとAZAPAは、4月10日、両社がこれまで小型EV向け電動パワートレインの開発で培ってきたモデルベース開発(※1)の協業関係を更に深化・拡大させるため、資本業務提携したことを発表した。

近年の自動車開発では、電動化への対応や先進運転支援システム(ADAS)の搭載など、高機能化と多機能化が求められている。

 

車両全体の性能最適化を実現する為には、複数のシステムを相互に協調・制御することが必要で、設計・性能評価のプロセスは以前にも増して複雑化。

 

そのため、試作を繰り返す従来の設計・性能評価では開発工数が肥大化し、試作をシミュレーションに置き換えるモデルベース開発の活用が、非常に重要となる。

 

パナソニックとAZAPAは、仕様検討段階からモデルベース技術を活用し、設計の完成度を高め、後工程での手戻り削減・車載システムの性能向上に取り組んできた。

 

両社は、2015年から小型EV向け電動パワートレイン開発で協業、モデルベース開発導入によって高い性能を確保しつつ、開発期間短縮を実現。

 

今回の資本業務提携により中長期的なビジョンを共有し、開発に共に取り組むことで、電動パワートレイン分野の協業深化に加え、協業範囲をコックピットやADASの分野にまで拡大し、ドライバーや同乗者の状態を検知し快適なドライブを提供する車室内空間や、高度な運転者支援を実現する先進機能の開発を加速していくとしている。

 

両社は、パナソニックの車載分野におけるコンポーネント開発技術やモノづくり力と、AZAPAの持つモデルベース開発や、車両全体をシミュレーションする知見、人間の感性を数値化する技術(※2)を持ち寄り、両社は、カーメーカーをはじめとする顧客に対し、電動化、コックピット、ADAS等の領域で新たなシステム価値創出を実現するとコメントしている。

 

※1「モデルベース開発」: モデルとは、実験からの統計データや物理現象を、シミュレーション可能な数式やアルゴリズムで記述したもの。
モデルを用いたバーチャル試作による製品開発手法をモデルベース開発と呼び、実機試作を極力行わずに精度の高い検証が行える為、試作以降の手戻りロス減少による効率的かつ高品質な製品開発が可能となる。

 

※2「感性を数値化する技術」: ドライバーの外界の刺激に応じた感受能力を解析し、アクセル、ブレーキ、操舵につながる運転行動を予測するアルゴリズムを生成する技術。
このアルゴリズムをシミュレーションに組み込む事により、例えばADASなどの機能検証環境の効率的な構築が期待されている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。