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2018年2月26日【オピニオン】

中国の吉利、独ダイムラーの筆頭株主に浮上。背景にはEV戦略加速化の可能性

坂上 賢治

 

独・ダイムラーAGは現地時間の2月24日、中国の浙江吉利控股集団のCEO・李書福氏が、一般の株式市場からダイムラー社の株式の9・69%(議決権ベースの103,619,340株・1兆円規模)を取得し筆頭株主になったことを確認したとの報道発表を行った。( 坂上 賢治 )

 

 

これにあたってダイムラーは上記報道資料で、「自動車業界に高い見識を持つ起業家・李書福氏の出資を得て当社は、業界の未来に向け、建設的かつ長期的に話し合うことができるパートナーを得たことを歓迎します。

 

なお、当社は中国国内事業について、北汽福田汽車(BAIC Motor Corporation., Ltd)とのパートナーシップの基、既に広範な実績を有しています」と述べダイムラー側は、中国当地での今後の事業の関わりについては、暗に自ら中国内ビジネスへの予防線を張るようなコメントで結んでいる。

 

 

浙江吉利控股集団は、2010年にボルボ・カーズ、2017年9月に英ロータスを傘下に収め、同年12月には、ABボルボに出資する方針も示したが、そんな同社によるダイムラーへの出資は、これまでも各メディアの報道を介して何度か報じられてきた。

そうした浙江吉利控股集団のダイムラー株取得に対するアプローチについて、ダイムラー自身は、企業間協議の可能性を否定しつつも、一般の株式市場からの株式取得の行動については反対しないと述べていた。

 

一方、浙江吉利控股集団でも今回の出資の目的について、現段階で公式な見解を示していない。しかしその一方で、ダイムラーに関しては独国内で、先のディーゼルエンジンの排出ガス不正に関わる報道が加熱。

 

 

かつて1990年代前後まで盛んにプロモーションで使われてきた同社傘下メルセデス・ベンツの企業スローガン「Das Beste oder nichts(最善か無か)」が引き合いに出され、世界最古の自動車メーカーとしての「ブランド価値の毀損」に及ぶのではないかと報道上で取り沙汰されており、ダイムラー側は、益々電動車への傾倒が加速されつつある。

 

対する浙江吉利控股集団も昨秋2017年10月、中国当地に於いて、ボルボ傘下の新生ポールスターブランドへ50億元(発表時換算で約849億円)を投資。

 

 

中国の成都に最新鋭設備を揃えたポールスターブランド車の生産施設であるプロダクション・センター(Polestar Production Centre)を設立し、中国市場を牽引する高性能フル電気駆動車ブランドの確立を目指すとしている。

 

 

これらを前提にすると浙江吉利控股集団では、世界最古の自動車メーカーへの出資したことよって新たな収益基盤獲得の道を拓いたと云うことだけではなく、電動車開発に関わる素材調達や技術交流など、浙江吉利控股集団とダイムラー双方が互いに保有する企業の未来に向けて、事業戦略上の何らかの相乗効果を生み出すことを視野に入れている可能性があると見られる(MOTOR CARSより転載  )。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。