NEXT MOBILITY

MENU

2020年11月24日【イベント】

日産ノート発表会見。イーパワー搭載車のみので発売へ

松下次男

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

日産の新ロゴ搭載第1号として車台一新、ツインモーター(4WD)も近く投入へ

 

 日産自動車は11月24日、コンパクトカー「ノート」をフルモデルチェンジし12月23日から発売すると発表した。新型ノートは第2世代「e-POWER(イーパワー)」を搭載し、日産の新ロゴ採用の市販車第1号となる。事業構造改革「ニッサン・ネクスト」で掲げる重要な戦略車種の一つだ。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

3代目となる新型ノートは先代モデルと異なりパワートレインは100%モーター駆動で走るイーパワーのみ。7月に公開したクロスオーバーEV(電気自動車)「アリア」と並んで、電動化推進を事業再生の柱に据える。

 

 

アシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)は新型ノートを投入するにあたり「電動化による低炭素化を進化させる。進化したイーパワーで走りを極めた」と強調。今後「日本、タイ、インドネシアに続き、イーパワー搭載車を中国、欧州へ投入する」とオンライン発表会で述べた。
これにより2023年度までに電動車を「年間100万台以上に増やし、政界へひろげる」と急ピッチで拡大する戦略を示した。

また、新型ノートは日産のデザイン戦略についても新たな一歩を踏み出した。アリアとデザインの一貫性を持たせ、事業構造改革で打ち出す新型車戦略に連続性を持たせた。星野朝子副社長は第2世代イーパワーとともに、「日産の新ロゴを身に着けた第1号。新たなデザインをまとい、満を持して発売する」と新型ノートの投入についてこう強調した。

 

 

ノートは2017年から2019年まで3年連続で国内コンパクトカー販売台数ナンバー1となったが、新型車はガソリン車を設定せず、イーパワー搭載車のみ。これについて星野副社長は「ゼロエミッションの世界に向け、電動化に集中させる。これを必ず成功させたい」と述べ、環境対策を優先する姿勢を見せた。

 

今回の新型ノートはまず2WD(二輪駆動)を先行発表。これに続き、ツインモーターを搭載した本格的な4WD(四輪駆動車)についても12月中に発表する予定だ。
新型ノートから搭載する第2世代イーパワーはモーター、インバーター、ジェネレーター、バッテリー、エンジンなどの主要コンポーネントをすべて一新。モーターは先代モデルより、トルクを10%、出力を6%向上した。

 

インバーターも第1世代より40%小型化し、重量を30%軽減化した。これにより加速性能がより力強くなり、燃費向上を実現した。
プラットフォームも新開発の次世代上級小型車向けプラットフォームを採用。システムを一新した第2世代イーパワーとあわせて、上質な走り、効率性を高い次元で両立させたという。

 

 

さらに新型ノートにはコンパクトカー初となる運転支援技術「プロパイロット」を搭載。今回のプロパイロットには高速道路での同一車線走行時の運転操作をサポートする機能に、日産初のナビゲーションシステムとの連携機能(ナビリング機能)を加えた。
これにより制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えやカーブの大きさに応じた減速を支援し、ドライバーの操作頻度を軽減、安心かつ快適なドライブをサポートする。

 

静粛性も進化した。発電用エンジンの駆動をできるだけ少なくするとともに、路面状態からロードノイズが大きいと判断した場合、積極的に発電を行う制御システムを世界で初めて開発、採用し、より静粛性を高めた。

 

 

デザインは、新世代に移行する日産デザインのキーワード「タイムレス ジャパニーズ フューチャーリズム」を具現化。先進的で、クリーンかつダイナミックなデザインで、コンパクトながらもひときわ際立つ存在感に仕上げたという。フロントグリルには日本の伝統工芸である組子からインスパイヤ―されたパターンをあしらい「日本の風景に溶け込むデザイン」を採用した。
車両価格(消費税込み)は202万9500円から218万6800円。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。