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2021年8月27日【新型車】

スズキ、新型「ワゴンRスマイル」のオンライン発表会を実施

松下次男

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高いドライビング着座と両側スライドドアを備えたクルマ

 

 スズキは8月27日、軽乗用車の新型「ワゴンRスマイル」を9月10日から発売すると発表した。広い室内区間と両側スライドドアの利便性を兼ね備えた新ジャンルの軽ワゴンと位置付ける。月間販売目標は5000台。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

 

ワゴンRの名を借り、一から開発した新モデルと表明

 

 オンラインで開いた新車発表会で鈴木俊宏社長は「乗降のし易さと大きな荷物を出し入れできる両側スライドドアの採用により、機能性を高めたのが最大の特徴」と強調すると共に、コロナ禍の影響が色濃い環境下で、「こんな時こそ笑顔を大切にしたい。お使い頂くお客様を笑顔にしたい」と車名に込めた思いを披露した。

 

 

 そんな新型車は、ワゴンRの車名を用いているが派生車の位置づけでなく「一から開発した」(高橋正志チーフエンジニア)と新モデルとの見方を示す。背景にあるのが「ワゴンの大きさで、スライドドアを求める」ユーザーの声が多かったためだ。

 

 今や軽乗用車市場では今やスライドドアの採用車比率が半数を超える。このような中、スズキは5割に満たず、スーパーハイトワゴンのスペーシアなどに続き、今回のワゴンRスマイルを投入することで、販売上乗せを目指す。

 

高いドライビング着座と両側スライドドアを備えたクルマ

 

 スズキはこの4~7月の新車販売で軽自動車が前年同期比13・4%増、登録車が同8・9%増の合計12・7%増を達成した。

 

しかし、コロナウイルス感染症の再拡大や半導体不足など影響を受け、7月単月では「前年の7割の水準に留まる」(鈴木敏明取締役専務役員)。コロナ前の2019年4~7月との比較では15・6%減と依然、以前の水準には戻っていない。

 

 

 このため、ユーザーの望むスライドドア採用車を充実する事で、拡販、シェアアップに繋げたい考え。懸念の半導体不足に伴う車両供給面については「部品調達にめどがついたことから新型車の販売に踏み切る事にした」と述べ、販売目標台数分は確保出来ているとの見通しを示す。これによりユーザーに「迷惑をかけないよう取り組んでいく」と述べた。

 

 新型車はワゴンRの特長である広い室内空間と高い機能性に加え、スライドドアの利便性、個性的なデザインを兼ね備えたモデルに位置付ける。目標とするユーザーターゲット層は「幅広い世代へ提案していきたい」とした。

 

 デザインは、私らしく乗れるスライドドアワゴン「マイスタイル、マイワゴン」をコンセプトに、四角いボディーフォルムと丸目のヘッドランプなどを採用することにより「シンプルで愛着のわくデザイン」に仕上げたのが特徴となっている。

 

 

月間販売目標は5000、半導体不足による供給懸念にも対応

 

 パッケージングは、取り回し、使い勝手の良さに加え、ヘッドクリアランスを確保しつつ、前席のシートポジションをワゴンRより高めることで見晴らしの良さとゆとりある室内空間を両立。
後席には乗り降りがしやすいと定評があるスペーシアと同等の600ミリメートルの開口幅と345ミリメートルのリヤステップ地上高のスライドドアを採用した。

 

安全面では、デュアルカメラブレーキサポートを搭載した「スズキ・セーフティ・サポート」を全車に標準装備。全方位モニター用カメラ装着車には、狭路でのすれ違い時の接触防止をサポートするすれ違い支援機能をスズキ初採用した。

 

 

また、運転に必要な情報をカラー表示するヘッドアップディスプレイ、車両情報をカラー表示するマルチインフォメーションディスプレイ、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)、標識認識機能などをオプション設定した。

 

 パワートレインはR06D型エンジンおよびマイルドハイブリッドを採用。燃費はマイルドハイブリッドモデル(2WD)で1リットル当たり25・1キロメート(WLTC走行モード)だ。
車両価格(消費税込み)は129万6900円~171万6000円。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。