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2022年4月1日【イベント】

トヨタ、米西海岸で「GRカローラ」を世界初披露

坂上 賢治

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トヨタ自動車傘下のTOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は米国西部時間の3月31日、カリフォルニア州ロングビーチで行われる〝フォーミュラドリフト第1戦〟の開幕前日に、「GRカローラ」を世界初披露した。同車の日本国内での発売予定は2022年後半となる見込み。

 

ちなみにフォーミュラドリフトは、米国各地を転戦する市販車ベース車両で競われるドリフトシリーズ。日本国内に於けるD1グランプリにあたるもの。今季2022年シリーズへトヨタは、GRカローラ(1台)、GR86(2台)、GRスープラ(1台)の出走を予定している。

 

トヨタでは「カローラはWRC初優勝を飾ったTE25カローラや、その後1000湖ラリーを制したカローラ・レビンなどを踏まえ、今後、未来に向けてモータースポーツを起点とした〝もっといいクルマづくり〟の礎を築くべースモデルとなるべき車両を目指した。

 

 

そこで今回、〝お客様を虜にするカローラを取り戻したい〟とするモリゾウことトヨタの豊田章男社長の思いから開発に着手した」と述べている。

 

 

より具体的には、水素エンジンカローラによるスーパー耐久シリーズ参戦を通じて、車両を徹底的に鍛え上げたと言う。そんな同車にはGRヤリスに搭載されていた1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンの最高出力を224kW(305ps)に拡大。

 

 

同じく車体もカローラスポーツのボディを基本骨格としつつも、GRヤリスに搭載したスポーツ4WDシステムGR-FOURを最適化させて搭載。更にフロントを60mm、リヤを85mmワイドトレッド化(フロントフェンダーを片側20mm、リヤフェンダーを片側30mm拡大)する事で高い旋回性能を実現させた。

 

 

併せてボディ剛性も強化。車両を元町工場GRファクトリーで生産する事により、車体制度を高めて操縦安定性能を向上させている。またGRヤリスと同様に形状自由度の高いSMC(シートモールディングコンパウンド工法)で成形されたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)素材のルーフパネルを取り入れる事で高剛性化と軽量化についても両立させたとしている。

 

 

GRカローラ(北米仕様)の主な諸元(開発目標値)は以下の通り

 

– 全長 (mm) :4,410
– 全幅 (mm) :1,850
– 全高 (mm) :1,480(アンテナを含む数値。ルーフ高は1,455)
– ホイールベース (mm): 2,640
– トレッド前 (mm) :1,590
– トレッド後 (mm) :1,620
– 乗車定員 :5
– 車両重量 (kg): 1,475

 

– エンジンシステム :1.6L直列3気筒インタークーラーターボ
– エンジン型式 :G16E-GTS
– エンジン内径×行程 (mm): 87.5×89.7
– エンジン総排気量 (L) :1.618
– エンジン圧縮比 :10.5
– エンジン最高出力 (kW[PS]/rpm): 224[304]/6,500
– エンジン最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm): 370[37.7]/3,000~5,550

 

– トランスミッション: iMT(6速マニュアルトランスミッション)
– 駆動方式 :スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”
– 変速機:電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式)
– 変速比:1/2/3/4/5/6/後退
 3.538/2.238/1.535/1.162/1.081/0.902/3.831
– 減速比:1~4/5、6、後退
 4.058/3.45
– 差動装置フロント :トルセンLSD
– 差動装置リヤ :トルセンLSD

 

– サスペンション:フロント マクファーソンストラット式
– サスペンション:リヤ ダブルウィッシュボーン式
– ブレーキフロント:ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向4ポットキャリパー)
– ブレーキリヤ:ベンチレーテッドディスク(16インチアルミ対向2ポットキャリパー)
– ホイール: 18インチ グロスブラック15スポークキャストアルミホイール
– タイヤ(フロント・リヤ): 235/40R18 Michelin Pilot Sport 4
– 燃料タンク容量 (L): 50

 

GRカローラ関連情報

 

ロングビーチに於ける当日の披露映像

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。