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2021年4月15日【シェアエコ】

Luup、電動キックボードのシェアサービスを4月下旬から開始

松下次男

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 電動マイクロモビリティのシェアサービスを展開するループ(Luup、本社・東京都渋谷区)は4月15日、東京都内で記者会見を開き、電動キックボードのシェアサービスを4月下旬から開始すると発表した。岡井大輝社長兼CEO(最高経営責任者)は実証実験の形で実施しながらも「まずは100台からスタートし、順次、導入機体を増加する」と述べた。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

「新事業特例制度」による実証実験で東京の6区で実施

 

 サービスは「新事業特例制度」を用いた実証実験として実施。電動アシスト自転車のシェア事業「LUUP」に電動キックボードを導入する形でスタートさせる予定で、展開エリアは渋谷、新宿、品川、世田谷、港、目黒の東京都心部の6区を予定。

 

 

 東京展開ののち、電動アシスト自転車のシェアサービスを展開する大阪(キタ、ミナミの2エリア)への導入も計画する。サービス開始は実証計画認可後となる。
 岡井社長によると、今回の実証実験では道路交通法の区分が「小型特殊自動車」となり、ヘルメット着用が任意となるほか、車道に加え、自転車道の走行も認可予定という。

 

 一方で、最高時速が時速15キロメートルに制限され、これまで実証実験で展開してきたいわゆるバイク、原動付自転車(原付)の最高時速20キロメートルから低下する。
 この最高速度が減速になる点について、岡井社長は「電動アシスト自転車でも最高時速は24キロメートル。道路走行のなかで、この速度をどのように感じるか、少し懸念がある」とやや不安視する見方を示した。

 

シェア実証は「安全検証、ニーズ確認、正しいルールの訴求」が目的

 

ともあれバイク(原付)でない形でのサービス開始は国内初となる。
 また、今回の実証実験にあわせ、導入する機体スペックを大幅にアップデートした。タイヤのサイズを8インチから10インチに広くし、安定性を向上。ボード部も広くし、安定性の高い姿勢での走行を可能にした。

 

このほか、ボディーをより頑丈な構造に変更し、耐久性を向上。さらに、これまでで最も高性能のモーターを搭載し、坂道での走行性をより高めた。加えて、サスペンションの性能も向上させ、段差での衝撃性を大幅に緩和した。

 

 利用料金は、実証期間特別価格として電動自転車のシェアサービスと同じ初乗り100円(最初の10分)、それ以降1分当たり15円の設定となっている。
ただし、電動キックボードのシェアサービスを利用するには、乗車前に免許証の登録とテスト受講が必要だ。

 

 

 今回の電動キックボードのシェサービスの実証実験について、岡井社長は「安全性の検証、ニーズの確認、正しいルールの訴求」を目的に実施するという。
例えば、自転車道やヘルメット任意などの新しい走行条件で安全性を確認するほか、日本で電動キックボードのシェアサービスのニーズがあるかなど。

 

2023年までに全国展開へ、高齢者向けのマイクロモビリティも検討

 

 ルールの訴求については、「まだまだ日本では電動キックボードが十分に認識されておらず、違法走行や法律に順守していない電動キックボードも販売されている。このため、本実証実験を通じて正しいルールを普及、浸透させるのも重要だ」と述べた。

 

 今回の実証実験の期間は半年間。その後の展開について岡井社長は「実証実験は延長可能だ。ニーズが高ければ、本格的にビジネス展開へ移行する。もし、問題が生じるようであれば、撤退の検討もあるだろう。様々な可能性がある」と述べ、実証実験を通じて今後の方向性を探る考えを示した。

 

 岡井社長は今回の実証実験について「不特定多数の人に乗ってもらって、安全性を確認する機会」と位置付ける。これを踏まえて、引き続き電動キックボードに関連した規制の適正化を目指すとともに、ループは2023年までに短距離移動インフラの全国展開を目指すとした。岡井社長はマイクロモビリティ推進協議会会長も兼ねる。

 

 また、電動マイクロモビリティについて、電動キックボードはあくまでも「健常者用」の電動モビリティとし、今後、日本では「高齢者向けのマイクロモビリティも望まれる」との見解を示した。そこで同社が構想するユーザーの年齢に応じて椅子が起き上がる未来の電動マイクロモビリティのイメージも披露した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。