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2023年8月9日【新型車】

米ルーシッド、エア サファイアの欧州向け受注を開始

坂上 賢治

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米・Lucid Group , Inc.傘下のルーシッドモータース(Lucid Motors)は8月8日(カリフォルニア州ニューアーク時)、シリーズ高品位モデルのルーシッド エア サファイア(Lucid Air Sapphire)の欧州市場向け車両の受注予約を開始した。( 坂上 賢治 )

 

車両生産はアリゾナ州カサ・グランデにあるLucidの工場にで9月から開始され、順次車両納入の手続きに入る予定だ。 

 

 

同車は、米国内に於いて2023年の世界高級車賞を受賞したルーシッドエア(Lucid Air)に特別装備を盛り込んだルーシッド エア サファイアの最終生産仕様。

 

車両プラットフォーム上に3つのモーター(後輪左右と前輪中央の3モーター)、4つの運転モード、カーボンセラミックディスクブレーキ、走行時のリフトを防ぎ、ダウンフォース性能を高めるための専用の空力パッケージ、スポーツシート、走行環境を選ばないサスペンションシステム、専用ホイールに装置訳したミシュランパイロットスポーツ4Sなどを備える。

 

 

車両性能は、最高出力1,234馬力・最大トルク1,430lb-ftのピークパワーを背景に時速0~90マイル1.89秒、時速0~100マイル3.84秒、0~400マイル8.95 秒(400マイル時点の到達速度は時速158マイル)、最高速度は205マイルに到達する。搭載蓄電池は1回の充電で推定航続距離427 マイルを実現。走行時の効率性も3.61マイル/kWhをマークする。

 

なおルーシッド エア サファイアは、スムース、スウィフト、サファイア、トラックの4つのドライブモードを搭載。いずれも様々な路面状況や走行スタイルに合わせて最適化。環境毎にサスペンション、ステアリング、ブレーキ、トルクベクタリング、ピークパワーとトルク特性を変化させて車両姿勢をバランシングさせる。

 

 

キャビンは、インテリア テーマとしてサファイア モハベ(Sapphire Mojave)を掲げてサファイア専用に設計された室内環境に仕立て上げられた。特にサファイア専用に設計されたスポーツシートは、単体によるヒーター+冷却温度の調整、マッサージ機能も加えられた。

 

この新たな欧州向け車両についてルーシッドグループのピーター・ローリンソン(Peter Rawlinson)CEO 兼 CTOは、「エア サファイヤに投入した独自のテクノロジーにより、過去最高水準のパフォーマンスカーが誕生しました。

 

このクルマで、私たちは再び高級電気自動車に求められる基準を引き上げ、競合他社が成し得ない史上最高峰のハイエンドEVを生み出しました。航続距離もEPA水準に於いて1回の充電で427マイルの走行距離を達成しています(Lucid Air Grand Touringの公式EPAに係る航続距離の場合は516マイル)。

 

そんなサファイアの価格は、米国本土での税金、所有権、登録料、その他の費用を除く車両単独で249,000ドルとなります。北米以外の市場に係る詳細情報は追ってお知らしていきます」と述べた。

 

 

また一方で同社でデザイン&ブランド担当シニアバイスプレジデントを務めるデレク・ジェンキンス氏は、「Lucid Air Sapphireは、当社の妥協を許さないテクノロジーを投入した時に、私たちのチームがどのような製品パッケージを送り出すかを示す実現例を表しています。

 

ルーシッド エア サファイアのデザインは、クルマづくりに拘る当社の技術哲学を体現したものです。それは並外れたパフォーマンスを発揮しつつも、運転自体が心から愉しめる車両を作るという当社の献身的な取り組みの証となっています。

 

例えば走行モードの選択でスムーズ モードは、快適かつ気負わない運転感覚をご提供します。そこからスイフトモードに変えると、快適性を維持しつつもスポーティかつエッジが効いた運転感覚をご提供するようになります。

 

次のサファイア モードでは、ステアリング操舵のみならず動力特性に於いても、胸の空く爽快なドライビング エクスペリエンスをご提供します。加えてレーストラックでの使用を想定したトラック モードでは、更なる3つの追加サブモードをご用意しており、パワートレインやバッテリーチューニングをより研ぎ澄ませて、クローズドコースでの戦闘力を極限まで高めるパフォーマンスを演じるようになります」と話している。

 

エア サファイアの標準装備には以下が含まれる

– フロントのシングルモーターユニットと連動するツインリアドライブユニット。
– フロントとリアのスプリング、ブッシュ、アンチロールバー、ステアリングソフトウェアを再調整。
– 独自のアダプティブ ダンパー コントロール ソフトウェアとABS、スタビリティ コントロール、ブレーキ ブースター、電子パワー ステアリング (EPS) のチューニング。
– 自社開発のトルクベクタリング制御アルゴリズムとトラクションコントロール。
– フロントとリアのサスペンションジオメトリを見直してステアリングレスポンスを向上。
– 新カーボンセラミックブレーキは、フロント420mmローターと10ピストンキャリパー、リア390mm ローターと4ピストン キャリパー。
– フロント直径20インチ、リア直径21インチの特注ホイールに専用コンパウンドを使用したミシュランパイロットスポーツ4Sタイヤの組み合せ。
– 取り外し可能なカーボンファイバーエアロホイールカバー、センターロックナット付き。
– アルミルーフの採用により車両総重量の軽量化と低重心化を実現。
– マッサージ機能を備えた加熱および冷却機能搭載のフロントスポーツシート。
– ソフトクローズドア、電動開閉トランク、フランク。
– 超高速900V+ 充電システム。
– 34インチのフローティング グラスコックピットを備えた直感的なLucid UX。
– 広範な無線ソフトウェアによる機能更新。
– 30 以上の機能を備えた高度な運​​転支援システムのDreamDrive Pro。
– Dolby Atmosと互換性がある21スピーカーのオーディオ システム。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。