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2019年11月27日【自動車・販売】

シトロエンのブランド体験イベント、二子玉川ライズで開幕

松下次男

 

 

 プジョー・シトロエン・ジャポン(クルスト・プレヴォ社長、本社・東京都目黒区)は11月27日~12月1日までの5日間の予定で、シトロエンブランドの魅力を強く押し出した日本国内独自のイベントを、東京郊外のショッピングモールでスタートさせた。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

 

東京・二子玉川のショッピングセンターでシトロエンブランド車の良さが体験できるイベントを実施

 

 気になる実施場所は、最先端トレンドに敏感な街、二子玉川駅直近。日常の買い物目的などで賑わう東京・世田谷区の二子玉川ライズ・ショッピングセンター・ガレリアが選ばれた。

 

そんなセレブな女性客もふらりと立ち寄る日常の風景に、既に先行予約で問合せが殺到している日本初導入のMPV(マルチ・パーパス・ビークル)「ベルランゴ」などの記念モデルが展示されている。

 

 

 イベント名は、家族でシトロエン車とブランドの価値がじっくり楽しめる催しという趣旨に相応しく「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン(シトロエンの家)」と銘打つ。その趣旨通り、同催事は、クルマ好きのための単純な車両展示イベントという格好ではない凝った趣向を盛り込んだ。

 

 

特別にしつらえられた空間には、来訪者がゆったりとくつろげるソファやテーブルなどを適度な空間を設けて設置したほか、子供たちが遊べるキッズスペースや、ポストカード、ペーパークラフトなどのお楽しみアイテムも用意。

 

 さらにシトロエンブランド伝統の商用車として、アニメやファッションシーンに登場することから誰もがお馴染みのHバン(アッシュ・バン)を用意。この車内で清澄白河のライフスタイル・カフェ「iKi Espresso Tokyo」とのコラボレーションによる「ザ・シトロエニストカフェ」を出店。

 

 

のキッチンカーでは、エスプレッソやスイーツなどの販売サービス(日時限定でコーヒーを無料進呈)を行うなど居心地の良いアットホーム感溢れる空間とし、まるで国際モーターショーの一区画とも思えてしまうイベント内容としている。

 

 また先の東京モーターショーには不参加だったこともあってか、今年3月のジュネーブショーで披露した〝自由でモダンな移動を提案〟する超小型EV(電気自動車)「アミワン・コンセプト(AMI・OEN・CONCEPT)」も同会場に於いて、日本初公開を果たした。

 


仏シトロエンのリンダ・ジャクソンCEOは今後、事業統合の効果も手伝い、2018年の世界販売104万台を4年後の2022年までに140万台までに引き上げるとの意欲を示していた

 

 イベント開始に先立ち、延べたっぷり1時間に亘って開かれた記者会見には、なんと仏シトロエン本社のリンダ・ジャクソンCEO(最高経営責任者)がまさかの登壇。

 

同氏は、M&Aによる自社の世界4位グループ化を目前に、C5エアクロスSUVベースのPHV(プラグインハイブリッド車)及びEVを2020年に市場投入するなど、自社の電動化戦略の強化策を高らかに表明するという国際自動車ショーの舞台でのプレスブリーフィングさながらの発表を行った。

 

シトロエン「コンフォート・ラ・メゾン・シトロエン」で日本に初投入するMPV「ベルランゴ」を公開

 

 イベント会場には、先に記載した車両を含む日本初公開の2モデルのほか、C3オリジンズ、C3エアクロスSUV、C5エアクロスSUVの現行モデル。

 

その他、1919年にアンドレ・シトロエンが自動車を作り始めたエピソードにちなんだ100周年記念限定車、関東近郊で発見された1923年〜25年製と目される「5HP」のバーンファウンドカーも披露されている。

 


イベント会場に展示された「シトロエン・ベルランゴ」

 

 今回、日本初公開となったMPVベルランゴは、既に欧州地域を筆頭に170万台以上の累計販売を記録する人気車種。日本にも第3世代にしてようやく導入が決まり、先の10月18日に発表した特別仕様車(初回予約分の価格は325万円)は、わずか5時間で受注枠が埋まるほど。

 

これに伴い、ベルランゴ・デビューエディションの第2次オンライン予約の受け付けが、間もなく開かれるとの告知もこの記者会見の壇上で行われた。なお第2次オンライン予約の受け付けは11月30日の9時から開始される予定。

 

このベルランゴ・デビューエディションは、欧州仕様車をベースに、Appleカープレイ、Androidオートといったスマートフォン接続機能に対応。

 

シトロエンとして初搭載となるグループPSA最新のクリーンディーゼル・エンジンDV5型(1・5Lターボ/アイドリングストップ付き)を搭載。トランスミッションはアイシン・エイ・ダブリュとの共同開発による電子制御8速オートマチックを組み合わせ、これに各種オプションを標準装備したワングレードの特別仕様車だ。

 


プジョー・シトロエン・ジャポンのクルスト・プレヴォ社長

 

同車のデリバリーは第2弾の予約受付を実施後、1回目の受注者には2020年初頭に、2回目の受注者には2020年春ごろに、それぞれ納車できる見通し。

 

モダンな移動を提案する超小型EV「AMI ONE CONCEPT(アミワン・コンセプト)」を日本初公開

 

 加えてジュネーブモーターショーで世界初公開されたアミワン・コンセプトは、シトロエンが考える都市移動に於ける自由さの象徴を具現化したコンセプトモデルだ。

 


先のジュネーブで公開されたアミワンコンセプトも展示される

 

車体サイズは全長2・5メートル、全高1・5メートルの超小型EVで、スマートフォンと連動させたコネクテッド機能を搭載したアーバンモビリティオブジェクト(都市移動物体)として提案されたもの。

 

 今回のイベントの趣旨もそうだが、シトロエンはここのところ、日本語訳で「快適さ」「くつろぎ」など意味する〝コンフォート〟をイメージ戦略に掲げ、近年、欧州や日本で販売台数を伸ばしている。

 


2019年の日本マーケットが前年比51%増の4000台のという伸び率を記録を計上するなか、ブランド戦略を語る仏シトロエン・マーケティング部長のアルノ・ベロー二氏も熱が入る

 

ジャクソンCEO、20年にC5ベースのPHV、EV投入を表明、電動車のラインアップ充実へ

 

こうしたイメージ戦略についてジャクソンCEOは、現シトロエンブランドは、ファッションとクルマを融合させた端正な車両デザインや、徹底したコンフォート性能を提案することで国際的に好評を博していると説明。

 

実際、欧州を中心とする格好ではあるが、ジャクソンCEOはグローバル規模での販売の伸び率は大きく、具体的には2018年の販売台数が100万台を超え、特に欧州地域では直近の5年間で28%増の伸びに達したと強調。

 

対して日本のマーケットも、年販4000台越えの堅実な販売が続く重要市場との見方を示していた。なおこれは、欧州市場に依存する現在の偏った販売戦略からの脱却を視野にした自信を背景とした発言なのだろう。

 

 

 なお今回、催事を仕切ったのは、先の9月17日~23日の7日間、東京・赤坂のアークヒルズ アーク・カラヤン広場で開催したシトロエン創業100周年記念イベント「シトロエン・センテナリー・ギャザリング」とは異なり、〝シトロエンの現在から近未来に至るブランド体験の提供〟を目指して独自企画した国内ローカルインポーターであるプジョー・シトロエン・ジャポンだ。

 

その要素のひとつとしているのが、まさしく「コンフォートの思想」であり、シトロエンならではのユーザーエクスペリエンスを、イベント会場の体験を通して存分に味わってほしいというのが最大の目的のようだ。

 

最後に、先も記したコラボカフェの「ザ・シトロエニストカフェ」では、シトロエン車のキーやキーホルダーを見せたシトロエン車の保有オーナーに対して、エスプレッソなどの飲み物を無料で提供するという。

 

 元々、日本でのフランス車は、これまで限られたファン層を中心に育まれてきたが、今日、クルマに単なる「機能」以上の価値を求める流れが生まれ、シトロエンに注目する消費者層は確実に育っていることを販売売上の数字が示している。そうした意味で、シトロエンに新しい時代の風が吹き始めているのかもしれない。

 

ゆえにこれを感じ取ったシトロエンは、クルマが主テーマとなってしまう旧来の国際モーターショーではなく、今回のような〝生活の場からのブランド発信〟の方が自社戦略に叶うとの判断を下したのかもしれない。その効果が良い方向に出るかどうかは、おそらく2020年の実績に表れてくるだろう。

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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