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2023年8月24日【自動車・販売】

ASKA、地上走行からの離陸をこなすA5を米国で公開デモ

坂上 賢治

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モントレー・カー・ウィークで空陸両用のトランジションを披露

 

米国カリフォルニアに本社を置くASKA社は8月24日、〝ASKA™ A5〟のフルスケール実機を、ヒストリックカーとモダンカーの展示会「モントレー・カー・ウィーク(開催期間8月11日から20日)」に於いて披露したことを明らかにした。( 坂上 賢治 )

 

今回8万5000人超の観客が訪れたモントレー・カー・ウィークでは、ASKA A5が地上走行モードから飛行機モードへのトランジションを披露。

 

その後、着陸して公道を走行。ショッピングセンターのパーキングに駐車した。なお19日土曜日には、シーサイドで開かれた”Exotics on Broadway”でも実機を披露。

 

SUVサイズのASKA A5は250マイルの航続飛行を実現

 

モントレー・カー・ウィークの会期中には、米国で5000万人以上のフォロワーを持ちスーパーカーブロンディとして知られるAlex Hirschi氏も試乗。ASKA A5に乗ってペブルビーチ周辺でのドライブを愉しんだ。

 

SUVサイズのASKA A5は、公道を走行すると共に垂直離着陸を行うことで、飛行機になる世界初の空飛ぶ車で、最高基準の安全性を基に設計されており、250マイル(約400キロメートル)の飛行航続距離を有する。

 

ASKA社は、6月30日に A5が連邦航空局(FAA)による認証書(COA)と特別耐空証明を取得してFAAへの型式証明手続きを正式に開始。8月2日には実機が安定した空中停止飛行(ホバリング)に成功したことを報告。

 

米国自動車管理局(DMV)よりナンバープレートを取得し、地元シリコンバレーの公道に於いて300マイル以上(約480km)のテストにも成功している。

 

飛行中にバッテリーを充電できるプラグインハイブリッドを採用

 

今回の機体の披露について共同創業者兼CEOのカプリンスキーガイ氏は、「モントレー・カー・ウィークにて公開デモをする事は当社の重要なマイルストーンであり、観客の皆様から当社のビジョンの対する前向きな反応に触れることができたことは大変嬉しいことです。

 

このASKA A5はパイロット1名、乗客3名の4人乗りで、ヘリコプターのように垂直に離陸、小型飛行機のように飛行します。翼を格納するとSUV程の大きさになって、公道を走ると共に通常の駐車場に機体を駐車できます。

 

 

A5は飛行も走行も電動ですが、バッテリーシステムに加えてガソリンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載しているため飛行中にバッテリーを充電できる、いわゆるプラグインハイブリッドを採用しています。

 

離陸後の飛行航続距離は250マイル(約400キロメートル)、最高飛行速度は時速150マイル(時速約240km) です。ASKA™ A5の価格は1機78万9000ドルで、2026年の商業化を目指しています。

 

ASKAは、カプリンスキーガイ氏とカプリンスキー真紀氏により創設

 

今後は、Advanced Air Mobility(AAM)が既存の地上インフラと連携することでファーストマイルとラストマイルを担う役割となって、社会で普及していくことでしょう。

 

そうした意味で、モントレー・カー・ウィークに於いて一般の方々との交流機会を得て、エアモビリティへの理解が高まってきていることが実感できたこと。加えて、個人、企業、医療関係団体より既に5000万ドル以上の予約を頂いていることに感謝しています」と述べた。

 

 

ちなみに機体の開発企業であるASKAはカリフォルニア州マウンテンビュー市に本社を置くエアモビリティ会社。

 

2018年に起業家のカプリンスキーガイ氏(共同創業者兼CEO)並びにカプリンスキー真紀氏(共同創業者兼会長)のふたりによって設立した。

 

カプリンスキー真紀は名古屋出身の日本人で、ASKAのエンジニアチームは日本出身のエンジニアも多く、日本のモノづくりが活用されている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。