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2023年9月19日【新型車】

フィアット、イタリア本国で新型600ハイブリッドを発表

坂上 賢治

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ステランティス傘下のファットブランドは9日18日(欧州中央時)、来たる2024年から発売予定としている600シリーズのハイブリッドバージョン、「新型フィアット600ハイブリッド」を発表した。( 坂上 賢治 )

 

かつて夏が到来して間もない7月4日に、旧リンゴット工場(イタリア・ピエモンテ州トリノ)の空中庭園に於いて、世界初披露となった電動車〝600e〟を携え公式プレゼンテーショを実施。Bセグメントマーケットでのフィアットブランドの復活を示した。そして今回、BEVへの移行ペースが進んでいない一部の国向けにハイブリッドバージョンが用意される。

 

この新たなハイブリッドモデルの投入についてフィアットのCEO兼ステランティス・グローバルCMOのオリビエ・フランソワ氏は、「当社が未来へ向けて進むべき道は100%ピュアEVへの転換です。そうしたなかで今日、500eがヨーロッパで最も売れているコンパクト電動車である事実が、私達のそうした想いを力強く後押ししてくれています。

 

しかし一方で100%ピュアEVがまだ本格的に普及していない国もあり、こうしたマーケットについて、引き続き私達は対応していかねばなりません。そこで、そうした国々に向けて電動車の世界を切り拓くべく、先の600eと共に新たにハイブリッドモデルを提案していきます。

 

フィアット600ハイブリッドは、スマートでユーザーフレンドリーなもうひとつの電動車です。そんな新型600の楽しさはハイブリッド パッケージでも変わりません。

 

600ハイブリッドに搭載されるMHEVエンジンは、快適性とパフォーマンスの両方を兼ね備えており、まだ100%ピュアEVの利用には躊躇されているお客様へ電動モーターを介したハイブリッド体験を提供します。

 

その魅力は市街地走行だけでなく、田舎道や郊外のワインディングロードでも、スムーズかつ刺激的な電動モーターによる走りを愉しむことができます。併せて低回転時や発進時の加速性能が鋭くなるにも関わらず、減速時には走行エネルギーを回収して蓄電することもできます。

 

 

こうしたモードは、時速30km未満の市街地走行時を支配し、渋滞時や駐車時ではアクセルを踏まずに一連の短い移動を繰り返して微速移動することも容易になります。

 

そんな同車のパフォーマンスは、最大100馬力を発揮する3気筒1.2リッター ICE エンジンと48ボルトのリチウムイオンバッテリー、新しいデュアルクラッチトランスミッションなどの相乗効果が生み出すもので、静止状態から約11秒で時速100kmに到達し、電動モーターからのアシストにより厚みのあるトルクを引き出します。

 

燃料消費も改善され、オートマチックトランスミッションを備えた通常の単独ICEエンジン搭載車と比較してCO2 排出量を最大15% 削減するように設計されており、推定 CO2 量は僅か110 ~114gです。

 

そもそもハイブリッド・パワーユニットには幾つもの利点があり、例えば特定の状況下では内燃エンジンを停止した状態で車両を走行させることができます。従って100%電動モード ( e-launch ) による走行はスムーズかつ静粛性が高く、ガソリンの無駄もありません。

 

また車格的には長さ4.17 メートルの全長で5ドア。5 人が乗り込んで快適に移動することが可能。室内の手回り品を収める収納スペースは15リットルを確保。これにフロント収納と容積385リットルのトランクも備えています。

 

最先端の安全機能とレベル2の運転支援機能も備えている新型フィアット600ハイブリッドが提供する実力は、日常生活に刺激と潤いを与えるにも関わらず、扱い易くリーズナブル。高速道路や市街地、郊外でのドライブなど、あらゆる場面で常に移動の自由を謳歌できるという意味で、多様な人々のニーズを満たすことができるでしょう」と語った。

 

なおこの新型ファット600ハイブリッドは、イタリア国内マーケットでは定価24,950ユーロで販売されることになるとしている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。