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2020年5月11日【トピックス】

日野自動車、2020年3月期連結決算

松下次男

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2021年3月期業績予想は見送ったが、収益目線としては売上高1兆に

 

 日野自動車が5月11日発表した2020年3月期連結決算(日本基準、2019年4月~2020年3月)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うグローバル販売台数の減少が響き減収減益となった。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

2021年3月期については、不確定要素が多いとして業績予想を見送ったが、下義生社長兼CEO(最高経営責任者)は「売上高1兆5000億円、営業利益100億円」を収益目線に取り組んでいく考えを示した。

 

また、新型コロナウイルスに関する取り組みとして日野本社を原則、在宅勤務(テレワークを6000人規模で実施)にしたほか、工場でも可能な職場での在宅勤務や時差出勤を実現。さらにマスクを6月から内製化(10万枚/日)し、近隣自治体や医療機関に寄付する。このほか、フェイスシールドを生産し、近隣の医療機関へ寄付するほか、患者搬送用バスの運転席保護シールドの試作などを手掛ける。

 

2020年3月期の連結業績は売上高が1兆8156億円で前年同期比8・4%減、営業利益が549億円で同36・7%減、当期純利益が315億円で同42・7%減となった。グローバル販売台数は日本、海外とも減少し、18万302台と同11・2%減の実績。内訳は、日本が6万6806台で同6・6%減、海外が11万3496台で同13・8%減だ。

 

新型コロナウイルス感染拡大が響く。国内外で販売台数が減少し減収減益へ

 

海外の主要市場をみると、インドネシアは2万7921台で同29・3%減。規制などによる市場様子見に加え、新型コロナ感染拡大の影響が重なった。米国は新型コロナの爆発的な感染拡大前ということもあり、1万4068台とほぼ前期並みを確保。タイについては市場低迷に新型コロナの影響が加わり、1万1581台と同11・2%減となった。

 

日本の販売については、大中型が3万5914台で同3・1%減、小型が2万7784台で同9・7%減、バスが3108台で同15・8%減の実績。販売シェアは32・4%と前年度から3・1ポイント落としたものの、前年に次ぎ過去2番目の高さだ。

 

トヨタ向け車両、ユニット販売は、車両が13万9323台で同8・7%減、ユニットが76万6101ユニットで同7・3%減となった。

 

2020年度の見通しについては、日本はすでに新型コロナ感染拡大の影響が出始めているとし、トラックの販売減速を懸念。とくに第2四半期からの落ち込み幅拡大を予想し、年度内は影響が続くと見ている。バスも観光バスを中心に、年度を通じて大幅減を見込む。

 

海外市場についても、新型コロナの感染拡大の影響を受け、軒並み主要市場の苦戦を予想。とくに上期、大幅な落ち込みが避けられないとし、下期も低水準の推移を予想した。

 

2020年度のグローバル販売台数は19年度実績に比べ約3万台低い「15万台」の目標に

 

これらを背景に、下社長は2020年度のグローバル販売台数を19年度実績に比べ約3万台低い「15万台」の目標に設定するとの意向を示した。国内で5万9千台、海外で9万1千台の販売を目指す。

 

2020年度の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症の今後の拡大規模や収束の見通しが立っていないことから、現時点では未定として見送り、合理的な算定が可能になった段階で開示する予定。今回はあくまでも収益目線という形で下社長が2020年度の売上高、営業利益の見通しを示した。

 

しかも2020年度は厳しい環境下が避けられない。このため足元の販売減に対応し、グローバル規模での生産調整、在庫ミニマム化、稼働ロスの最小化に取り組むとともに、固定費の大幅圧縮、投資見直しなどを進める考え。

 

加えて、新型コロナ収束後を見据えた中長期的な観点からも変動に強い事業構造への転換を加速させるという。具体的には、トータルサポート強化やグローバル最適調達、人事制度改革、デジタル化推進・働き方改革、原価低減活動などを推進する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。