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2023年10月19日【エネルギー】

シナネン、脱炭素経営 EXPOでワイヤレス充電システム「WiTricity Halo™」をお披露目

NEXT MOBILITY編集部

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産業界のカーボンニュートラルへの取り組みは加速化しており、EV(電気自動車)はシェア拡大の一途をたどっているが、そこで求められるのが安定した充電システムである。アメリカ・マサチューセッツ州に本拠地を置くWiTricity Corporation(本社:アメリカ・マサチューセッツ州、CEO:Alex Gruzen、以下ワイトリシティ)は、ワイヤレス充電の分野で、独自の磁界共鳴技術によって確固たる地位を築いている。

 

そんな中、9月13日〜15日の日程で「第3回 脱炭素経営 EXPO【秋】」が、千葉県の幕張メッセで開催され、エネルギー商社であるシナネン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:清水 直樹、以下シナネン)がEV向けワイヤレス充電システム「WiTricity Halo™(ワイトリシティ・ハロ)」のモックを国内初公開した。先に、親会社であるシナネンホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑 正毅、以下シナネン HD)が、ワイトリシティと日本市場のマーケティングに関して基本合意を結んでおり、シナネンでは今回の発表を皮切りに、広く日本国内での認知拡大と様々な業界との接点によりEVユーザーの利便性向上やエネルギー問題解決等に向けた社会インフラ化を図っていく考えだ。

 

 

今回発表された「WiTricity Halo™」は、地上に設置された送電パッド、EVに取り付けられた車両側の受電パッド(レシーバー)、高出力電子機器が設置されたウォールボックスの3点で構成され、送電パッドのコイルとレシーバーのコイルとの間で、磁界を共鳴させる「磁界共鳴方式」によって電力を供給する。非常にコンパクトでスマート。狭い場所にも設置することが可能だ。

 

 

「WiTricity Halo™」の大きな独自性は、何といっても高いワイヤレス性にある。非接触の充電技術により、充電器に車を近づけるだけで受電できる。例えば、一般的な携帯電話の充電の場合、機器が直接触れていないと充電できない。しかし「WiTricity Halo™」の場合は、雪や水、アスファルトであっても電流に干渉せず、電流効率もなんと91〜93%ほどという。従来のプラグイン型の充電システムと比べ、EVと充電機器とをケーブルでつなぐ必要がなく、EVを送電パッドの上に停車させ、エンジン(パワースイッチ)を切るだけで、自動で給電が開始されるようになるため、充電時の利便性が飛躍的にアップすることになる。また、全て埋め込み式のため、表面に出るケーブルやプラグの破損・劣化の心配がなくなり、メンテナンス性も向上する。

 

参考(充電方法):WiTricity公式YouTubeチャンネル「How Easy Could it Be to Charge Your EV?」

 

 

 

日本国内では6kWと10kWの2種類の出力の製品を展開予定。今後の国内における法規制の動向によっては、さらに高出力な製品も検討しているとのことだ。

 

 「WiTricity Halo™」は、米国では2023年内に発売予定であり、アメリカのTesla(テスラ)や同Ford Motor(フォード)の一部EVには、ワイトリシティのワイヤレス充電システムに対応する後付けレシーバーキットと充電器本体のセットが販売開始となる予定だ。なお日本国内では、2024年に実証実験を進め、2025年にも発売を開始したいと考えている。

 

さらに 「WiTricity Halo™」の可能性はこれにとどまらない。EVをワイヤレスでポートに常時つなげておくことで、分散電源・非常電源としての活用も期待できる。また、非常に薄型の送電パッドは、道路に埋め込めば走行中のEVに給電することが可能だ。そして、そこで蓄電したEVの電力を系統電源として供給することも将来的な構想に入っている。つまりEV充電だけではなく、この充電システムは前述の通り社会的なインフラとなる可能性を秘めているのだ。ここにエネルギー商社であり、燃料、電力供給の知見を持つシナネンが、ワイトリシティの販売協力をする意味と役割があると言えよう。同社専務取締役で、ワイトリシティ社のBoard of Advisorsでもある渡邉雅夫氏は「弊社の商社機能やネットワークを生かして、ワイヤレス充電システムを浸透させていきたい」と語った。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。