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2020年6月16日【トピックス】

LEXUS、FRスポーツセダンの新型ISを米国で世界初公開

坂上 賢治

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 トヨタ自動車傘下のLEXUSブランドは6月16日(日本時間の午前8時)、マイナーチェンジした「IS」を米国当地からのデジタルプレスカンファレンスを介して世界初公開した。日本での発売は2020年秋頃を予定している。(坂上 賢治)

 

ISは1999年の初代モデル誕生以降「クルマを操る楽しさ」を追求してきたモデルだとLEXUSでは語っており実際、運動性能の高さを予感させるパッケージングに仕立て上げて、述べ20年以上・累計約109万台販売してきた。

 

 LEXUSのCBO(Chief Branding Officer)で、かつマスタードライバー(Master Driver)でもある 豊田章男・トヨタ自動車社長は、コンパクトFRスポーツセダンISを「ドライバーの運転感覚を磨き上げる砥石のようなクルマ」だと述べている。またそんなLEXUSの訴求価値は、あらゆる走行シーンでドライバーの意図に忠実でリニアな応答を残す〝減速〟〝操舵〟〝加速〟の気持ち良さに現れているとしている。

 

 

 車両の味わいについて、Lexus Internationalチーフエンジニアの小林直樹氏は「新型ISを開発するにあたり念頭に置いたのは、ドライバーとのコミュニケーションに優れ、それがどんな路面状況や走行状況でも破綻しない懐の深いクルマにすることです。

 

 

その実現に向けご好評いただいているコンパクトなボディを活かし、新設のテストコースでチーム一丸となって開発し、熟成を図りました。LEXUSのコンパクトFRスポーツセダンとして、上質な乗り心地でありながら高い車両コントロール性を備え、長く乗れば乗るほど操る楽しさなどの新しい発見や作り手の想いを感じていただけるクルマを目指しました」と語る。

 

 

 ちなみに『クルマは道がつくる』というLEXUSブランドの考え方の下、昨年春より運用を開始したToyota Technical Center Shimoyama(トヨタ テクニカルセンター下山)などを舞台に車両開発を行ってきたクルマだという。

 

この下山のテストコースでも、今回最も肝となったのは全長約5.3kmのカントリー路で、ここは世界屈指の過酷さを誇るコースとして知られるニュルブルクリンクを範に、自然の地形を活かした約75mの高低差を持たせたワインディングロードをプロドライバーがステアリングを握ってトレースするもの。

 

 

同コースなどで数値では測れない人の感性価値にこだわり、一連の運転操作のつながりやリズムなどドライバーの意図に忠実でリニアな操縦性を追求したとし、不快な振動や音といった雑味をあらゆる方向から検証。こうしたクルマ造りはLEXUSのラインアップの持ち味を作る上での基盤でもあると結んでいる。

 

 

 具体的には、2.5Lハイブリッドモデルでアクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御を変更。一方2.0Lターボモデルではドライバーのアクセル開度などから走行環境を判定し、シーンに応じて適切なギヤ段を設定するアダプティブ制御を搭載したことでドライバーの操作や意図に対してリニアなレスポンスず実現できているとする。

 

そのためにもショックアブソーバーのオイル流路には、非着座式のバルブを設けるなど微小な動きに対して流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用。アブソーバーのストローク速度が極めて低い場合でも確かな減衰力を発揮させることで応答性の高い走りが実現しているという。

 

 

新型ISの主要諸元(北米仕様プロトタイプ)は以下の通り。( )括弧内は従来型比。
– 全長 4,710(+30)mm
– 全幅 1,840(+30)mm
– 全高 1,435(+5)mm
– ホイールベース 2,800(±0)mm
– パワートレーン 直列4気筒2.0L直噴ターボ
– 直列4気筒2.5Lハイブリッドシステム
– V型6気筒3.5L
– タイヤサイズ 18/19インチ

 

 

新型ISオンラインワールドプレミアは以下動画尺の15分経過辺りから始まっている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。