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2020年8月5日【新型車】

いすゞ、コロナ非常事態のなか第1四半期を営業黒字に

間宮 潔

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 いすゞ自動車は8月5日、2021年3月期第1四半期連結決算の業績説明をWEBで配信、事後、メディアに電話会議で質問に応じた。業績説明、電話会議とも、南真介・取締役常務執行役員(経営業務部門、企画・財務部門統括)、中俣直人・執行役員(企画・財務部門統括代行、グループCFO)が応じた。(佃モビリティ総研・間宮潔)

 

 業績の裏付けとなる車両販売(4~6月期)は、前年対比48%減の7万7000台と半減した。国内外で生産するトラックなどCV(コマーシャルビークル)部門で同31%減の4万7000台としたが、タイで生産するピックアップトラック(LCV=ライトトラックビークル部門)が同63%減の3万台と大きく落ち込んだ。

 

このため今第1四半期(4~6月)における連結売上高は前年同期比35.7%減の3274億円、営業利益は同95.2%減の22億円、経常利益も同98.8%減の5億円を計上した。
南常務は、世界的なコロナウイルス感染拡大という非常事態の中、「最初の3カ月は、初期目標を達成し、着実に対応できた」と評価、加えて「縮小する市場規模に合わせて、在庫調整を終了することができた」と述べた。

 

また「雇用を守る一方、支出削減に努め、何とか収益をブレーク・イーブンで乗り切ることができた」と指摘し、固定費の20億円削減や原価低減12億円などの成果を挙げた。
ただ新型コロナによる影響として、国内で11億円、海外で19億円の計30億円の特別損失を出し、当期純利益では98億円の赤字を計上した。

 

 2021年3月期の通期見通しでは、期初の売上高1兆7000億円、営業利益500億円を据え置く一方、未公表だった経常利益は480億円、当期利益は120億円とする黒字化の方針を示した。一株当たり16円の年間配当を実施する予定だ。

 

 グローバル販売台数は前期比19.3%減の48万4000台と期初予想に対して8000台上方修正した。「LCV輸出は減るが、タイ国内向けLCV需要が増える」との見通しを織り込んだ。
コロナ渦の影響は予断を許さないとしながらも、「日本で年後半にも2直生産へ」「タイでは一部、7月から2直稼働を始め、少しずつ先が見えてきた」とコメントした。

 

 市場別の今後の動向としては、国内での普通トラック、小型トラックの受注ベースでは前期の80%まで回復し、登録ベースでは第2四半期で75%、第3四半期で80%、最終の第4四半期で90%まで回復すると想定している。

 

 海外のCV部門は、第1四半期を底に後半期90%程度に回復する想定だが、中国や豪州の回復に対して、インドネシア、フィリピン、中南米の回復が遅れると予想する。

 

タイ国内でのLCV販売は、4月6000台、5月9000台、6月1万5000台と計3万1000台を販売、全需が6万9000台で前年の55%と水準にとどまる中、新型車効果によりいすゞ車が78%で健闘、シェアを前年32%から45%まで上昇させた。

 

ただタイでは観光産業の落ち込みが大きく、ファイナンスの引き締めもあって、年後半は「地合いは悪く、不透明」と中俣執行役員は指摘した。

 

 なおUDトラックス買収案件については、ボルボ側の海外オペレーションの分離作業がコロナ渦で遅れているものの、「年内にも最終合意にこぎつけ、21年の早い段階で手続きを完了させる」(南常務)との見通しを明らかにした。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。