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2023年9月6日【新型車】

トヨタ、新提案を込めたセンチュリーを追加

坂上 賢治

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トヨタ自動車は9月6日、センチュリーに新モデルを追加・発表した。同日より注文受付を開始。発売は2023年中を予定している。併せて既存のセンチュリー(セダン)も継続販売する。

 

 

センチュリーは、世界と肩を並べるトヨタの最上級ショーファーカーとして1967年に誕生。日本の伝統的な美を取り込んだスタイリングと高い静粛・快適性を目指して開発されてきた。

 

そうした中でトヨタの開発チームは、これからの「高品位な移動時間の創造、車内での休憩、オンライン会議への参加」などの新たなシーンを加味した最上級ショーファーカーとしての〝おもてなし〟の実現を〝Freedom in motion -究極の移動の自由-〟として見立て、今回、セダンとは異なる新たなセンチュリーを提案したという。

 

 

その車両の詳細は以下の通り。
1.〝威風凛然〟をテーマに日本の美意識を随所にちりばめた品格のある佇まい
– 水平・垂直を基調とした、堂々とした品格のあるボディデザイン

 

  • リヤに重心のあるショーファーカーならではのプロポーションと、よどみなく大らかなドア平面を几帳面(平安時代の屏障具の柱にあしらわれた面処理の技法)でくくった織機の「杼(ひ)」をモチーフとした造形を組み合わせ、時代に左右されないセンチュリー独自の世界観を表現。

 

 

– 職人による精緻な彫刻が施された「鳳凰エンブレム」や、塗装面を徹底的に磨き上げボディに圧倒的な光沢をもたらす「鏡面磨き」など、ものづくりを極めた“匠”の手による細部にわたる仕上げ。

 

 

– 奥行きのある4つのランプで、威厳に満ちた眼差しを感じさせるヘッドランプ/テールランプ

 

 

2.「人中心」の思想で設計された、快適な移動時間を実現する室内空間
– さまざまなシーンでご活用いただける、広さ・機能を兼ね備えた快適な室内空間を提供

 

  • リフレッシュ機能など、後席の乗員が心から寛げる機能を備えたフルリクライニング可能なリヤシートを採用。

 

  • 長年楽器づくりに携わってきた匠の研ぎ澄まされた音の感性、卓越した技術をオーディオ開発に注入。生演奏を彷彿させる心地よいリスニング空間を実現。

 

  • 最大75°まで開くリヤドアと、掃き出しフロアで、優れた乗降性を実現。また乗降時に便利なオート電動格納式ステップやセンターピラーに取り付けられた握りやすい大型アシストグリップで、後席への自然で美しい乗降所作をサポート。

 

  • プロドライバーの方をサポートする機能と装備を集約し、使い勝手を高めたコックピット。オーナー自身で運転する際にも、ドライブに集中できる環境を実現。

 

 

3.ショーファーカーとしても、ドライバーズカーとしても、期待を超える走りを実現するパワートレーン・走行制御
– センチュリーに相応しい静粛性と、力強く爽快な走りを両立した、V6 3.5L プラグインハイブリッドシステムを新開発。

 

  • 日常はBEV、長距離の移動やいざという時にはHEVとして活躍する、ショーファーカーのニーズに最適なパワートレーンとして採用。

 

  • モーターとエンジンによる力強く爽快な加速性能を備え、ショーファーカーだけでなく、時にはドライバーズカーとしてドライブも愉しめる走行性能を確保。

– 四輪操舵システム「ダイナミックリヤステアリング」を設定。低速域では取り回しの良さ、中高速域ではシームレスかつ自然なハンドリング実現。

 

– ドライバーの運転操作をサポートし、後席の快適な移動を実現する「REAR COMFORT」モードを初設定。スムーズな車線変更を実現する他、停車時の揺り戻しを抑えるブレーキ制御を支援。

 

 

4.ショーファーカーにふさわしい走りを支えるボディ構造・足回り
– センチュリーにふさわしい乗り心地の実現を目指し、「ラゲージルームセパレート構造」を新開発

 

  • フロント各部の構造強化に加え、リヤサスペンション取り付け部に「ラゲージルームセパレーター骨格」を結合することで、ボディねじり剛性や乗り心地を大幅に向上。

 

  • ラゲージルームセパレーターの室内側には「遮音機能付クリア合わせガラス」を採用し、ショーファーカーにふさわしい、荷室とは切り離されたプライベート空間と圧倒的な静粛性を実現。

 

車両諸元
センチュリー/【参考】センチュリー(セダン)
全長:5,205mm/5,335mm
全幅:1,990mm/1,930mm
全高:1,805mm/1,505mm
ホイールベース:2,950mm/3,090mm
前後席間距離:1,220mm/1,135mm
車両重量:2,570kg/2,370kg
定員:4名/5名

 

 

車両の仕様とメーカー希望小売価格
– パワートレーン:シリーズパラレルプラグインハイブリッドシステム(2GR-FXS 3.5L V型6気筒エンジン)
– トランスミッション:電気式無段変速機
– 駆動:E-Four Advanced
– 価格(単位 : 円):25,000,000(消費税込み)
* 沖縄のみ価格が異なる。価格にはリサイクル料金およびオプション費用は含まれない。

 

 

販売概要
センチュリーを熟知したセールス・エンジニアの各「センチュリーマイスター」が在籍する一部のトヨタ車両販売店を通じて順次対応。購入では販売店の担当マイスターが一人ひとりの顧客希望に合った車両を提案。

 

匠の技による7色のボディカラー(オプション含む)と3色の内装カラーを準備。併せてカスタマイズを可能とし、技術の粋を込めた世界で一台のセンチュリーを作り上げるプランを用意。

 

従ってドア形状もスライド式とスイング式を選べる他、世界市場に向けて仕向地の嗜好を汲んだ内装・外装パーツ、車体の色など、ありとあらゆる仕様変更に対応する構え。車輌製造は田原工場(愛知県田原市)。

 

ちなみに既にこのような受注スタイルは、諸外国のプレステージブランドではあたりまえの事であり、センチュリーとしても、昨今の流行を取り入れたスタイリングを追加することで、これを期にビジネススタイルの切り替えを図っていく構えとみられる。

 

セダンの価格・グレードなどの仕様:https://toyota.jp/century/grade/

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。