三菱自動車工業は８月１２日、デザインを一新すると共に走行性能を向上させた新型クロスオーバーMPV「エクスパンダー クロス」を、11日、第29回インドネシア国際オートショー（＊1）で披露し、同国での販売を発表した。
同モデルは、西ジャワ州ブカシ県の“Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesia（ミツビシ・モータース・クラマ・ユダ・インドネシア：MMKI／＊2）”にて生産され、アセアン地域を中心に順次展開される予定だと云う。
エクスパンダー クロスは、クロスオーバーMPVの「エクスパンダー」をベースに、SUVらしい力強さと高い走行性能、快適な乗り心地を実現したシリーズ最上位モデル。2019年のインドネシアでの発売後、販売地域をアセアンや中東、中南米、南アジア、アフリカへと拡大し、エクスパンダー（2017年発売）と合わせて2022年7月末までに累計47万台以上（2021年度11万台以上）、三菱自動車で3番目の販売実績を誇る車種であると云う。
新型のエクスパンダー クロスは、フロントとリヤのデザインを一新し、さらにSUVらしく力強いスタイリングを実現すると共に、前左右輪の制動力を調整して旋回性を高める「アクティブ・ヨー・コントロール（AYC）」等を採用。走行時の安心感や乗り心地も向上させた。
三菱自動車の加藤隆雄社長は、新型エクスパンダー クロス発表に際して、以下のようにコメントしている。
「昨年、大幅改良した『エクスパンダー』は順次販売地域を拡大しており、今年度の販売台数は昨年度の同期間を上回るなど好調な販売状況となっています（*3）。
今回の新型『エクスパンダー クロス』はこれまで以上にSUVらしい力強さを高めた三菱自動車ならではのクロスオーバーMPVとしており、『エクスパンダー』と同様にお客様にご好評いただけることを期待しています。進化させた『エクスパンダー』シリーズによってアセアンを中心に当社のプレゼンスをさらに拡大すると共に、インドネシアでの現地生産を通じて同国の経済発展にも貢献してまいります」。
＊1：正式名称「The 29th GAIKINDO Indonesia International Auto Show」。
＊2：三菱自動車が51.0%、三菱商事が40.0%、Krama Yudhaが9.0%を出資する合弁会社。
＊3：2022年7月末時点で約4万台。「エクスパンダー」と「エクスパンダー クロス」を合わせた2022年4月～7月累計販売台数、「エクスパンダー」は大幅改良前のモデルを含む。
[主な商品特長]（インドネシア仕様／＊4）
SUVらしい力強さを高めたエクステリア
・フロントでは、デザインコンセプト「ダイナミックシールド」を進化させ、台形モチーフの大型グリルとガードバー形状のバンパーを組み合わせることで、SUVらしい力強さを付与。ヘッドライトに、ワイド感を強調する特徴的なTシェイプデザインを採用し、従来ヘッドライトユニットの下に配置していたターンランプを上部のポジションランプに組み込むことで、被視認性を高めた。また、前後合わせて95mm延長したオーバーハングと厚みを増したエンジンフードで、ダイナミックさと安定感を増したプロポーションとした。
・17インチのアルミホイールに、ミディアムグレーの2トーン切削光輝仕上げのラウンドリムタイプを採用。前後スキッドプレートとドアガーニッシュのグレー塗装とをコーディネートさせて、立体感を持たせることでSUVらしいスポーティさと力強さを表現。また、ルーフレールをブラックとすることで全体の印象を引き締めた。
・リヤではテールゲートをより立体的な形状とし、分割線を減らして質感を向上。リヤコンビネーションランプを、水平基調のTシェイプテールランプによりワイドで安定感のあるデザインにすると共に、従来のテールランプとバックランプに加え、ストップランプもLED式とすることで、夜間の後方からの被視認性を高めた。
・ボディカラーは、タフさを感じさせながらモダンな上質感を併せ持つ“グリーンブロンズメタリック”を新たに追加。その他、“クォーツホワイトパール”、“ブレードシルバーメタリック”、“グラファイトグレーメタリック”、“ジェットブラックマイカ”をラインアップしている。
上質感と操作性を向上させた室内空間
・インテリアでは、室内の広がりを強調すると共に走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調の「HORIZONTAL AXIS（ホリゾンタル・アクシス）」コンセプトのインストルメントパネルに、大径の4本スポークステアリングを新たに採用するなど、高級感を演出した。
・より直感的に使いやすい8インチカラー液晶メーターを採用し、先進的な室内空間を演出。ステアリングホイールのスポーク部に配置されたスイッチの操作により、平均燃費や瞬間燃費等の運転情報や、AYCの作動状態等の車両情報のメーター確認が可能、運転に必要な情報に簡単にアクセスできる。
AYC等の採用で走行時の安心感・乗り心地を向上
・ハンドル角、ヨーレイト、横G・前後G、ブレーキ圧、車輪速などの情報から、ドライバーの操作や車両挙動を正確に判断し、運転操作に忠実な車両挙動となるよう、ブレーキ制御による前左右輪間のトルクベクタリングを行うAYCを新たに採用することで旋回性を向上。滑りやすい路面での旋回時にはコーナー内側の前輪にブレーキをかけるAYCの制御によってアンダーステアを抑制し、ドライバーが意図した通りの軌道に近づけることが可能。アンチロックブレーキシステム（ABS）とアクティブスタビリティコントロール（ASC）と協調し、様々な天候や路面で安全・安心で快適な運転をサポートする。
・サスペンションは、フロントのストラット取付け部の剛性を向上、リヤはショックアブソーバーのシリンダーサイズ拡大と共に、前後とも高性能バルブを新たに採用することで、荒れた路面でもフラットで快適な乗り心地を実現。
＊4：車両の仕様と機能はグレードや市場によって異なる場合がある。
■Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesia（英語）：https://www.mitsubishi-motors.co.id/profil-perusahaan