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2020年6月17日【オピニオン】

ランドローバー、新型ディフェンダー110をライブ配信で披露

坂上 賢治

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 ジャガー・ランドローバー・ジャパン(本社:東京都品川区、代表取締役社長:マグナス・ハンソン/Magnus Hansson)は6月17日の13時、5ドアボディの新型DEFENDER 110(ディフェンダー110)と、DEFENDER 110 SE(ディフェンダー110 SE)の2台を新たなジャパンモデルとして「NEW DEFENDERジャパン・プレミア オンライン」と題したYouTube上のライブ配信イベントで初披露した。(坂上 賢治)

 

ちなみに実のところジャガー・ランドローバー・ジャパンでは、既に2019年11月に先行予約モデルとして「NEW DEFENDER Launch Edition(ニュー・ディフェンダー・ローンチ・エディション)」の受注販売を実施済みで、この際、3ドアショートホイールベース版のDEFENDER 90とDEFENDER110の計150台が4日で完売している。

 

 今回のライブイベントでは、同社代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏によるランドローバーの歴史などを織り交ぜたスピーチにより開幕。その次に登壇した同社マーケティング・広報部ディレクターの若林敬一氏が「新DEFENDERは、ラグビー選手に例えられる迫力とキュートさを兼ね備えた印象を持ち、エクステリアやインテリアの各部に先代から引き継がれたオマージュが添えられているところが外観上の特徴だ」と述べた。

 

 

 そんな新型DEFENDERと先代モデルとの大きな違いは、この種の従来型車両であたりまえだったラダーフレーム構造を排したことにある。新モデルからは最新鋭の次世代ボディを採用してたいるのだ。具体的には、これまでの常識を覆したアルミニウム素材のモノコック構造によるボディコンストラクション「D7x」に変更。この結果、従来比で3倍のねじり剛性を達成したのにもかかわらず、ホワイトボディ自体の大幅な軽量化も実現した。

 

 車両スペックは、最高出力221kW(300PS)・最大トルク400Nmを絞り出す直列4気筒2.0リッターのINGENIUMガソリンエンジンを搭載。このパワーを7種類のモード(コンフォート、芝生・グラベル・雪、泥地、砂地、エコ、ロック、ウェイド)を備えたトランスミッションとトラクション制御を介してフルタイム駆動で4輪へ伝達する。

 

 

そんなDEFENDER 110のサスペンションには(90はオプション設定)、車高を標準高から-40mmから+145mmの範囲で設定できるフレキシブル性を持たせ、対地障害角も世界最高峰のオフローダーとして相応しいものに。最大渡河水深もなんと900mmもの深みをも走行可能とするなど、ヘビーデューティーさでは今回も孤高の存在であることに変わりない。

 

 加えてスタートストップや回生エネルギーの再利用システムの搭載。先進運転支援システム(ADAS)としてのエマージェンシーブレーキやレーンキープアシスト、クルーズコントロール機能、無線通信によるソフトウェアアップデート「SOTA(Software-Over-The-Air)」など最新テクノロジーを搭載している。

 

 

もちろん昨今のランドローバー系モデルで、すっかりお馴染みとなった車両フロント部搭載のカメラを介して、まるでボンネットがないかのようにフロント下180度の視角を確保するClearSightグラウンドビューも装備。これでオフロード等の障害物のある路面での移動をテクノロジーを介してサポートする。気になる購入コストは、DEFENDER90が499万円~739万円、DEFENDER 110が589万円~820万円の価格帯となっている。

 

 

 また同イベントに併せて同社は、ランドローバーブランドの新アンバサダーに2019年のラグビーワールドカップ日本代表として活躍したラグビープレイヤーの稲垣啓太選手を起用することも発表した。

 

ジャガー・ランドローバー・ジャパンが述べる稲垣啓太選手起用の理由は、ランドローバーは20年以上にわたりグラスルーツからトップリーグに至るまで、あらゆるレベルのラグビー活動をサポートしていること。

 

 

ラグビーワールドカップ(RWC)にも2011年からスポンサーを務めていることに加え、困難な状況にも恐れず立ち向かい、迫力ある試合を通して人々に希望と感動を与える稲垣選手の姿が、新たな土地への冒険心や勇気を与え、ランドローバーが掲げる”ABOVE & BEYOND”のブランドの姿勢とも合致するため今回の起用に至ったとしている。

 

 これに対して新ブランド・アンバサダー就任を受けた稲垣選手は「この度、ランドローバーの新ブランド・アンバサダーに就任でき大変光栄です。新型『DEFENDER』の力強さや、このクルマがもたらす探求心は自身のラグビースタイルとも重なり、これからランドローバーと共に更なる高みを目指していきたいです。そしてブランド・アンバサダーとして、多くの方にランドローバーの魅力を伝えていければと思います」との抱負と感想を述べた。

 

 

同社はRWC2019日本大会のオフィシャルカー・パートナーとして、予てより車両提供も実施するだけでなく、既に2017年からラグビーの田村優選手ともブランド・アンバサダー契約を結んでおり、今回の稲垣選手の追加起用でラグビーとの関わりをさらに強化していく構えだ。

 

 なお今回のNEW DEFENDER ジャパン・プレミアオンラインには、2019年の日本ツアーで初優勝を果たすなど成長著しいプロゴルファーの原英莉花選手も参加。イベントに華を添えていた。原選手は襟にランドローバーのロゴが入ったトップスウェアを着用し、2020年度のゴルフツアーに挑んでいく。

 

 

 最後に新型DEFENDERは「NEW DEFENDER PREVIEW TOUR」と題した全国ツアーで今後7月以降、主要都市を巡る全国ツアーを開始する。具体的には、7月に大阪・名古屋・東京の商業施設にて展示が行われる他、全国の正規販売ディーラーネットワークでの車両展示を順次開催していく。

 

特に2020年8月1日~10日の正規販売ディーラーネットワークでは「NEW LAND ROVER DEFENDERデビューフェア」と題した拠点イベントも行われる。ただし「NEW DEFENDER PREVIEW TOUR」並びに「NEW LAND ROVER DEFENDERデビューフェア」のいずれも、関係スタッフの毎朝の検温、定期的な手洗い・うがい・消毒の実施、マスク着用とソーシャルディスタンスの確保を徹底に実施。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じた上での開催となる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。