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2023年12月21日【事業資源】

仏ルノー・モブージュ工場、カングー生産400万台達成

坂上 賢治

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〝初代カングー〟が、仏・モブージュ工場から初出荷されてから25年。以来、同車は世界50か国で440万台以上が出荷・販売されたのだが、そのうちの400万台が、ここ仏・モブージュ工場で作られた。また残りのカングーは、南米市場向けにアルゼンチン工場で、やはり一貫して25年間生産され続けている。

 

そんなカングーは、ゆっくりと時間を掛けてモデルバリエーションを拡大。今や貨物輸送などのコマーシャルビークル用途に限らず、家族みんなで乗るクルマとしても、旅客輸送向けの送迎車両としても活躍。

 

フランス仕立ての独立式シートと、広い室内空間の恩恵を受けて、他国のクルマでは真似できない快適な乗り心地をもたらしているだけでなく、7シーターロングバージョンのグラン・カングーは、実に1024通りものシートアレンジが可能なクルマだと言われている。

 

 

先の通り仏・モブージュ工場では、カングーの内燃エンジン搭載車の他、100%ピュア電動モデルなど、ありとあらゆるカングーが生産されており、いずれのモデルも同じ工場の敷地内から世界に向けて出荷される。

 

さて、そんなカングーのなかでも電動モデルの「カングー E-TECH」の鍵を、先の12月14日にフランス郵便事業者のラ・ポストへ引き渡す特別贈呈式が行われた。というのは、このカングーが1997年の生産開始以降、400万台目のカングーとなったからだ。

 

ちなみにラ・ポストは、カングーの大口顧客のひとつで、初導入から1世紀以上に亘ってフランス国内の郵便配達にはカングーが使用されてきている。

 

また電動モビリティを取り扱うパイオニア的存在でもあるラ・ポストは、1904年から休むこと無く電気自動車を使い続けており、現在ではルノー製100%電動車の普及拡大に貢献してくれる重要パートナーでもあるし、電気自動車をフリートスタイルで活用してくれる世界的なリーダーでもあるのだ。

 

 

そんなラ・ポストは、1980年代にルノーエクスプレスの電気自動車導入プログラムに加わり、2011年からはカングー Z.E.をはじめとする電気自動車を最も多く保有する事業者となった。

 

加えてラ・ポストで郵便車として使われるカングーは、日本ユーザーにはなじみ深い黄色のボディカラー。この色が人気の日本にとっては黄色イコール「カングー」というほど象徴的なもの。実際2015年には「ラ・ポスト」というモデルが150台限定で日本に於いて販売されていた。

 

 

そんな郵便集配車としてのカングーについて、ルノーLCV部門上級副社長のハインツ・ユルゲン・レーヴ氏は、「ラ・ポストはルノーの長年の顧客であり、モブージュ工場で生産された400万台目のカングーの鍵の贈呈式を行えたのは大変光栄であり、両社の協力関係が100年以上も前から始まっていることも、我々としては大きな誇りと言えます。

 

またルノーとラ・ポストは、長きに亘って多くの価値観を共有しています。 というのは、どちらもフランスの国際的なモビリティ企業であり互いに顧客に向けて、革新的で持続可能なソリューションを提供することに尽力していかなければならない存在であります」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。