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2020年11月19日【イベント】

RJCカーオブザイヤーはトヨタ「ヤリス/ヤリスクロス」が受賞

坂上 賢治

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 特定非営利活動法人(NPO)「日本自動車研究者・ジャーナリスト会議(RJC)」は11月17日、「第30回(2021年次)RJCカーオブザイヤー」の結果を同法人の公式Webサイト上で公表した。その内容を見るとトヨタ自動車のヤリス/ヤリス クロスがRJCカーオブザイヤー(国産車)を受賞している。(坂上 賢治)

 

 

栄冠獲得にあたっての流れは、トヨタのヤリス/ヤリスクロスとスズキのハスラーが接戦となったのだが、最終的にはヤリスが6点差で栄えあるカーオブザイヤーを獲得。3位に日産のキックス、4位にホンダの万能コンパクトカー・フィット、5位にスバルのレヴォーグ、6位にロッキー(ダイハツ)/ライズ(トヨタ)が収まった。

 

 

 ヤリスは昨年まで永らく〝ヴィッツ〟として日本の自動車ユーザーに親しまれてきたが、今年2月に刷新されて新型ヤリスとして装いも新たに新登場。

充実した運転支援技術が盛り込まれたことやこれまでトヨタ製コンパクトカーの範疇から頭ひとつ抜きん出たステアリングフィールなどの確かな操作性、低燃費性能などが評価されての受賞となった。

 

なお同じ年の8月31日には、同一プラットフォームを持つ派生車種として、昨今流行のSUVスタイルのヤリスクロスを追加投入。その結果、この秋までの車名別新車販売台数ランキングで9、10月の2か月連続で総合首位の記録を積み上げるなど、コロナ禍ので経済環境が低迷する中で販売面でも健闘した。

 

 ちなみにRJCカーオブザイヤーは今年で記念すべき節目の30回目を迎えている。しかし実は、トヨタ車のRJCカーオブザイヤーの受賞は第7回のプリウス以来なんと23年振りのこと。さらに過去のRJCの受賞歴をつぶさに遡ってみると第3回にクラウンロイヤル/マジェスタがイヤーカーとしての栄冠を獲得していることが判る。

逆に言うとトヨタ自動車の受賞歴は、通算30回分の受賞車達が連なる中で僅か3度のみという実績となっている。

 

 

 またRJCインポート・カーオブザイヤーは、他のイヤーカーイベントでも前評判が高かったBMW2シリーズグランクーペが順当に選ばれ、最優秀の技術賞典であるRJCテクノロジーオブザイヤーには日産自動車の「e-POWER」が選ばれた。

 

 

主な獲得点数とランキング結果は以下の通りとなる。なおRJCカーオブザイヤー(国産車)のランキング獲得の流れは記事冒頭に記述した通りだ。

 

RJCカーオブザイヤー(国産車)

1位(152点):ヤリス/ヤリス クロス(トヨタ自動車)
2位(146点):ハスラー(スズキ)
3位(117点):キックス(日産自動車)
4位(111点):フィット(本田技研工業)
5位( 74点):レヴォーグ(SUBARU)
6位( 72点):ロッキー/ライズ(ダイハツ工業/トヨタ自動車)
7位( 67点):ルークス/eKスペース(日産自動車/三菱自動車工業)
8位( 53点):MX-30(マツダ)
9位( 51点):タフト(ダイハツ工業)
10位(49点):Honda e(本田技研工業)
11位(16点):ハリアー(トヨタ自動車)
12位( 9点):グランエース(トヨタ自動車)
13位( 7点):アコード(本田技研工業)

 

RJCインポート・カーオブザイヤー

RJCインポート・カーオブザイヤーは、BMW2シリーズ グランクーペが獲得。2位にアウディA1スポーツバック、3位にアウディe-トロン スポーツバックが入った。

 

1位(179点):BMW「2シリーズ グランクーペ」(ビー・エム・ダブリュー)
2位( 97点):アウディ「A1スポーツバック」(アウディジャパン)
3位( 94点):アウディ「e-トロン スポーツバック」(アウディジャパン)
4位( 90点):ボルボ「S60」(ボルボ・カー・ジャパン)
5位( 78点):(同点5位)VW「Tクロス」(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
5位( 78点):(同点5位)ルノー「ルーテシア」(ルノージャパン)
7位( 77点):プジョー「208/e-208」(グループPSAジャパン)
8位( 56点):VW「Tロック」(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
9位( 46点):BMW「X6」(ビー・エム・ダブリュー)
10位(41点):ランドローバー「ディフェンダー」(ジャガー・ランドローバー・ジャパン)
11位(38点):プジョー「SUV 2008/SUV e-2008」(グループPSAジャパン)
12位(20点):アウディ「Q3/Q3 スポーツバック」(アウディジャパン)
13位( 9点):キャデラック「XT6」(ゼネラルモーターズ・ジャパン)

 

RJCテクノロジーオブザイヤー(技術)

RJCテクノロジーオブザイヤー(技術)では、日産「キックス」に搭載された「e-POWER」が獲得。2位にスバルレヴォーグの新世代アイサイト/アイサイトX、3位にマツダCX-30/MAZDA3のSKYACTIV X 2.0エンジンが入った。

 

1位(140点):e-POWER(日産 キックス)
2位(132点):新世代アイサイト/アイサイトX(スバル レヴォーグ)
3位( 99点):SKYACTIV X 2.0 エンジン(マツダ CX-30/MAZDA 3)
4位( 87点):世界初極細ピラーによる爽快視界技術(ホンダ フィット)
5位( 78点):新開発 CVT(スズキ ハスラー)
6位( 76点):TNGA プラットフォーム(GA-B)(トヨタ ヤリス/ヤリスクロス)
7位( 60点):(同点7位)ワイドビジョンインストルメントパネル(ホンダ Honda e)
7位( 60点):(同点7位)高度駐車支援システム(トヨタ ヤリス/ヤリスクロス)
9位( 48点):新開発1.8L 直噴ターボエンジン(スバル レヴォーグ)
10位(47点):e-SKYACTIV G エンジン(マツダ MX-30)
11位(34点):35TFSI エンジン(アウディ A1スポーツバック)
12位(32点):CMF-B プラットフォーム(ルノー ルーテシア)
13位(31点):高精彩映像を実現したインテリジェントルームミラー(日産 キックス)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。