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2019年7月5日【アフター市場】

国交省、自動車メーカーに後付け安全運転支援装置の開発計画要請

中島みなみ

後付け安全運転支援装置の開発を要請する国交省自動車課(撮影:中島みなみ)

 

 7月5日、国土交通省は国内自動車メーカー8社の製品開発担当役員を招き、後付け安全運転支援装置の市販と普及に向けた強い要請を行った。8月初旬をめどに開発計画の提出を求める。一方、国土交通省は、今年度中に後付け装置の性能認定制度を創設。来年度から実施し、メーカーの製品開発の後押し。普及に向けた更なる加速を目論む。

 

 サポカー認定制度の活用し、新車に対するペダル踏み間違い防止装置など安全運転支援装置の搭載は、2020年度までに90%を目指して進んでいる。しかし、すでにユーザーが購入した既販車に後付けする装置は、そもそも商品化自体が進んでいない。工藤彰三政務官は国内8社の役員を対策の遅れを指摘した。

 

「現在の事故要請ではをみれば高齢運転者の対策は、新車だけでなく、既販車に対してもスピード感を持って講じる必要がある。自動車メーカーが販売装着している後付けもごく一部の車種に限られている状況にある」

「実用化の取り組みを加速し、後付け装置の可能な車種を大きく拡大していただけるよう強く要請する」と、工藤彰三政務官(写真中央)(撮影:中島みなみ)

 

後付け安全運転支援装置の商品化は、昨年12月にトヨタがペダル踏み間違い防止装置をプリウスなど一部車種で実現。この5月には対象車種を5車種から12車種、約458万台を対象に取り付け可能になった。また、軽自動車のダイハツも2月、ムーヴとミラの旧型車を対処に同様の装置を販売する。また、これ以上に前述の2社を除くメーカーの対応は開発、市販が遅れている状況だ。

 

 しかし、高齢運転者による死傷事故が全国的に目立つ中で装置に対する注目度は高い。各社の株主総会でも開発を求める声が上がった。同省自動車課は新車の技術を転用して既販車に対する商品化を進めることは充分可能と判断した。

 

ただ、先行する2社の後付け装置の販売に対して、ユーザーの反応は思いのほか鈍い。トヨタの場合、5月末日で「数百台」(トヨタ広報担当)が取り付けたに過ぎない。そうした状況に気後れすることなく、後付け装置の市販化が進むように工藤氏は異例の呼びかけを行った。

 

「自動車メーカーには、後付け可能な安全運転支援装置の開発、実用化の取り組みを加速し、後付け装置の可能な車種を大きく拡大していただけるよう強く要請する」

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。