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2020年8月4日【テクノロジー】

スリーディー、裸眼立体視ディスプレイアプリのプロトタイプ開発

坂上 賢治

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ホログラフィック・ディスプレイ Looking Glass 用 REMO アプリのプロトタイプを開発

 

 スリーディー(本社: 横浜市、代表取締役社長: 彦坂 隆)は、リアルタイム3次元CGによる裸眼立体視応用の実証検討のため、Looking Glass Factory社製のホログラフィック・ディスプレイLooking Glass向けに同社のリアルタイム・レンダリング・エンジン「REMO(リモ)」を用いたアプリのプロトタイプを開発したと発表した。(坂上 賢治)

 この多眼式裸眼立体視ディスプレイは、複数枚の視差画像を空間上に配置し、そのうちの 2 枚(右目、左目用)の視差画像を両目で見ることで立体感を与える方式。

 

Looking Glassは、多眼式裸眼立体視ディスプレイであり、正面から見て水平方向 約 50 度の角度内(視野角)を最大45視点に分割。それぞれの視点に対応した画像(多視点画像)を最大 60FPS(フレーム/秒)で表示して鑑賞できるようになっている。

 

このため視点数が多くなることで、鑑賞する位置が多少前後左右に移動しても、正しい視点位置に目が合いやすく立体映像を見ることができるのが大きな特徴だ。

 

 ちなみに2012年に設立されたスリーディーは「グラフィックス技術を通じて世の中に喜びを届ける」というミッションを掲げ、リアルタイムグラフィックス技術を核に画像処理、ハプティクス、デジタルヒューマンなどを用いた開発や3DCGコンテンツ制作を得意とし、これを強みに自動車、医療機器、各種産業、大学・研究機関向けのエルゴノミクス設計支援等に貢献している。

 

今後、同社はこのプロトタイプアプリの基に、実製品への応用に加え立体視ディスプレイの実用化を検討している企業との協業開発を目指す構えだ。

 

 

ベンチマーク比較により他社製グラフィックスエンジンを20%上回る表示速度の高速化を実現

 

 同社では「近年、Looking Glass等、多眼式の裸眼立体視ディスプレイの製品化やプロトタイプの発表が相次いでおり、今後、商用利用されるケースが増えていくことが予想されています。

 

しかし裸眼立体視用の3次元CGコンテンツをリアルタイムに表示するためには、多視点画像を高速に表示することなど、高い負荷の計算が要求されるため、モデル、エフェクト等コンテンツの表現の仕方を制限しなくてはならないことが課題となっています。

 

そうしたなか当社は10数年来、立体視ディスプレイ用アプリケーションの開発に取り組んでおり、これまで新しい方式の立体視ディスプレイの実証検討を行なってきました。

 

この度、Looking Glass用REMOアプリのプロトタイプを開発し、多くのLooking Glass用アプリ開発で使用されている他社製グラフィックスエンジンで開発されたアプリと表示速度のパフォーマンス測定値を比較した結果、他社製グラフィックスエンジンのアプリは133フレーム/秒であるのに対して、REMOアプリの表示速度が159 フレーム/秒と「約20%上回る」ことを確認。コンテンツの表示速度の高速化が実証され、Looking Glass用コンテンツの表現の幅が拡がる可能性を見出すことができました」と話している。

 

 なおリアルタイム・レンダリング・エンジンREMOとは、3次元 CG を高速に描画するために開発されたOpenGLベースのリアルタイム・レンダリング・エンジン。描画を行なう際の計算処理には、GPU(Graphics Processing Unit)を利用するため、GPUの性能に応じて高速化される仕組みになっている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。