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2020年12月10日【自動車生産】

帝人、EV向け複合素材製バッテリーボックスを開発

NEXT MOBILITY編集部

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帝人は12月10日、グループとして電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に求められるバッテリーの環境効率や安全性の向上に貢献することを目指し、マルチマテリアルによるコンポジット製バッテリーボックスを開発したことを発表した。

帝人・ロゴ

1.背景

 

近未来のモビリティ像として「CASE」(*1)が示され、環境負荷低減を目的に自動車の電動化が進む中、EVなどに搭載されるバッテリーには、容量の拡大に加え、サイズの拡大、安定した蓄電能力、軽量化、衝突時の安全性向上が必須になっている。

 

従来、バッテリーを格納するバッテリーボックスは、主に鉄やアルミニウムなどの金属材料を用いることで強度や剛性を担保しているが、一方でこれらの材料を用いたバッテリーボックスは、軽量性や、バッテリーおよび乗員の保護に必要な耐火性や耐熱性、複雑な車両レイアウトに適応する形状自由度などにおいて課題を抱えていた。

 

帝人グループは、かねてより独自の高機能素材やエンジニアリング技術、成形技術を駆使して、マルチマテリアルによるコンポジット製の自動車部品の開発・設計に取り組んでいるが、こうしたニーズに対応するため、マルチマテリアルのバッテリーボックスを開発することとした。

 

(*1)CASE: ダイムラーの前CEOであるディーター・ツェッチェ氏が、自動車業界が将来の進むべき方向性として2016 年に提唱。Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化)の頭文字をとったもの。

 

 

2.バッテリーボックスについて

 

今回、開発したバッテリーボックスは、これまで帝人が培ってきたマルチマテリアル技術を駆使し、複合材料(FRP)と金属材料を最適条件で組み合わせて設計した。顧客の求める特性に応じて、FRPには炭素繊維またはガラス繊維を使用することができる。

 

FRPをプレス成形することで、バッテリーボックスを形成するトレイやカバーなどの複雑な形状を一体成形できるため、容易にシール性を確保して安全性を担保できる他、製造コストの最適化も実現する。

 

また、車種ごとに異なるサイズに適切に対応しながら、従来のバッテリーボックスと同等の剛性や耐衝撃性を確保するため、フレームには金属を用いている。

 

さらに、アルミニウム製の従来品と同等の軽量化を実現した他、バッテリーボックスに求められる耐火性、寸法安定性、耐腐食性にも優れており、FRP製のトレイやカバーには、電磁波シールド性を付与することも可能になっている。

 

 

3.今後の展開

 

帝人は、2017 年に北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーである ContinentalStructural Plastics 社(CSP)を買収して以来、グローバル Tier1 サプライヤーとして自動車向け複合成形材料事業を展開。2020年2月には、欧州における自動車向け複合成形材料のデザイン、設計、プロトタイピングなどを担うテクニカルセンターとして、ドイツ・ブッパタール市にテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)を設立し、軽量性や強度に加え、デザイン、生産性、コスト効率といった顧客ニーズへの対応を強化している。

 

今回、開発したバッテリーボックスも、国内の複合材料技術開発センターや、CSP、TACEなどの設備や人財を活用し、顧客ニーズに沿った最適な設計や改良を行うことにより、2025年からの量産開始を目指している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。