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2023年1月26日【イベント】

アルファロメオ初のMHEV、トナーレが日本上陸

坂上 賢治

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ステランティスジャパンは1月26日、傘下のアルファ・ロメオブランドで初のMHEV( マイルドハイブリッド )の新型SUV「トナーレ」の国内導入を宣言した。なお記者発表では、イタリア本国からアルファ・ロメオのジャン=フィリップ・インパラ―トCEOも来日した。

 

 

登壇したインパラ―トCEOはトナーレについて、スポーティネスを継承しつつもブランドの変革を示す「La Metamorfosi( ラ・メタモルフォシ/変革 )」を体現した新しいベビーと呼び、アルファロメオの新時代を告げるクルマだと紹介した。

 

 

加えて1910年に生まれのアルファロメオは、ステランティスグループ内でプレミアムブランドとしての立ち位置をより確かなものとするべく、2025年以降に発表する新型車はEVのみに。

 

来たる2027年には製品ラインアップの全てをEVに切り替える計画を発表。これに沿って2024年にアルファ ロメオ初のEVを日本で発売するなど同ブランドの電動化ビジョンを示した。

 

アルファロメオブランドのジャン=フィリップ・インパラートCEO

 

またステランティスジャパンの打越晋社長は、ステランティスの提供価値を4つの車輪に例え、〝多様性に富んだ商品を提供する〟〝電動化の加速を早める〟〝販売拠点を2022年時点の349から2025年迄に442に拡充する〟〝ブランド間でファイナンス商品を共有させる〟と語った。

 

なお今発表のトナーレ自体は、先の通りでアルファロメオ初のMHEVを搭載。今から4年前のジュネーブモーターショー2019で初披露されたもの。

 

 

既にイタリア本国では、2022年2月8日から市販されており高評価を得ている。ちなみにトナーレという車名は、同じSUVラインナップ上の「ステルヴィオ」と同じくアルプスを臨む峠から命名した。

 

ボディー骨格は、ステランティスグループの「スモールワイドプラットフォーム」を基に同車の開発に合わせてワイドトラック化。これにより全長4530mm×全幅1835mm×全高1600mmのサイズ感を持つ。サスペンションは前後ストラット式となっている。

 

 

エクステリア上の特徴は、ボディーサイドに往年のジュリアGTを連想させるショルダーラインを持ち、リアサイドガラスは8Cコンペティツィオーネをオマージュ。これに3連LEDコンビネーションランプと対となるヘッドランプを持つ前後ビューを組み合わせて、新旧融合のスタイリングを持たせたところにある。

 

ステランティスジャパンのアルファ ロメオ プロダクトマネージャー 田村明広氏

 

搭載される内燃エンジンは、吸気ポートの改良などによって気筒内の圧縮比を12.5:1へ高めて最高出力160ps・最大トルク240Nmを稼ぎ出した直列4気筒直噴( 350気圧 )1.5リッターターボエンジン。

 

これにアルファ・ロメオ初のMHEVユニットを組み合わせた。当該ユニットの構造自体は、7段デュアルクラッチトランスミッションに最高出力20ps・最大トルク55Nmの48Vモーターが内蔵されている。

 

 

この組み合わせでWLTCモードによる燃費は16.7km/L。なお走行の状況に応じてエンジンとトランスミッションを切り離して20km/hの電動走行が可能となっている。

 

 

インテリアは、ブラック基調のダッシュボードの中央に10.25インチのタッチスクリーン、メーターパネルには12.3インチの大型デジタルクラスターメーターを配した。

 

コネクティビティ機能は、アルファ・ロメオ初の車載通信モジュールを全グレードに標準搭載。車内のヘッドユニットとスマートフォン、スマートウォッチ、PCなど多くのタッチポイントからの利用が可能としている。

 

組み込まれたナビゲーションシステムはアイシン製。スマートフォン専用アプリ「マイ・アルファ・コネクト( My Alfa Connect )」を使う事で、ナビゲーションの目的地設定、ガソリン残量やタイヤ空気圧、走行距離などの車両コンディションの確認、自車位置情報の閲覧が可能。

 

更に施設名称による検索や天気予報、ガソリン価格や駐車場の満空情報、渋滞情報(VICS)、最終目的地へ向かう徒歩ルートを含む経路案内も行える。

 

ブランド初となるNFT( 非代替性トークン )も初搭載した。これは走行データの改ざんを不可能とする機能で、車両売却時の信頼性を高めてリセールに於ける安心感を醸成する。

 

 

モデル構成は、マトリクスLEDヘッドライトやADAS( 先進運転支援システム )、19インチホイールを装着する「TI」( ティーアイ/受注生産 )。

 

これに導入記念モデルとして「ミザーノブルー」と呼ぶ専用の外板色などを持たせ、ダークフロントグリルや専用の20インチホイール、ステアリングヒーター、ヒーターやベンチレーション機能付きの電動レザーシート、harman/kardonプレミアムオーディオシステムなどを採用した「エディツィオーネ・スペチアーレ( Edizione Speciale )」が用意される。

 

 

ボディカラーは、TIがアルファ レッド(ソリッド)、アルファ ブラック(ソリッド)、アルファ ホワイト(ソリッド)の3色。

 

エディツィオーネ・スペチアーレは、先のミザーノ ブルー( メタリック )に、これも特別色となるモントリオール グリーン( 三層塗装 )、ヴィスヴィオ グレー( メタリック )、アルファ レッド( ソリッド )の4色。

 

価格はTIが524万円、エディツィオーネ・スペチアーレが578万円。発売日は2月18日。なお導入記念モデル販売終了後は、後継モデルとして「ヴェローチェ」が導入される予定だ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。