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2023年10月11日【新型車】

アバルトの初EV「500e」、エンジン走行音も再現

松下次男

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アバルト車販売は日本がイタリアを超え、世界トップの市場へ

 

ステランティスジャパンは10月11日、電気自動車(EV)「アバルト500e(チンクエチェント イー)」のオンラインプレス発表会を開いた。500eはアバルト・ブランド初のEVで、10月28日から発売する。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

ステランティスジャパンの打越晋社長は500eの発売に当たり「アバルト・ブランドに新たな1ページを刻む」と強調した。

 

アバルト車はステランティスブランドの中で、フィアットと同様なコンパクトながらスポーツ性を前面に打ち出しているのが特徴だ。このため、打越社長は500eについて電動化で「さらにとんがり感が高まった」とアピールした。

 

アバルト・ブランドは日本が最重点市場という。2022年、日本で販売台数が2600台を超え、「イタリアを抜き、世界トップの市場」となった。

 

 

ステランティスジャパン傘下ブランド全てで電動化を実現

 

500eはそのブランドで初のEV。また、同車の発売により、ステランティスジャパンの全ブランドで電動化がラインアップされることになる。

 

新型500eは、コンパクトな車両サイズを維持しながら、114キロワット、235ニュートンメートルのレスポンスの優れたモーターと42キロワットアワーのバッテリーにより「きびきびした走り」を実現する。

 

0―100キロメートル加速は7秒で、ガソリン車を上回る性能だ。また、前後重量配分も57:43に改善するとともに、トレッドをガソリン車より60ミリ拡大し、クイックなハンドリングと安定性を両立させている。

 

加えて、新型500eはエンジン車に乗っているようなサウンドを再現。独自のサウンドシステム「サウンドジェネレーター」を装備し、EVとは思えないエキサイティングで刺激的な走りを表現する。

 

EVながらもアバルトのガソリンエンジン音を忠実に再現

 

サウンドジェネレーターは、ステランティス・グループのサウンドデザインスタジオと、イタリアのステランティス専任チームが共同開発した。ダイナミックな運転とスピード、アクセル開度とリンクさせ、アバルトのガソリンエンジンを忠実に再現したものだ。

 

サウンドジェネレーターは停止時にオン、オフの切り替えが可能だ。デザインでは、アバルトとして初めて、車体の随所に、ブランドアイデンティティであるサソリのパーツを模したデザインを採用する。

 

さらに18インチアルミホイール、フロントバンパー、ステアリングホイールにサソリの爪を模し、独特な外観のリップスポイラーはサソリの足を模している。

 

エクステリアは、全長3.6mのコンパクトな車体に18インチアルミホイールを採用し、アグレッシブさを持ちながら柔らかなプロポーションを実現する。

 

 

アバルトのEV化により女性ユーザーの増加を期待

 

インテリアは、黒を基調とした、シックでスポーティな空間を実現。これにより高級感のある室内空間を演出する。

 

アバルトはこれまで男性ユーザーが大半だったが、新型500eはキュートさも醸し出しており、女性ユーザーの増加を期待していると話す。

 

新型500eの日本導入を記念し、ローンチエディションの限定車「500e Scorpionissima(チンクエチェント イー スコーピオニッシマ)」を200台限定で同時に発売する。

 

車両価格(消費税込み)は615万円から660万円。導入記念限定車は630万円から。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。