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2020年1月28日【トピックス】

脳トレでシニア運転者の能力維持を目指す試み。仙台放送から

NEXT MOBILITY編集部

 

 仙台放送と東北大学の川島隆太教授は1月24日、共同開発した〝運転技能向上トレーニング・アプリ〟を、高齢運転者の交通事故防止に役立てるべく、MS&ADインシュアランスグループ傘下の「あいおいニッセイ同和損保(以下、あいおいニッセイ)」の自動車保険契約者向けに提供すると発表した。

 

 同コンテンツの原型は、実際の運転行為やシミュレーター的な疑似運転行為を伴わずに、わずか1日20分×6週間の認知トレーニングの実行でシニア運転者の「認知機能」に働き掛け、〝自動車運転技能〟と〝認知力〟並びに高齢者の〝活力〟を向上させるというテレビ接続型ゲーム。

 

ゲームは、仙台放送の脳トレーニング番組『川島隆太教授のテレビいきいき脳体操』での実証ノウハウが活かされて誕生した(特許6284171号)。

 

今回は、このゲームをスマホ版アプリとして仕立て直して提供する。収録ゲーム種は、6種類(運転技能ゲーム3種類、脳トレゲーム3種類)。利用対象は、あいおいニッセイの「タフ・つながるクルマの保険」「タフ・見守るクルマの保険プラス」の契約者だ。

 

 我が国に於いて、かつて平成初期に10%程度だった65歳以上の人口割合は、2020年には約30%に達する見込みで、著しいスピードで高齢化が進んでいる。

 

また近年の悲惨な事故を受けて、高齢ドライバーの免許返納が社会的に迫られる一方、特に公共交通機関も限られる仙台以北の東北地方では、生活維持のためにも免許証を手放すことができない高齢者ドライバーは数多く存在する。

 

 そこで仙台放送と東北大学は、このような社会課題を踏まえて、こうしたトレーニングコンテンツを対象とするドライバー層へ提供していくことで運転能力や認知機能の低下を抑制。運転寿命の延伸に貢献していきたい構えだ。

 

また1月28日には、第一生命ホールディングス傘下のQOLead提供のスマートフォン向け健康応援アプリ「健康第一」のなかでも、来る4月を目途にアプリ提供を開始するとしている。

 

 

 一方、総務省によると年代別スマートフォンの利用率は、60代で50%以下、70代で20%以下、80代で10%以下と低いため、高齢者層で普及率が低いスマートフォンからのアプローチはリーチできる高齢者が限られるのではという懸念もある。

 

加えて高齢ドライバーは、高齢であるほど自分の運転に自信を持つ傾向も見て取れるという。そのような高齢ドライバーにいかにスマホアプリの利用を働き掛けるのか。また客観的に自己能力をどのように振り返って貰うのかなど、今後の行方に注視していきたいところだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。