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2018年11月27日【トピックス】

レクサスブランド快調、相次ぐ新車投入で攻勢

松下次男

 

2018年1~10月過去最高。11月末には初の女性チーフエンジニアによる小型SUV「UX」を投入してユーザー層拡大を目指す

 

 トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が快調だ。今年1~10月の世界販売台数が前年同期比6%増となり、過去最高を更新、とくに日本市場で35%増の大幅増となった。プレミアムブランド後発のレクサスにとって課題となる車種ラインナップ拡充にも着実に布石を打つ。10月に「ES」を日本初投入したのに続き、11月27日に新型小型SUV「UX」を発売、購入しやすい価格体系の導入などでレクサスユーザー層の拡大を目指している。

 

 

 グローバル市場でいま、最も伸びている車種カテゴリーがSUV。UXは「RX」「NX」に続く、レクサスの都会派SUVクロスオーバーシリーズのコンパクト版である。それを開発したのがトヨタ初の女性チーフエンジニアである加古慈氏(トヨタ自動車常務役員)だ。

 

 加古氏は開発に当たって「とくに女性を意識したことはない」としながらも、「小さい女性でも容易に、最適なドライブポジションが取れるように設計した」と強調。本人(加古氏の身長は161センチメートル)はもちろんのこと、さらに身長の低い女性にもモニターし、視認性、インパネ周りの配置などを考えたという。

 

 これにより男性はもちろんこと、女性にもタウンユースSUVが楽しめる車両に仕上げた。加えて、新型UXの特色と言えるのが価格設定。390~535万円(消費税込み)と、レクサスシリーズの中ではお手ごろ感を打ち出す。これにより新たな「レクサス・ファンを増やしたい」と意気込んでいた。

 

 

 

 UXは直噴4気筒2リットルエンジン、ハイブリッドシステムなどパワートレーンにも最新技術を搭載。もちろんレクサスのコンセプトである上質感や日本の美意識を取り入れたクルマづくりはUXにも引き継がれている。
 澤良宏レクサスインターナショナル プレジデントは新型UX発表会で、レクサスの2018年1~10月の世界販売台数が約56万台に達し、過去最高になったことを表明した。日本市場は4万6900台を記録。新型UXも販売目標の6倍となる5500台をすでに受注しており、レクサスの好調ぶりが目立つ。

 

 レクサスブランドのスタートは1989年とすでに30年近くの歴史を刻む。だが、欧州のプレミアムブランドと比べると、まだまだ後発であり、歴史も浅い。このため今後、高級車市場で競合していくためには、一層のラインナップ拡充、ブランドの浸透、ユーザー層の広がりが課題となる。
 これに対し、澤プレジデントは欧州のラグジュアリーブランドとは真っ向勝負するのではなく、「一線を画す」と独自性を強調し、今後も独創性のある車種展開を追求していく考えを示した。( 佃モビリティ総研・松下 次男 )

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。