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2021年9月11日【新型車】

SUBARU、パフォーマンスカーの新型「WRX」を世界初公開

坂上 賢治

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 スバルは米国時間の9月10日、同国仕様の新型「WRX」を世界初公開した。なおスバルによると米国仕様の新型WRXは、2022年に米国内に於いて販売開始予定としている。

 

 

WRXは、スバル得意のシンメトリカルAWDシステムに、パワフルなパワーユニットを組み合わせた同社の旗艦モデル。WRXの初代登場は1992年。インプレッサWRXとして誕生以降(米国内への初導入は2001年から)、4世代に渡って一般ドライバーの普段使いに応えられる実用性を持つセダン型スポーツ車として永年スバルファンの支持を得てきた。

 

 今回、車体骨格はWRXシリーズとしては初のスバルグローバルプラットフォームを取り入れたフルインナーフレーム構造に。これに対して補強を加えて高剛性化させた。フロントノーズ下に2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載。新たに改変された動力・駆動系制御ソフトウェア(スバル・パフォーマンス・トランスミッションなど)を組み合わせて、走行中の変速時や加速時の即応性を高めたとしている。

 

 

併せてこのボディシェルとパワーユニットに呼応させるべくサスペンション・ジオメトリも最適化。従来型に比較して実用域のストローク長を伸ばして接地性や安定感を高めるようにしたという。

 

また操舵時のダイレクト感についても再検討され、モーターによるアシスト軸とドライバーのステアリング操作軸を、あえて別軸とした2ピニオン方式の電動パワーステアリングを採用。この結果、滑らかで応答遅れのないスポーティなステアリングフィールと回頭性の高さを実現しているとスバルでは謳っている。

 

 

 エクステリア面で、まずフロントはヘキサゴングリルをベースに立体的で彫りの深い造形とし、ワイド&ローを強調したフロントバンパーのデザインやフェンダー造形、さらにフロントフェンダー後部とリヤバンパー後部にはエアアウトレットを設ける事でドライバーに対して、走りへの期待感を醸成させる演出を施した。

 

 一方、インテリア面では黒基調にレッドステッチを配し、一部のグレードにはRECAROと共同開発した新デザインのシートをセットする事でスポーツドライビング時の体格保持性能を高めた。そのシートに着座した前面のインストルメントパネル中央には、高精細の大型センターインフォメーションディスプレイを配置した。

 

 

加えて前後席のいずれもショルダールーム空間を拡大させてゆとりある室内の拡がり感を訴求。また実際に拡大させたホイールベース長(105.2インチ)に沿って後席空間も拡張させている。気になるトランクスペースは、従来型と同様として日常の使い勝手も確保・維持している。ボディのリアルサイズは、全長183.8インチ・全幅71.9インチ・全高57.8インチだ。

 

 最後に走行安全では、ステレオカメラで捉える映像画角を拡大した新世代アイサイトを〝スバル・パフォーマンス・トランスミッション〟搭載車に標準搭載。これに電動ブレーキブースターを組み合わせる事で、プリクラッシュブレーキの作動領域が拡大。この結果、交差点などでの衝突回避能力が向上したという。

 

 

最後に新型WRX(米国仕様/18インチアルミホイール装着)の主な諸元(開発目標値)は以下の通り

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。