NEXT MOBILITY

MENU

2019年1月2日【エネルギー】

テスラ、米国販売で高成績。値下げで更なる拡販を狙う

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

 米・テスラ社(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、CEO:イーロン・マスク)は米国時間の1月2日、自動車業界で注目を集めていた新型セダン「モデル3」の第4四半期に於ける車両販売・納入実績を発表した。(坂上 賢治)

 

これは同社が「2018年の第4四半期(10~12月期)」と、「2018通年の世界新車販売(納車)台数」を発表したことにより判明したもの。それによると第4四半期間中の納入実績は1550台であり、テスラは予てより量産計画で遅れを出していた生産上の課題を次第に克服しつつあるようだ。

 

 昨年1年間を通した数値では計24万5240台の車両を納入。個々車両別ではモデル3が14万5846台。モデルSとXが9万9394台となり、特にモデル3は中価格以上の製品で現金/ローン取引、かつ北米の顧客限定と販売対象が極めて狭く限られていたものの、総受注数の4分の3以上は新規顧客からの申込みであったという。

 

 

結果2018年第4四半期の世界販売(納車)台数は、9万700台で、これは前年同期比で3倍の伸び率となり、第3四半期から8%の累積増を達成。

この数値には6万3150台を売り上げたモデル3(第3四半期比13%の成長でシリーズ最量販車に)、1万3500台(前年同期比は11.2%減)を売り上げたモデルS、及び1万4050台(前年同期比7.1%増)を売り上げたモデルXが含まれる。

 

 なお現、第4四半期段階で1010台のモデル3と、1897台のモデルS及びXが個々の顧客に向けて輸送中となっており、2019年第1四半期初頭には全ての納入が完了する予定。

テスラはモデル3の生産台数が週間5000台に到達する時期について永らく先延ばしにしてきたが、1日あたり約1000台の車両生産については遂に達成した。

 

 

 ちなみに米国内販売台数でテスラは、第3四半期の段階でメルセデス・ベンツ超えを実現していたが、当地の調査会社Atherton Researchによると、第4四半期にはBMWを上回る可能性が高まっている。仮にこれが実現した場合、米国産のプレミアム車両が十数年ぶりに米国内首位の座に着くことになる。

 

このためテスラは、販価の戦略化で拡販のチャンスがあるとし、1月2日以降に米国内でモデルSやモデルX、モデル3の販売価格を2000ドル分引き下げると宣言した。これによりテスラは、これまでのEV購入に関する税優遇措置(連邦EV税額控除)の縮小を補う構えだ。

同税優遇措置とは、米政府のエコカー普及促進の税控除制度でテスラ車が得てきた優遇措置を指す。控除額は2018年6月迄は3750ドル。7月からは1875ドルの控除額となっていた。

 

なお今後モデル3は、2019年2月に中国内での車販開始を想定している。さらに1月7日には上海東部でテスラ組立工場の起工式を実施。イーロン・マスクCEOは、早ければ年末までにモデル3の現地生産を開始したいとの意向を語っている。その他、右ハンドル車を含む他市場への販路拡大は2019年の後半を予定している。

 

 

 テスラでは「2018年の業績は、米国自動車史に於いて最大の成長を実現した1年間でした。今年私たちは、年間12万台レベルの数値で歩み始め、年末に年間約35万台以上と約3倍の増加を果たしました。

当社は持続可能なエネルギー利用の世界に対して、目に見える影響を与え始めています。また2018年は米国車のモデル3 が米国内で最も売れている高級車となった1年でした。

私たちは、この目標達成にご貢献頂いたお客様、サプライヤー、投資家。そして特に私たちの従業員に感謝したいと思います」と結んでいる。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。