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2021年9月10日【新型車】

BMW、M4カブリオレ・コンペティションM xDriveの販売を開始

坂上 賢治

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サーキット走行も可能な〝M〟を冠したカブリオレ・モデル

 

 ビー・エム・ダブリュー・ジャパン(BMW Japan/代表取締役社長:クリスチャン・ヴィードマン)は9月10日、クローズドサーキット上の運動性能に主眼を置いたMハイ・パフォーマンス・モデルの「BMW M4」シリーズに、オープン・エアボディの「BMW M4カブリオレ・コンペティション・エム・エックスドライブ(BMW M4 Cabriolet Competition M xDrive)」を追加(日本導入は右ハンドル仕様)。この発表同日より、全国の正規ディーラー網で販売を開始した。但し車両の引き渡し自体は今年9月末以降になる予定。

 

 

 今日、BMWグループ傘下で「M」が表すBMW M GmbH(ゲー・エム・ベー・ハー/有限責任会社)は、BMWブランドの製品をベースに、高性能車の研究開発を担うグループ会社という建て付けであり、元々は〝BMWモータースポーツ社〟として競技専用車の開発・生産を行っていた部門である。そうした経緯から、BMWの歴史上で〝M〟は、同社のスポーツイメージを裏付ける存在となっている。

 

現在「BMW M」は、限定生産の高性能モデルである事を表す〝Mモデル〟の開発(生産自体はBMW本社が担当)を担う他、特別受注モデルの「BMWインディビデュアル車」の生産を手掛ける他、BMWの顧客向けトレーニングスクールの運用なども行っている。

 

 

 そんなBMW Mは、自らの「M」のバッチを冠する製品に関して2つのカテゴリーを用意している。まず1つは、本格的な競技車両に匹敵する〝Mハイ・パフォーマンス・モデル〟。さらにもう1つは、競技車両の技術を一般市販車に極力盛り込んだ〝Mパフォーマンス・モデル〟で、今発表車両は前者の位置付けとなる。そのBMW M4カブリオレ・コンペティション・エム・エックスドライブのメーカー希望小売価格(消費税込み)は1千433万円となっている。

 

 

 さてここで、実車の車体回りを見てみるとエクステリアデザインは、フロントに最新のBMWのトレンドとなりつつある縦型の大型キドニー・グリルを採用。フロントフェンダー側面には、Mモデル専用のサイド・ギルを配して、車体後端にはリア・スポイラーを標準装備。さらにリア下部には、空力特性の高さをイメージさせるディフューザーデザインを取り入れた。またトレッドについては、オリジナルよりもワイド化させている。

 

 インテリアでは、Mシリーズ専用のスポーツ・シートを筆頭に、各部に専用デザインを配する事でステアリングを握るドライバーの高揚感が高まる演出を施した。なお、より本格的なサーキット走行をイメージさせるMカーボン・バケット・シートはオプション設定となっている。

 

 

 

 パワーユニットは、専用の鍛造ピストンとブースト圧を高めたツイン・ターボ・チャージャーを介して最高出力510ps(375kW)/6250rpm、最大トルク650Nm/2750-5500rpmの直列6気筒のツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジンを搭載。トランスミッションは、ドライブロジック付きの8速オートマチック・トランスミッションを組み込んだ。カタログデータ上での0-100km/h加速は3.7秒(ヨーロッパ仕様値)と記されている。

 

その動力を受け止めるボディ骨格や、サスペンションシステムにはアルミニウム素材を多用。ブレーキユニットには、大径ローターに6ポッドのブレーキキャリパーを組み合わせた。さらに耐摩耗・耐熱性能が高いカーボン・セラミック・ブレーキもオプションで設定されている。

 

 

 なお公道上のドライビングでは、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを操作できる状態であるのなら、ステアリングから手を離す事が可能なハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能(一定の動作条件がある)や、車両が直前に前進したルート最大50mまでを記憶し、その同じルートをバックで正確に戻る事が出来るリバース・アシスト機能。AI技術により音声会話だけで車両の操作・情報へのアクセスが可能なBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントなどの快適装備も採用されている。その他の主な車両諸元は以下の通り。

 

 

BMW M4 Cabriolet Competition M xDrive
全長4805mm、全幅1885mm、全高1395mm、ホイールベース2855mm、車両重量1930kg、車両総重量2150kg、排気量2992cc、直列6気筒ガソリン・エンジン、最高出力510ps(375kW)/6250rpm、最大トルク650Nm/2750rpm-5500rpm、WLTC燃料消費率9.6Km/L。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。