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2020年7月17日【トピックス】

独・ポルシェ、コロナ禍のなかアジア地域で健闘

坂上 賢治

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ポルシェ・ロゴ

 

 独・ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)はドイツ本国時間の7月17日、2020年上半期の車両販売実績を発表した。(坂上 賢治)

 

それによると同年前半にあたる6か月で、ポルシェは世界規模で合計11万6,964台の車両を販売した。この期間、コロナ禍の影響を受け、各国に於いて車販拠点を数週間閉鎖するなどの憂き目を負い、総販売台数は前年比で12%減少した。

 

 このなかでカイエンは合計3万9,245台を販売。マカンも3万4,430台が世界の顧客の手に渡っている。ちなみにこれは2019年比で1万6,919台と2%のプラス。さらにポルシェの屋台骨と言える911も国際市場で健闘した。また同社ブランドの未来を担うタイカンは4,480台が出荷されている。

 

 

 地域別では、アジア太平洋地域、アフリカ、中東地域の車両購買実績で前向きな傾向が見られた。これらの地域でポルシェブランドは、2020年前半で合計5万5,550台の車両を販売した。

 

特に中国は一国のみで合計3万9,603台を出荷。2020年も量産スポーツカー市場として世界最大の単一市場であることを証明した。加えて韓国は4,242台、日本も3,675台の販売台数を積み上げたばかりでなく、両国市場は現段階で前年度比2桁の成長率を示している。

 

 

対してポルシェにとってホームマーケットである欧州地域は、3万2,312台の車両販売数を記録している。最後に今日も量産スポーツカー市場として安定需要の一角を占める米国は、この1月からの6月間​で2万4,186台の車両出荷となった。

 

 この成績に、ポルシェAGでセールス&マーケティング担当取締役の任にあるデトレフ・フォン・プラテン氏(Detlev von Platn)は「コロナ禍による影響で直近の第2四半期に於いて、米国と欧州地域で引き続き、安定的なマーケット推移が認められます。

 

 

その理由のひとつは、この両地域は4月の段階で、主力の販売拠点である全てのポルシェセンターが閉鎖されていたことにあります。一方、それに比べ前年の2019年・第2四半期は大変な活況でした。結果、今期は前年比で決して好条件が揃っていた訳ではなかったのですが、こうした要素を踏まえ、今後の推移については期待を持ちつつ見つめています。今後も我々は2020年後半をより意欲的に取り組むことができるでしょう。

 

 特に中国を筆頭にアジア市場に於ける着実な実績は、私たちを大いに勇気づけるものとなっています。まだまだ世界各国の各々のマーケットはコロナ禍の影響が長らく続く見込みであり、市場回復への道程は依然続きます。しかし5月以降、足元の欧州で社会・経済状況の明るさが望めそうな中、マーケット環境の改善について期待を込めていきたいと思います」と話している。

 

PORSCHE AGの2020_ 1月〜6月の車両販売実績
対象市場/2019/2020/差
世界規模/133,484台/116,964台/– 12%
– 欧 州/39,243台/32,312台/18%
– ドイツ/14,186台/10,702台/– 25%
– アメリカ/36,844台/29,102台/– 21%
– 米 国/30,257台/24,186台/20%
– アジア他(※)/57,397台/55,550台/– 3%
– 中 国/42,608台/39,603台/-7%

(※)太平洋、アフリカ、中東地域含む

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。