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2019年6月12日【アフター市場】

横浜ゴム、タイヤ製造過程の気泡発生原因を解明

NEXT MOBILITY編集部

 

 

横浜ゴムは、6月12日、同社技術者が行ったゴム技術研究に対し、一般社団法人日本ゴム協会の「第66回優秀論文賞」を受賞したことを発表。

論文は同社の佐藤有二氏(写真左)による「加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明」で、これによりタイヤ製造の加硫時に発生し製品不良の原因となる気泡発生のメカニズムが明らかになった。

 

 

タイヤ製造における加硫とは、原料となるゴムを成型して製造した生タイヤを金型に入れ加熱・加圧(加硫)することで、強い弾性を持つタイヤに仕上げる工程のこと。この工程により、タイヤのトレッド部に溝(トレッドパターン)が施されるが、工程中ゴム内に気泡が残留する場合があり、それが製品不良を発生させる原因のひとつとなっていた。

 

従来、このタイヤ加硫時に気泡が発生するメカニズムは十分明らかになっておらず、気泡による製品不良を防ぐには、製造過程で必要以上のエネルギーや時間を消費し、環境負荷の増大や生産性悪化に繋がっていた。

 

本研究は、そういった課題解決を目指したもの。タイヤを製造する際に使用するスチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムといった原材料に、シリカやカーボンブラックを充填剤として配合し加硫。

その後、ゴム内部の発泡の様子を「SPring-8」という大型放射光施設を活用したX線イメージング法(※)により観察する方法を開発した。

 

これによりゴムに存在する水分を主とする揮発成分量および架橋剤の配合量とそれらの発泡状態の関係を解明。気泡が発生するメカニズムを明らかにすることに成功した。

 

 

今回受賞した論文は、こういった研究内容をまとめたもので、信頼性の高いゴム製品を製造する際の条件設定の一助となったことが評価された。

 

 

なお、「優秀論文賞」は今年で66回目となる歴史ある賞で、過去3年間に日本ゴム協会誌に発表された論文の中から毎年優秀なものに対し最多で2件に授与される。2019年度の受賞式は5月23日、京都工芸繊維大学で開催された。

 

 

※X線イメージング法:
高輝度X線を用いて透過像を短時間で多数取得する方法。これにより加硫中のゴム内部で気泡が発生する様子を観察することが可能になった。

 

 

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。