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2020年7月8日【テクノロジー】

アウディ、Q4e-tronの4ドアクーペコンセプトを発表

坂上 賢治

 

量産開始は2021年(欧州)、効率化技術を粋を集め500km超の航続距離を実現

 

 独アウディは本国時間の年7月7日、バイエルン州ドナウ川沿いのインゴルシュタット市でAudi Q4 Sportback e-tron conceptを発表した。同車のベースモデルとなったのはジュネーブモーターショー2019で公開された電動SUV〝Audi Q4 e-tron concept〟で、このクルマは「Audi Q4 Sportback e-tron」として2021年から生産が開始される予定であるとしている。

 

 

この車両発表により新世代のQ4は、スポーツSUVを思わせるSUVタイプの〝Q4 e-tron〟と、クーペスタイルの〝Q4 Sportback e-tron〟が存在することが明確になった。このふたつのQ4の寸法はほぼ同一でありながら、Sportbackは全長は4.60mと1cm長くなり、反対に全高では1.60mと1cm低くなる。なお全幅とホイールベースは、いずれも1.90m・2.77mと同一となっている。

 

 これらの2つのコンセプトカーは、今後の量産モデルに導入予定であるフルタイム4駆の電動システムを導入。より具体的には225kWのシステム出力を発生させる2基の電気モーターが搭載される。これにより両バージョンは、いずれも0~100km/hのスタートダッシュを6.3秒で走り切る。ちなみに最高速度は電子的に180km/hに制限される。

 

 

搭載バッテリーは82kWhの大容量型。バッテリーの搭載位置は、前後アクスル間のフロア下全てのスペースを占める。航続距離は、WLTPサイクルで450km超(欧州計測値)、下位の後輪駆動バージョンではWLTPサイクルで500km超の航続距離(欧州計測値)を記録したとしている。

 

 なおAudi Q4 e-tron conceptの車台は、同社を含むフォルクスワーゲングループが共通プラットフォームとして搭載するMEB(モジュラー エレクトリフィケーション プラットフォーム)がベースだ。今後、MEBはコンパクトクラスからアッパーミドルクラスに至るまで、将来的製造する数多くの電気自動車に採用される予定だという。

 

 

このMEBは幅広い駆動方式と出力レベルに対応しており、フロント及びリヤアクスルは電気モーターによって駆動(電動quattroシステム)されるが、フロントとリヤアクスルをつなぐ機械的なリンクはいっさい存在しない。

 

その代わりに電子制御システムが、トルクを一瞬で前後のアクスルに最適に配分させる。これにより、あらゆる気象条件やあらゆる路面状況で最適なトラクションを発揮することができるようになる。

 

 またほとんどのケースでAudi Q4 Sportback e-tron conceptは、動力の伝達効率を高めるため主にリヤに搭載された永久磁石同期モーターが使用される。つまり効率上の理由により通常はリヤアクスルにより多くの駆動力が配分される仕組みとなっている。

 

 

但しドライバーが時にリヤの電気モーターへの供給パワーよりも、さらに多くの駆動力を要求した場合、必要に応じてフロントの非同期モーターへトルクを配分する。これは滑りやすい路面や高速コーナリング中にスリップが発生する前、あるは車両がアンダーステアまたはオーバーステアの状態になる前にも予測的に行われる動力の流れだ。

 

この動力を伝えるサスペンションシステムは前がアダプティブダンパー付きのマクファーソンストラット。後ろは別体式スプリングとアダプティブダンパーを備えたマルチリンクタイプとなっている。

 

 

 走行中、リヤの電気モーターは150kWの出力と310Nmのトルクを発生。その際のフロントの電気モーターは出力75kW・トルク150Nmであり、前後を合計したシステム出力は225kWとなる。フロアに搭載されたバッテリーは82kWhの容量を備え、前後重量配分は50:50だ。充電時では電力の供給条件によるが最大125kWで可能だ。その場合、約30分で容量の80%まで充電できる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。