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2023年1月18日【新型車】

シボレーコルベット、生誕70年の節目に電動AWD車を披露

坂上 賢治

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シボレーは米国・東海岸時の1月17日、NYモトラマショーでデビューしたコルベットが70周年を迎えた今年、6.2リッターLT2スモールブロックV8エンジンに電動AWDシステムを組みあわせた史上初のモデル「コルベットE-Ray」の2024年型モデルを発表した。(坂上 賢治)

 

 

GMのマーク・ロイス社長は「1953年に初披露された〝シボレーコルベット〟は、その後70年もの歴史を刻み、電動AWDの〝E-Ray〟は、そんなコルベットブランドの可能性を大きく広げる存在でもあります。

 

E-Rayはルーフを取り外せるクーペと、ハードトップコンバーチブルの2モデルがあり、AWDならではの力強い直進性と信頼性を持ち合わせ、電動グランドツーリングカーとして孤高のドライビングエクスペリエンスを提供します。

 

 

それはパワーユニットにV型8気筒の自然吸気エンジンと電動AWDを組み合わせた唯一のスポーツカーであり、それは他に類を見ない存在でもあります」と述べた。

 

またシボレーのスコット・ベル、グローバル・バイスプレジデントは「コルベットは1953年以来シボレーの栄光の象徴です。

 

E-Rayは過去に例のない信頼とラグジュアリーなパフォーマンス、洗練性とスタイルが融合したモデルで、より多くの方々にコルベットを体験して頂く新たなきっかけを提供する事になるでしょう」と語っている。

 

 

加えてコルベットのチーフエンジニアを務めたタッジ・ジェクター氏は「E-Rayは、0-60mphを2.5秒、1/4マイルを10.5秒で駆け抜ける史上最速の量産コルベットです。

 

もとよりコルベットは舗装されていない道に於いても、また極限性能が求められるサーキットコースでも、優れたドライビングエクスペリエンスを実現しなければなりませんが、E-Rayはそれを同時に可能にします。

 

特に電動化技術は、あらゆる走行状況下に於いて操舵のコントロール感を高め、安定した走りが可能となりました。なかでも低速トルクからの素早い推進力は、コルベットのドライビングエクスペリエンスの中核であり、それはこのE-Rayにも備わっています。

 

6.2リッター LT2スモールブロックV8エンジンで発生した495馬力と470lb.ftのトルクをリアアクスルに伝達。

 

これにシート間のフロアトンネルに設置された電気モーターが、1.9kWhのバッテリーパックを介して前輪に160馬力と125lb.ftのトルクを供給。

 

E-Rayは、この電気モーターとスモールブロックV8エンジンの両方からの合計で最高出力655馬力を発揮する事になるのです」と話す。

 

 

そんなE-Rayの電動AWDシステムは、路面状況を検知しつつドライバーの求めに応じてシームレスな動きを見せるという。特にトラクションの低い路面や急発進の際には前輪への駆動力を高め車両の安定性を維持する。

 

なおバッテリーシステムはプラグイン充電の必要はない。バッテリーは通常走行時だけでなく、惰性走行や制動時の回生エネルギーによっても充電されるからだ。

 

機能と車載装備に関わる情報では、まず街乗り用の電気駆動モードであるステルスモード(最高速度は45mph/約72km/h)を備えている。

 

 

制動装備ではブレンボ社製カーボンセラミックブレーキシステムを標準搭載。3種類のサスペンション設定が可能なマグネティックライドコントロール4.0も備えた。ホイールは、20インチと21インチのスタッガードホイールにミシュラン・パイロット・スポーツ・オールシーズンタイヤを装着。

 

スタイリングは、現行コルベットよりも3.6インチワイドかつ低いボディを持ち、E-Rayの存在感を具現化する臨場感溢れるサウンド体験でドライビングプレジャーを演出する。

 

 

そんなE-Rayの車体デザインに関してグローバルシボレー・エグゼクティブ・デザインディレクターを務めるフィル・ザック氏は「E-Rayのようなコルベットは、これまで存在しませんでした。洗練されたデザインがそのことを物語っています。

 

それはE-Rayのエキゾチックなプロポーションを印象づけるボディのカラートリムから始まります。

 

更にインテリアは、洗練された雰囲気やダイナミックなスポーツ感を演出するカラーを選ぶ事で、お客様一人ひとりの個性を反映させる事が出来ます。

 

また新しいアルテミスディップドインテリアも採用。これは内装の仕上げの大部分に深いグリーンの色調を補完的に配色したもので、2024年型コルベットのみに導入されます。

 

これらのインテリアは、2種類のカーボンファイバー・トリムパッケージ、3種類のシート、7色のインテリアカラーなど、複数のオプションから選ぶ事ができ、パーソナライズが可能です。

 

コンソールには、〝Charge+〟と〝Stop/Start〟のボタンを追加し、インフォテイメントシステムとインストルメントクラスターを刷新して、より一体感のある外観を実現しています」と説明している。

 

 

なおレーンキープアシスト(レーンディパーチャーウォーニング付き)、フォワードコリジョンアラート、オートマチックエマージェンシーブレーキングなどのドライバーアシストテクノロジーも強化され、標準搭載のアクティブ・フューエル・マネジメント・システムは、様々な運転状況で電気モーターを活用し4気筒状態で走行距離の延長にも応える。

 

E-Rayの電動アシストは、ドライバーが切り替え可能なツアー・スポーツ・トラック・ウェザー・マイモード・Zモードの6モードの走りが愉しめる。また、バッテリーの充電状況を最大限に高める「Charge+」機能を選ぶ事も可能だ。

 

そんな2024年型コルベットE-Rayは2023年に発売。1LZクーペが104,295ドル(希望小売価格)、1LZコンバーチブルモデルが111,295ドル(希望小売価格)。いずれも米国およびグローバルに調達した部品でケンタッキー州のGMのボウリンググリーン組立工場で生産される予定となっている。なお日本導入時期は未定だ。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。