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2023年10月19日【イベント】

ステランティス、商用車領域での事業攻勢策を始動

坂上 賢治

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ステランティス N.V.は10月18日(オランダ・アムステルダム発)、傘下の6ブランド(シトロエン、フィアット・プロフェッショナル、オペル、プジョー、ラム、ボクソールの5種のバン、10種のピックアップトラック、及び1種の超小型モビリティからなる製品群を〝STELLANTIS Pro One(ステランティス プロ ワン)〟と銘打ち、来たる10月23日(欧州中央時)から、オンラインにて世界の商用車市場へ向けて事業攻勢に打って出ることを表明する。( 坂上 賢治 )

 

 

現在、同社傘下の〝Pro One〟系商用車事業は年間160万台を販売。これは実のところステランティスが売り上げる純収益の3分の1を占めており、この領域の販売拡大策は、来たる2030年までに商用車の純収益を2倍にすることを含む同社の「Dare Forward 2030(デア・フォワード2030)戦略計画目標(2022年3月1日発表)」の達成加速化に役立つとしている。

 

ちなみに「Dare Forward 2030」とは、2030年までに自社の炭素排出量を半減。世界の自社顧客に対して満足度首位という孤高の立ち位置を獲得するというもの。

 

これを昨年の3月の登壇時に語ったカルロスタバレスCEOは、2021年比で電気自動車(EV)の販売構成比を40%に。加えて50億ユーロのサービス事業収益を生み出すと宣言。自社に関わる全ステークホルダーに向けて、誰にも負けない高い価値創造を実現すると述べていた(以下映像)。

 

 

なお今回の10月23日の〝STELLANTIS Pro One〟の商用車群の公開では、第2世代のゼロエミッション・パワートレイン、独自の水素ソリューション、フル・コネクティビティの自動運転支援システムを備えた各ブランドの完全にリニューアルされた商用車ラインナップが披露される。

 

またこれらと並んで、北米向け車両としてRam ProMaster EV(ラムプロマスターEV)や2025年型の100%ピュア電動のRam 1500 REV、水素ソリューションを含む今後2年間で4台の電動ピックアップトラックの投入計画など、多様な電動バン&ピックアップに係る関連情報も併せて明らかにされる予定だ。

 

 

そうした商用車ラインナップの一斉披露についてステランティス商用車事業の部門責任者を務めるジャン・フィリップ・インパラート氏は、「目下、ステランティスは商用車販売で世界の自動車市場をリードしており、南米での商用車カテゴリ第1位、中東とアフリカで第2位、北米で第3位を誇り、市場シェア換算でもヨーロッパで31%、南米では28% を占めています。

 

また2021年時から完全電動バンのラインナップを揃える当社の傘下ブランドは、欧州以南の商用BEVジャンルでも、自他共に認めるリーダーであり、しかも水素と代替燃料パワーユニット技術でもパイオニア的存在です。

 

加えて我々は、世界に20,000を超える販売およびサービスのタッチポイントを持ち、サービスアドバイザーの手厚いサポート体制を介して、個々のお客様と親密なパートナーシップをご提供することが可能なのですから」と語った。

 

更に、これに続けてステランティス商用車事業部門の上級副社長のザビエル・プジョー氏は、「それゆえ当社は、来たる10月23日に自らの商用車群を一斉に披露、我々の世界的なリーダーシップを示すべくSTELLANTIS Pro Oneを立ち上げることにしました。

 

昨今、最新鋭の自動車が電動化していく流れにあるなか、ユーザーニーズはより複雑かつ多様になってきています。しかしそれでも当社は、ブランド毎の製品スペシャリストとコンテンツ アドバイザーを介して、お客様のニーズ細かく応え、各々のタスクに最適な車両、機器構成、サービスの選択を手厚く支援できます。

 

従って今後、最先端の繫がる機能を持ち、優れたコストパフォーマンス性能を備え、ビジネスパートナーシップ溢れるプロフェッショナル品質も兼ね備えた我々のSTELLANTIS Pro Oneをお選び下さったお客様は、当社製品の多機能さだけでなく、個々のクルマから提供されるステランティスならではの独自サービスからも、クルマを持つことの恩恵を感じ取って頂けるものと思います。

 

加えて、来たる10月23日に新たに打ち出すPro One戦略では、ステランティスが持つサーキュラー・エコノミー分野に長けた専門スタッフが、お客様のビジネスに沿った車両改良プログラムも試験的に導入していく予定です。これにより、手頃な価格で内燃機関車のフリート寿命を延ばすこともできるでしょう。

 

というのは私たちの使命は、世界中の顧客に寄り添い、それぞれのお客様のビジネスの繁栄に役立つ製品とサービスを、誰よりも神速に手厚く提供し続けることにあるからです」と結んだ。

 

なおオンライン発表では、先の商用車事業の部門責任者のジャン・フィリップ・インパラート氏と、商用車事業部門・上級副社長のザビエル・プジョー氏。加えてシトロエン、フィアット、オペル、プジョー、ラム、ボクソールの各ブランドのCEOらが主要製品の発表に参加する予定だ。

 

 

Stellantis Commercial Vehicles Ambition Day( ライブ配信開始10月23日22時 )

 

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。