NEXT MOBILITY

MENU

2022年4月27日【自動車・販売】

日ペ、「ターゲットラインペイント」で自動運転業界に参入

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

シダックス・対馬市・明治大学自動運転社会総合研究所の自動運転実証実験に参画

 

日本ペイントホールディングス傘下の日本ペイント・インダストリアルコーティングス(工業用塗料の製造・販売)は4月27日、長崎県対馬市・明治大学 研究・知財戦略機構自動運転社会総合研究所・シダックスが開発中の自動運転システムに、自社の自動運転用塗料(ターゲットラインペイント)を提供すると発表した。

 

この実証は対馬市の公道にて、5月19日(木)~22日(日)に行う実証実験。ここで塗装されたラインに沿って車が自動走行する車両制御システムが用いられる。

 

(写真左)目視で見た際のターゲットライン(写真右)センサーで見た際のターゲットライン

 

実証実験の概要については以下の通り
目的:ターゲットラインシステムでの自動運転走行試験
更にアンケートを通じた自動運転に対するニーズ調査を行う
場所:長崎県対馬市(バリュースタジアムタケスエ大浦店~上対馬高校手前 往復約1.6㎞)
使用車両:トヨタ自動車 エスティマ
日時:2022年5月19日(木)~22日(日)

 

その実証実験で、道路の中心に自動運転車両のみが認識できる日本ペイントの特殊塗料ターゲットラインペイントが塗装される。その特徴は、以下の通り。

 

(1)自動運転の導入コストおよびメンテナンスコストの削減に寄与
塗装するだけで自動運転用のインフラを整備出来る事から、自動運転の導入コストおよびメンテナンスコストの削減が望める。

 

(2)GPSが届かない場所での自動走行可能性
道路に塗装されたラインを認識して走行するため、GPS等が入りづらい場所でも自動走行が可能になる塗料となる。

 

(3)LiDARが認識できると同時に目視ではアスファルトと同化する色を塗料で実現
同社が開発したターゲットラインペイントは、LiDAR(自動運転用のセンサー)が認識できると同時に、目視ではアスファルトと同化する色で、道路の路面標示と誤認しないラインの形成を実現させている。

 

 

実証試験の詳細については、まずシダックスが実証実験のための車両を対馬市へリース。対馬市と明治大学 研究・知財戦略機構 自動運転社会総合研究所の自動運転共同研究の橋渡しを行う。

 

これを踏まえて対馬市では、高齢化・過疎化に対応する将来の島づくりのため、内閣府未来技術社会実装事業の一環で対馬スマートシティ推進事業を進めていく。

 

実証実験の目的としては、将来の地域インフラとしての自動運転技術の有効性を検証する事にある。なお、予てより明治大学 研究・知財戦略機構 自動運転社会総合研究所は、法律・技術・保険・地域創生・社会実装化の部門で自動運転に関しての横断的・学際的な研究を進めており、2019年より対馬市と連携協定を結んで共同研究を行って来ている。

 

最後に日本ペイントは同実証への取り組みについて「今後も工業用塗料国内No.1メーカーとして、業界の課題解決と市場活性化に貢献し、塗料のコーティング技術によって社会課題解決に努めてまいります」と話している。

 

日本ペイント・インダストリアルコーティングス
・本社:東京都品川区
・代表取締役社長:塩谷健
・企業サイト: https://nipponpaint-industrial.com/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。