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2024年4月22日【新型車】

ポルシェ、新型カイエンGTSシリーズの予約受注開始

坂上 賢治

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ポルシェジャパンは4月22日、新型「カイエンGTS」および「カイエンGTSクーペ」の予約受注を日本全国のポルシェ正規販売店を通じて受け付ける。

 

ポルシェは2023年にフルモデルチェンジしたカイエンのモデルラインを今販売のGTSモデルで完成させる。新しいGTSは、パワフルな368kW(500PS)のV8ツインターボエンジンおよびパフォーマンス重視のシャシーシステムを、日常の実用性と個性的なデザインエレメント、充実した標準装備を組み合わせたモデルとして提案する。

 

 

そもそもポルシェのGTSモデルは、グランツーリスモスポーツの略称で、ダイナミクスと長距離ドライブ性能を高めたモデルとして存在してきた。そんなカイエンの核心は、高性能スポーツカーであると同時に全地形対応SUVでもあるという点だったが、GTSモデルではこのバランスをオンロード性能の向上にシフトさせている。

 

新型カイエンGTSは、パワフルな駆動システム、精密なチューニング、エクスクルーシブなデザインによって、この原則に忠実でありながら、日常的な使用にも適したモデルとしてデビューした。

 

そんなカイエン ターボGTのシャシーは、GTS専用シャシーとして車高を10mm低くし、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)とポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)を含むアダプティブエアサスペンションが標準装備されている。

 

ポルシェトラクションマネジメント(PTM)やオプションのポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)など、すべてのシャシーコンポーネントと制御システムが、オンロードでの最適なパフォーマンスを実現するために特別に設計された。

 

 

GTSの2バルブダンパーテクノロジーは、より応答性を高め、2チャンバーエアサスペンションは、ドライバーの快適性を確保すると同時に車両に高度なダイナミックなスプリングレートを与えている。

 

例えばカイエンGTSモデルのフロントアクスルピボットベアリングは、カイエン ターボGT由来のものとしており、ホイールのネガティブキャンバーは、他のカイエンモデルと比べて0.58度大きくなっている。その結果、俊敏なコーナリングとハンドリングダイナミクスが実現した。

パワーユニットは、ツッフェンハウゼンで製造された4.0リッターV8ツインターボエンジンで大幅な技術改良が施されている。

 

 

その最高出力は先代モデルを30kW(40PS)上回る368kW(500PS)、最大トルクは40N・m増の660N・mとなった。これに最適化された8速ティプトロニックSトランスミッションが組み合わされる。

 

走行モードは、スポーツモードとスポーツプラスモードでの応答時間とシフト時間を大きく短縮させている。これらの特徴を組み合わせることで新型カイエンGTSの0-100km/h加速タイムは4.4秒、最高速度は275km/hに達する。

 

加えて4WDのポルシェトラクションマネジメント(PTM)のトランスファーボックスが独立した水冷回路を備えている。この技術もカイエンターボGTから受け継がれたもので、例えばサーキットやワインディングロード走行の際には、継続的かつ安定的に耐荷重を安定させ、適切な姿勢を保ち続ける。

 

 

その他の装備では、まずエクステリアでは車両の両サイドとリアにブラックの“GTS”ロゴがあしらわれ、大型のクーリングエアインテークを備えた特別なフロントエンド、ダークティンテッド ヘッドライトおよびテールライト、レッドのブレーキキャリパーが装備される。

 

また、このクラシカルなデザインDNAによって一目でポルシェと分かる外観を実現しながらも、いくつかの革新が加えられている。それは標準装備のスポーツデザインパッケージの一部として組み付けられたサイドスカート、フロントインレー、サイドウインドウトリム、ホイールアーチエクステンションなどのボディアタッチメントで、先代のGTSモデルでは、これらのボディパーツの一部はボディカラーと同色だったが、いずれもハイグロスブラックで塗装されている。

 

対照的に、スポーツエキゾーストシステムのテールパイプは、従来はブラックでだったものがダークブロンズカラーに変更された。これにポルシェGTSモデルのデザインレンジをさらに充実させるために、アンスラサイトグレーで仕上げた21インチRSスパイダーデザインホイールが装着される。

 

対してインテリアでは、ヒーテッドGTスポーツステアリングホイールが標準装備される。高品質素材のRace-Texもルーフライニング、アームレスト、ドアパネル、8way調節機能付スポーツシートのセンターパネルをこのスエード調のファブリックによって覆われる。

 

 

シートのサイドボルスターはさらに深くなり、コーナリング時の横方向のサポートがいっそう強化された。なお外観をさらにカスタマイズするために、カーマインレッドまたはスレートグレーネオのGTS専用インテリアパッケージも選可能となっている。

また新しいGTSモデルは、標準装備の曲面デジタルメーターパネルとオプションのパッセンジャーディスプレイを備えた新しいカイエンの最新製品へアップグレードされる。

 

それはスポーツデザインパッケージ、ダークティンテッドHDマトリクスLEDヘッドライト、エアサスペンションに加え、Bose®サラウンドサウンドシステムとアンビエント照明も含まれる。

 

 

車体がクーペボディのカイエンGTSクーペには、ガラス製の固定式パノラミックルーフ、アダプティブエクステンションリアスポイラーも標準装備される。また希望に応じて、ダークブロンズのテールパイプを中央に配置したスポーツエグゾーストシステムを装備することで、クーペのダイナミックな雰囲気をさらに高めることもできる。最後に軽量ルーフやカーボン製リアディフューザー、断熱材の削減などを含むライトウェイトパッケージも用意され、最大で25kgの軽量化が実現できるとした。

 

新型カイエンGTS価格(2024年4月22日現在)

車種:カイエンGTS
トランスミッション:8速Tip-S
ハンドル:右
希望小売価格(消費税込):¥18,680,000-

 

車種:カイエンGTSクーペ
トランスミッション:8速Tip-S
ハンドル:右
希望小売価格(消費税込):¥19,230,000-

 

<問い合わせ先>
ポルシェ コンタクト 0120-846-911 / HP :https://www.porsche.com/japan/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。