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2024年3月21日【アフター市場】

ニアミーと熊本県、阿蘇・観光タクシーの運行エリア拡大

坂上 賢治

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全国規模でタクシーのシェアサービスを展開するNearMe(ニアミー)と、熊本県・(公社)熊本県観光連盟とで運営する観光タクシー「阿蘇らくらくWebタクシー」は、去る2月15日から実証スタイルでの運行を行ってきた。

 

その観光タクシー運行に関して今回、新たに〝阿蘇くまもと空港〟を新発着地として追加・エリア拡大すると共に実証期間も9月30日まで延長する。併せて熊本国際空港の協力を得て、空港内に観光タクシー専用の乗り場も追加される。

 

阿蘇くまもと空港内『阿蘇らくらくWebタクシー』の専用乗り場

 

NearMeらが、上記の実証エリア拡大に併せて実証期間の延長も決めた理由には、熊本県・(公社)熊本県観光連盟が、2021年度から阿蘇エリアをモデル地域に「熊本型観光MaaS」と題した地域活性化に精力的に取り組んできた背景がある。

 

そもそも、この「阿蘇らくらくWebタクシー」は、マイカーやレンタカーの用意がない観光客に対して、阿蘇の観光スポットへ自由かつ快適に尋ねられる仕組みを提供するべく発案されたもの。

 

 

そこで先の2月15日から両者によって実証運行を開始したところ、阿蘇エリアのタクシー検索+予約+支払いをスマホひとつで完結できるサービスとしていたことから、同エリア初の観光タクシーとして高評価を獲得。実証サービスの導入以降、外国人利用が4割を超えてインバウンド需要を含めた観光手段として大きく躍進した。

 

従って今後は、周遊範囲を阿蘇エリア内のみとせず、阿蘇エリアから外れた西側の〝阿蘇くまもと空港〟も新たな発着点に加えて、観光サービスとして更なる利便性向上を目指す。

 

阿蘇らくらくWebタクシーの概要は以下の通り

 

– サービス名称:阿蘇らくらくWebタクシー
– 運行期間:2024年9月30日(月)まで
 ※当初の2024年3月31日までを延長
– 運行時間:7:00~20:00
– 運行エリア:阿蘇市・南小国町・小国町・産山村・高森町・南阿蘇村・西原村+(エリア拡大)阿蘇くまもと空港
– 運行事業者と台数:阿蘇エリア内のタクシー事業者6社約40台 ※2024年3月現在
– 予約/乗車方法
(1)乗車3時間前までに専用サイト(下記)から申し込み。
(2)申し込みから24時間以内(当日予約場合1時間以内)に予約確定の可否をメールまたはアプリ通知で回答。
(3)乗車前にタクシー会社・車両情報をメールまたはアプリ通知。
(4)乗車時刻になったら、タクシーへ乗車。
– 料金
移動距離に応じた変動料金(タクシー運賃と同程度)
– 決済方法:クレジットカード自動決済
– 専用サイト
https://campaign.nearme.jp/poc-kumamoto-aso(日本語)

 

https://campaign.nearme.jp/poc-kumamoto-aso/en(英語)

 

阿蘇くまもと空港「阿蘇らくらくWebタクシー」専用乗り場は、到着駐車場の立体駐車場の利用者入り口付近に設置される。

 

 

今回の活動エリア拡大に熊本国際空港の久本正則 取締役営業本部長は、「阿蘇くまもと空港をご利用になる全ての方により多くの交通手段を提供し、利便性を高めていくことは我々の使命であり、今回、ニアミー様と新たな移動手段の整備で協力できたことを大変嬉しく思っております。

 

また、国内空港では初となる専用の乗り場を駐車場内に設け、予約制タクシーの可能性を広げることにもなりました。今後も九州のセントラルゲートウェイとして、二次交通拡充を図る取り組みを続け、空港から阿蘇地域のみならず、より広域へ移動し易いサービスとして連携を高めてまいります」と話している。

 

 

一方でNearMeの髙原幸一郎 代表取締役社長は「2月から始まった〝阿蘇らくらくWebタクシー〟の運行を無事に迎えることができたこと。そして運行に際して多くの反響を頂けていることを大変嬉しく思います。

 

今回のエリア拡大によって、空港を起点にした移動を含め、ドアツードアによる移動で、阿蘇エリアの快適な観光を現地を訪れる皆様に、もっと楽しんで頂きたいと思います。

 

また、今回はこれまでにない新たな取り組みとして空港内に〝阿蘇らくらくWebタクシー〟専用乗り場を設けて頂きました。乗り場を設置することで、より多くの空港利用者の皆様に〝阿蘇らくらくWebタクシー〟の存在を知って頂けるものと思います。

 

そして今後は、阿蘇エリアに限らず、熊本市内なども含めた運行エリアの拡大を目指していきたいと考えています。更には、運行実績を基にシェア乗りの実装も視野に入れるなど、ニアミーならではの方法も提供を検討し、熊本県の快適な観光シーンをサポートしていきたいと考えています」と応えている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。