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2022年5月12日【新型車】

ロールス・ロイス、ファントム・シリーズ Ⅱ を発表

坂上 賢治

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8代目のファントムは、新機能〝ロールス・ロイス・コネクテッド〟も搭載

 

ロールス・ロイス・モーター・カーズは英国時間の5月12日、高級車に対して一家言を持つ自社顧客から収集した様々なフィードバックを反映させた上で、新たな搭載機能〝ロールス・ロイス・コネクテッド〟を備えたファントム・シリーズ Ⅱ を発表した。( 坂上 賢治 )

 

この8代目にあたるベースモデルのファントム。そのスタイリングは、今から5年前の2017年に発表されたもの。今回の車両改良にあたり、ロールス・ロイス社のデザイナーとエンジニア達は、顧客からの「大きな変更を加えずに、洗練度を更に高めて欲しい」という要望を受け、〝何を変更するか〟だけに拘らず、何を残し、何を守るかに重点を置いたという。

 

 

そうしたなかで同社は、保持すべき最も重要なポイントとして、その堂々とした存在感を如何に伸ばしていくかに腐心したという。そのため左右のデイタイム・ランニング・ライトの間のパンテオン・グリル上部へは、新たにポリッシュ仕上げを組み合わせた水平基調のラインを強調させた。

 

この幾何学的な小変更により、正面からの見たスピリット・オブ・エクスタシーやRRバッジが引き立つ効果を控えめに付与させてきた。また今回から先のゴーストで披露されたイルミネーション付きグリルが新たに採用されている。

 

 

併せてヘッドライトにはレーザー・カットを施したスターライト・ベゼルを組み込み、夜間に於けるファントムの存在感をより強くするべく改良を加えた。また車体側面から眺めたボディのアピアランスでは、ショート・フロントとロング・リア・オーバーハング、ロング・ホイールベース、乗員のプライバシーを 確保するための太めのピラーといったファントムならではの特徴をそのままに踏襲しつつも、ダッシュボードからフロント・アクスルまでの長さをより強く打ち出している。

 

その車体サイドから見えるのは、三角形のファセット形状が目立つ削り出しのステンレス・スチール製ホイールで、同アイテムは全研磨仕上げか、部分研磨仕上けかのふたつからの選択が可能。同部分のディスク・ホイールは研磨仕上げされたステンレス・スチールとブラック・ラッカー仕上げの両バージョンから用意される。

 

 

シリーズラインの〝ファントム〟と〝ファントム・エクステンデット〟を用意

 

インテリアでは、ステアリング・ホイールをわずかに太く改良。これに伴うダイレクトな操舵感覚は、オーナー・ドライバーに対してファントムとの会話をより濃く醸成することでクルマとの密接なつながりを提案するもの。

 

なお今シリーズに於ける〝ファントム〟と〝ファントム・エクステンデット〟には、それぞれの車両毎に異なる特徴を持たせている。より具体的には、自身でクルマのステアリングを握りたい顧客に向けた「ファントム」に対して「ファントム・エクステンデッド」は、運転手付き自動車として後部座席に乗車し豪華な移動体験を好む層に対して手厚く仕立てられている。

 

 

なお今回のファントムには、先にも記した〝ロールス・ロイス・コネクテッド〟が搭載されている。これによりファントムのオーナーは、ロールス・ロイス会員専用のプライベート・アプリケーション「ウィスパーズ」からイベント会場やレストランへ直接アクセスでき、車両のセキュリティー状態も手に取るように把握できる。もちろんシームレスなナビゲーション体験も存分に堪能できるとしている。

 

今回のファントムについても、車両のオーナーが移動に於ける贅沢の極みを追求することができ、 ロールス・ロイスは、そうした贅沢さを追求することに加えて、技術的、物質的、美的、性能的にも世界最高のクルマであり続けることを目指している。

 

 

最後にこの新たなファントム・シリーズ Ⅱ のリリースを記念し、プラチナ・ホワイトに仕立てた「ファントム・プラティーノ」も併せて公表している。これはロールス・ロイスの創業期を想い起こさせるものとしてファブリック製インテリアの贅沢さを探求したモデルで、手描き・手刺繍のシルク製インテリアを備えていた「セレニティ」から手掛けられたもの。

 

 

プラチナ・ホワイト仕立ての「ファントム・プラティーノ」は伝統と豪華さの融合

 

このファントム・プラティーノのフロント・シートは、ロールス・ロイス・ファイン・レザー仕上げとなっており、対してリヤ・シー トはファブリック仕上げとなっている。なおインテリアはイタリアの専用工場で製作された流れるような濃淡カラーで仕上げられており、耐久性と豪華な外観を両立させている。

 

同車についてロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏は「私たちは平素よりお客様がファントムに寄せる敬意や愛情を強く感じています。

 

 

そうしたお客様は、ファントムをこれ以上改良することは不可能だと感じていらっしゃる方も多いようですが、そしたご要望を包み込み、尊重しながら私たちが更なる完璧さを追求することで手を緩めることはありません。

 

新型ファントム・シリーズのために行ったわずかな仕様変更の積み重ねは、すべて綿密に検討され細心の注意を払って実施されたものばかりです。

 

 

実際、このモデルはロールス・ロイス の最高峰に立つ製品として最高のデザイン、最高のエンジニアリング、最高のクラフツマ ンシップを表現しており、当社の創造性を筆頭に最高級の素材と精巧さ が完璧に融合した製品です。

 

ファントムは、 常に世界最高のクルマと見なされており、ビスポークの能力は、お客様ご自身にとっても最高のクルマになり得るということでしょう。私たちの製品は、長きに亘りお乗り頂いても時代を超えた贅沢の極みを愉しむことができます。

 

 

それらはかつてヘンリー・ロイス卿自身が述べたように、〝小さなことが完璧さを生み出すが、完璧であることは小さなことではない〟とするクルマ造りの想いを脈々と受け継ぐものであるのです」と結んでいる。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。