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2020年2月5日【トピックス】

SUBARU、2020年3月期第3四半期決算会見

間宮 潔

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スバルの2020年3月期第3四半期決算は増収増益、通期業績は据え置き

 

 SUBARU(スバル)は2月5日、東京・芝大門のくるまプラザで2020年3月期第3四半期(2019年4~12月累計)連結決算の説明会を開いた。連結売上高は前年同期比3.9%増の2兆4846億円、営業利益で同1.9%減の1527億円、当期純利益で同5.4%減の1117億円と「増収減益」の決算とした。
スバル第3四半期の完成車販売累計は、前年同期比0.4%増の77万1000台となった。(佃モビリティ総研・間宮潔)

 

スバル決算説明会全景

 

 国内販売は「インプレッサ」の販売減が影響し、同9.1%減の9万4700台と低迷したのに対して、同社最大の市場である米国で同4.9%増の52万台と堅調に伸ばした。「レガシィ」「アウトバック」が新旧モデル切り替えで減少したに対して、「フォレスター」や昨年夏投入の「アセント」が好調な販売を見せ、上振れした。海外販売全体でも前年同期比1.9%増の67万6300台となり、カナダ、豪州、欧州で微減となったが、米国の販売が下支えた。ロシア、中国向けは微増だった。

 

国内、米国を含めた生産台数は、前年同期比2.5%減の76万400台となった。国内生産は昨年10月の台風19号の影響で一定期間、操業を停止したものの、「フォレスター」の増産で同0.3%増の49万2800台と堅調に推移。
一方、米国生産はアセントの生産が寄与したが、レガシィ、アウトバックのモデル切り替えが影響し、同1.3%減の26万7600台と微減した。

 

 営業利益の増減要因について、今期から会計基準を国際財務報告基準(IFRS)に適用したことによる会計基準差で20億円増、売り上げ構成差などで233億円、研究開発費などで186億円の増益とした。研究開発費は従来基準で8.8%増の849億円としたが、IFRS上の研究開発費が減少した。

 

決算説明するスバル幹部

 

また為替レート差で193億円の減益、製造固定費や販売管理費およびクレーム費の増加で125億円の減益となった。パラジウム、ロジウムなど貴金属の高騰などで原価低減が進まず111億円の減益とした。

 

 なお米国販売について、岡田稔明取締役専務執行役員CFOは「全面改良前のレガシィ、アウトバックの販売が好調に進み、費用を大幅に抑制することができた」と指摘した。
前年同期と比べ、台当たり700ドル減の1500ドルとなり、販売奨励金総枠が303億円となった。
設備投資額は前年同期比11.2%増の955億円(リース負債を除く)、減価償却費も同4.7%増の707億円とした。有利子負債は1752億円で、前年同期に比べ3.2倍に拡大した。

 

 通期の業績予想は、前回発表値(昨年11月6日)に対して営業利益、当期利益を据え置いたが、連結売上高は前回発表に比べ500億円上積んだ。前期実績をIFAS基準に置き換えると、売上高は前期比6.5%増の3兆3600億円。営業利益は同21.1%増の2200億円、当期利益は同15.3%増の1630億円とした。

 

岡田稔明取締役専務執行役員

 

通期での完成車販売台数は前期比4%増の104万1300台とした。前回発表値105万8300台より1万6900台圧縮した。生産計画も前回発表より下げた。米国生産は同2.6%増の38万1800台で前回発表に対して部品調達面での減少を織り込んだ。国内生産は同8.1%増の66万7000台とした。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。