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2023年4月26日【新型車】

マクラーレン「750S」発表、0~100km/h加速は2.8秒

山田清志

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英国マクラーレン・オートモーティブは4月26日、新型スーパーカーのマクラーレン「750S」を発表した。750Sは2017年に発売した「720S」の後継モデルで、4リッターV8ツインターボエンジンを搭載する。その最大出力は750ps、最大トルクは800Nmで、0~100km/h加速が2.8秒、0~200km/h加速が7.2秒、そして最高速度が332km/hを誇る。文字通り、“怪物マシン”と言っていいだろう。( 経済ジャーナリスト・山田清志 )

 

 

30%の部品を刷新・変更して30kgの軽量化

 

「非常に多くのドライバーからベンチマークと認められているモデルがある場合、さらに優れたものを生み出すためには、あらゆるディティールを検証し、さらなるレベルアップのために懸命に努力を重ねる必要がある。私たちはこの新750Sでそれを実行した。軽量さとV8エンジンのパフォーマンス、卓越した動的性能が組み合わされて、スーパーカーのドライビング・エクスペリエンスが新たな高みに到達し、真の高揚感を生む感情的な一体感が実現した」

 

マイケル・タイターズCEOがこう話している750Sは、先代モデルの720Sを徹底的に分析し、約30%のコンポーネントを刷新、または変更した。カーボンファイバー製モノコック構造を中核に軽量化を図り、720Sより重量を30kg削減。最軽量仕様の乾燥重量は1277kgと、競合モデルよりも193kg軽いという。

 

 

最大出力、最大トルクについても、720Sよりもそれぞれ30ps、30Nmアップ、7速トランスミッションも、加速を引き上げる最適なギアレシオに変更。その結果、0~100km/h加速を0.1秒短縮している。

 

さらに、720Sよりもフロント・トレッドを6mm拡大し、新サスペンション・ジオメトリーを採用することによって、フロントエンドのグリップが向上して、俊敏性でも先代モデルを上回っているという。また、750Sでは、ステアリング・レシオがさらにクイックになり、パワーアシスト用ポンプも新型になった。

 

インテリアはドライバーが中心になるように変更

 

750Sのインテリアについても、情報用と計器用のディスプレーをドライバー中心のデザインになるように変更した。インストゥルメント・ディスプレーはステアリング・コラムにマウントされ、これと一緒に動く。このドライバー重視のディスプレーを覆うビナクルには、パワートレインとハンドリングのモードを選択するスイッチが両サイドに配置されている。そのため、ドライバーはステアリングに手を置き、目に前の道路に集中したまま、アクティブ・ダイナミクスコンフォート、スポーツ、トラックの各設定に容易に変更できる。

 

 

もうひとつ750Sでは、マクラーレン・コントロール・ローンチャ(MCL)という新技術を搭載。これによって、ドライバーは、空力、ハンドリング、パワートレイン、トランスミッションの各設定から好みの組み合わせをつくり、自分だけの設定を記憶させて、MCLボタンを押すだけで、即座にその組み合わせを呼び出すことができるのだ。

 

ドライバーを支える新機能としては、アップル「CarPlay」をはじめ、急速充電が可能なUSB-CやUSB-Aのコネクターも装備、セントラル・インフォメーション・スクリーンも新しくなり、さらに豊かで詳細なグラフィックが楽しめるそうだ。リアビューカメラとサラウンドビューカメラもアップグレードされ、一層高解像度のクリアな映像となった。また、新ビークルリフト・システムでは、フロントを上昇させる所要時間が720Sの10秒から、わずか4秒に短縮された。

 

 

「われわれのチームが重点を置いたのは、750Sのパフォーマンスをありのままに体感してもらうこと。また、デザイナーたちも、ハイテクでドライバー中心というキャビンの設計に注力した。例えば、新たにステアリング・コラムにマウントされたインストゥルメント・ディスプレーや、そこに一体化されたアクティブ・ダイナミクス・コントロール、複数のHDディスプレーなどがすぐ目につく。それだけでなく、どこを見てもどこに触れても、750Sにはクラフトマンシップが息づいている」とチーフエンジニアのサンディー・ホルフォード氏はコメントしている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。